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逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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「逆噴射小説大賞」とは、ダイハードテイルズ出版局が主催し、社会派コラムニストの逆噴射聡一郎先生が審査員に加わる、コンテンポラリーで由緒あるパルプ小説大賞です。今回の本文文字制限は…
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#異世界

ブレイクウォーター

ブレイクウォーター

異世界というものがある。
その形式は様々であるが、一つだけ共通点があるとすれば我々の住む世界とは根本から違う原理で成り立っているということだ。
通常であれば我々の世界と交わることはなかったそれらの世界が、こちら側に侵攻を開始してきたのがここ数年の話。

かつては空想の産物と思われていた存在が現実に現れ、街を破壊し始めたことに人々は恐慌状態となったが、ある集団の登場が事態を変化させた。
異世界の侵攻

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『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」

『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」

「ファック野郎!」

スコップを振り下ろし、襲い来る力鬼士の指をぶった切る!
「ギァーーッ!」指は土に還る。力鬼士は後退し、チッチッと音を発した。仲間を喚んでいる! ボゴン! ボゴン! 床や壁から力鬼士が這い出す。囲まれた!「くそったれ……! まさか、実在するなんてな!」

デリックはスコップを振り回して威嚇し、事の発端を思い出す。



「父を、助けて下さい!」デリックの店に飛び込んで来た少女

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ドラスタルの魔騎

ドラスタルの魔騎

バオオオオオオン!轟音。石畳の街道を、鉄馬が駆ける。黒く巨大な殺人バイクだ。
腕を組み、傲然と騎乗するは虹色モヒカンの巨漢。周囲に超自然の風を纏い、両眼をギラギラと輝かす。

「ヒャッハ!ヒャッハ!」

奇妙な掛け声をあげる主人を乗せ、鉄騎は猛然と進む。呪文だ。異界由来の蛮族ボウソウィに伝わる禁忌の魔術。巨漢がおもむろに両腕を広げるや、その背後に数十の鉄騎兵が出現する。隠匿の術だ。

「き、来たァ

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後期高齢者のキッザニア

後期高齢者のキッザニア

「来世は異世界に転生するあなたが後悔しないようあらかじめ現世で体験しておいていただきたいんですよ」

 訪問販売すらやってこない儂のアパートにやってきたのは、訪問販売員の方が信頼できそうなほど胡散臭い女だった。
 西洋の女神のような格好をした女はパンフレットを儂に押し付けた。

「ふむ……まあ、仮にあんたの話を信じるとして、なんじゃその間違いのない人生を遅れるようにってのは」

 どうせ暇だから儂

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信じて送り出した彼女が異世界お持ち帰りされてビデオレターを送ってくる全年齢向けファンタジー

信じて送り出した彼女が異世界お持ち帰りされてビデオレターを送ってくる全年齢向けファンタジー

 飲み会に行った彼女と連絡が取れなくなってから、一週間が経ったある日。DVDが届いた。
 彼女の名前が記されていたこともあり、俺はすぐにそれを再生した。
 そこに、何が待ち受けているのかも知らずに――

 内容は飲み会の光景だった。彼女はチャラ男達と楽しそうに会話している。
 そのうち彼女が寝てしまう。
 次に写ったのは、石畳の上に座る彼女の姿だった。

「な、なんなんですか!? どこですか、ここ

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荒野のタグ・スリンガー

荒野のタグ・スリンガー

「「「ホーッ!ホーッ!」」」

 荒縄で縛られたスマホを振り回し、web荒野に棲む電子原人たちが襲って来る! 上空に飛び交うのはツィツィ鳥だ。目玉や内臓を突つき出す腐食性の猛禽。俺の死体を食い荒らそうと、気が早いことにやってきたわけだ。だが、やるもんか。

 疾走する電子馬の上で、俺は左手で手綱をとり、右掌を上に向け、集中する。エナジーが集い、掌大の「#(ハッシュタグ)」となる。俺の武器だ。

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エールッフ年代記

エールッフ年代記

「エール、エローヒーム、エローホー……」

聖都エルフリムに、神を讃える声がこだまする。今朝はひときわ音高く。

「主に選ばれしエールッフの民よ、いと高きところにいます方に感謝せよ」

皇帝の司式のもと、戦勝を祝う荘厳な儀式が行われる。
臣民は涙を流して喜び、ひれ伏す。都は活気を取り戻す。

使徒到来紀元1022年。
三大陸の覇者、エールッフ帝国皇帝ミカエルフ2世は、冬をようやく平穏に迎えた。先年

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なぜ、異世界に行ったことがあると就職活動で有利なのか? ~就活で差をつける10のテクニック~

なぜ、異世界に行ったことがあると就職活動で有利なのか? ~就活で差をつける10のテクニック~

 俺はイベントサークルの副代表で、オリンピックボランティアとしての活動経験もある。面接のときはいつも胸をはってそれをアピールしてきた。
 ――今、俺はそんなものが実戦では何の役にも立たないことを実感させられている。
 とある大企業の面接を受けに来た俺は、マナーに則り3回ノックをして扉を開けた。
 だが、その先に待ち受けていたのは机と椅子と張り付いたような笑みを浮かべた面接官ではなかった。
 生暖か

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ゲットバック・マイ・ライフ

ゲットバック・マイ・ライフ

銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。

「間に合ってよかったです」

怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。

「あなたを迎

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夢想冒険譚

 急な出会いを、世界を揺るがす出会いを求めていた。この歳でまだ未来から猫型ロボットが来ると、フクロウが入学許可証を持ってくると、本気でそれを願うのが後藤 良太郎だった。小学生になれば、中学生に、高校生になれば世界は自由になると思っていた。退屈で不自由で驚きのない世界から逃がれられると。大学に入り最新の科学を学ぼうとそこに魔法は無かった。自由と謳われていた大学も退屈だった。この先の可能性もそう残され

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