逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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エッテクルッバの森

「王様は死んだ! 王様万歳!」

血塗れの棍棒を持つ若い男に、蓬髪の老人はそう呼びかけた。
今からこの男が王だ。王を殺したのだから。男は震える声で問う。
「お前も、俺を殺すのか?」
「んにゃ。わしゃ殺されとうないでな。見届けるだけだ」

某県の深い山中。日本中から犯罪者、無宿者、多重債務者、自殺志願者、狂人、徘徊老人、不法難民、その他諸々が集った廃村。そこには人知れず、小さなコミュニティが形成され

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カラッテリ・チネージの謎

「なんとかいう本に、こう書かれているそうだ」

陰気な男は俺を見据えて、ゆっくりと、無表情に言った。

「『私は死神だ。こいつはもう殺してある。お前は戦士としての義務を果たし、こいつを殺せ。そうしなけりゃ、地獄へ落とすぞ』……そんなふうに。俺は義務を果たす」

そういう男こそ、死神のようだった。死神がこの男の姿を取って、俺を殺しに来たのだ。痩せて背が高く、黒尽くめで、指の節くれだった、この髭面の狂

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大吉です。すべてがうまくいくでしょう。
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