逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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荒野の探偵

その男は寂れたバーの扉を押し開けて現れた。
「水をくれないか」
 男はイギリスなまりで言う。それが癇に障ったのだろう。今、イギリス人は荒くれガンマンと向かいあっている。決闘だ。
 両者の間に乾いた風が吹き抜ける。バーの店主が思わず唾を飲む。そして緊張が張り詰め、張り詰め……弾けた瞬間、両者はほぼ当時に銃を抜き、銃声が三度鳴り響く。
 ガンマンは目を見開き、地面に銃が二丁落ちる。
「てめえ、なんで」

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コジロ・ザ・ガンマン vs 殺人エンターテインメント

「バカな」

それがビリヤードマーダーの最期の言葉だった。ボールとキューを叩っ斬られ、脳天に銃弾を撃ち込まれし殺人技巧追求者はその場に倒れ、動かぬ屍体となる。

男は銃刀をホルスターに戻し、着物の襟を正すと、涙を流す少女の肩に触れた。

「要らぬ世話だったか」

少女は静かに、一往復だけ首を横に振る。

「おい、まずいぜ」

決闘を見ていたカウボーイのひとりが男に声をかけた。

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