逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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ノート

正義のヒーロー太郎が世界を救う(もしくは壊す)話。

世界に選択された男。太郎はヒーローになった。

正義の味方である太郎はまずは目の前の悪を是正しなければならない!

太郎の通う学校にはいじめがあった!

弱き者をいじめるものは悪だ!
だがいじめを行っている彼の家庭環境は最悪だった。つまり本当の悪は彼の家庭環境だったのだ!
だが彼の家庭環境が悪いことになった原因は彼の親の職場の理不尽な要求にあった。つまり悪は会社にあったのだ!
だがその会社が理不尽

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夜叉天楼~血まみれのけだもの達~

―――――――――――――――――――――――――――
 おれの周囲は、すべて写真に変わった。

 商売女の悲鳴。
 監視カメラの視線。
 落ちる酒瓶。
 跳ね飛ばされるドア。
 通りを行く人々。
 呼吸が荒い。張り詰めた神経のせいで肩はこわばり、口は潤いを忘れた。足はただ一つの命令に従い、前進を続ける。

 動け! 〇・一秒前よりも先へ!

 首から上はまるで別人のものになってしまったかのように

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異世界人材派遣ワープ(株)

キキーッ

とてつもない速さでトラックが駆けていく。

「おい!このままだと指定の時間に間に合わねーぞ!」
「わかってる!」

さらに加速していくトラック。

「いたぞ!あの少年だ!」

おれはアクセルを更に踏み込んだ。

GYURURURURURURURU BOKAAAAAAAN!!

おれは少年を轢き殺した。
まぁ厳密には殺したわけじゃねーんだけど。

<転送装置起動>
対象ノ分解及ビデータ化

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気合の女児・マジカル☆まじか

「おうおうおう! 上等くれてんじゃねーか!」
真敷本気香(まじきまじか)は小学校五年生の女児である。もと暴走族で今はラーメン屋の父と、もとレディース総長の母との間に生まれた生粋の気合系女児だ。
 現在、父親のラーメン屋は地上げ屋の若い衆の嫌がらせに悩まされており、卑怯にもその仲間のひとりはまだ小学生である本気香を誘拐しようとしていた。
「この真敷本気香に手ェだすなら腕の一本や二本覚悟してんだろーな

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ハロー DEATH TUBE

こんにちわー。
ハロー DEATH TUBE!

昨日の動画観てくれました?
ニュースでも取り上げてもらって話題になってますよねー。

こうやって自分のやった活動が認められていくのって嬉しいです!

えーっとそれで今回はですねー5人目?あれ?6人目でしたっけ?
ちょっと記憶が定かではないんですけどいきましょうか。

ということで今回取り上げるのはこれ!

ぴろぴろろ~最近話題の食品偽装をしたニコニ

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たとえ死が私を歩もうとも

急ブレーキで車を止めると俺は毒づいた。窓を開けて今しがた轢きそうになった相手に怒鳴ろうとしたが、声が出なかった。
 ヘッドライトの先には子どもがいた。小学生ぐらいで、クマのぬいぐるみを担いでいる。それを見てなぜか俺は戦争映画を思い出した。
 嫌な予感がした俺は黙って車をバックさせはじめる。が、車と同時に男の子が動いた。まるでワープした俊敏さで助手席にしがみついた。
「乗せて! 乗せて! 乗せろお!

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グリエルモ・サカラはなぜ消えた?

「アイツの暮らしは今のオレよりみじめなもんだった」
アルテロは言った。ウェストサイドの端の端、ゴミ溜めじみたこのボロ屋が彼の城であり、再開発以前の街の様子を知らせる唯一の名残だ。
「日々の食事にも事欠く有様だったとか。それに……」
「ハ!」頑固爺が若い記者を嘲る「見た風に語りよる。なら昔話はいらんだろ」
「とんでもない!それを聞きにきたんですよ」
キースは焦った。グリエルモの半生を追うため、彼の機

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結合装甲ニコデカリオン

「ヘル病患者だ! ヘル病患者が出たぞ!!」
 未来都市スティグマシティに悲鳴と怒号が響き渡る。公害病であるヘル病に罹患した患者のヘル発作による突発的な筋力増強と凶暴性の増加は、スティグマシティではすでにお馴染みの災害となっていた。
 道路の真ん中で停めた車のドアを次々に開けて逃げ惑う市民に逆行し、アイノ・アカシはロングコートの裾をなびかせゆっくりと歩を進めた。
「グォオ……」
 そのサイバーグラス

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レッドルームシスターズ







そこは赤い部屋だった。

でもその部屋は元々赤い部屋だったわけじゃない。
わたしの妹の部屋だった。

そしてその妹は今目の前にいる。
ただしそれはもはや妹なのかそうではないのかわからないのだ…。

考える間もなく赤い姿をしたそれが近づいてくる。

「タスケテオネェチャン…オネェチャン…イヒヒヒ」

顔だけはよく知っていた妹であったが明らかに表情が違う。

「あなたはだれなの?妹は

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ゲッコーの夜

地球最後の遊技場、大阪第7ビルが放つ光は月光が霞むほどだ。賭博中毒労働者、アウトロ、権力者らが階層ごとに分かれ謎めいたカネの流れを生み出す腐った塔。ネオンと喧騒は嫌いではないが、糞は糞だ。滅びてしまった方がいい。

「ヘケートもそう思わない?」

『ファック、さっさと飛んで!』

 糞でもどうせここでしか生きれない。私は少し息を吸い、そのまま海上666mのビル屋上からダイブした。

『84F、標的

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