逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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とある英雄と友の伝記

「覚えているか、私が学生時代ペアを組んだ相手を。そうだ、私を小馬鹿にしたあいつだ。あれが今、私の伝記を書き、世間を騒がしたそうだ。」

そう語る彼の目は、30年前から少しも変わらない。
大きな黒い瞳で、僕を射貫く。

「私に関わろうともしなかった奴に、何がわかる!」
彼は唸る様に拳を机に叩き、僕の体を震わせ、こう続ける。

「我が友よ、私を知るただ一人の友よ。
 私の事をもし、書ける者がいるなら、

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