逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
パルプデーモン・チーフ
「やっぱりミュータントだよ……!」
編集長はバッサリ。俺の顔に原稿が投げつけられる。
「悪魔とか妖怪は宗教色強すぎるとおもうわぁ。時代受けしない」
「でも」俺は食い下がる。ここで、曲げたら作家の俺はオワリ、ジ・エンドだ。家賃も払えず野垂れ死ぬ。
「敵がミュータントなら何でもできるし、どんな形にでもできるでしょ?わかってんの?触手ウジュウジュ〜!ね?」
「じゃ、じゃあ、ダックスフンドミュ
メキシカン・ラプソディ
10月31日の夜。僕は先刻投稿した『プログレッシヴ相撲』の記事共有ツイートを送信すると、大きく伸びをした。
『パルプ小説冒頭400字』。楽しい企画だったが、応募は今ので最後だ。今日はもう休もう……。
KRAAASH!
その時突如、アパートの扉が破砕!一体何が?僕は戸口の向こうを見遣る。
そこにいたのは力士だった。
僕はそいつの奇妙な出で立ちと、投稿作品一覧が表示されているPC画面を交互に見
正義のヒーロー太郎が世界を救う(もしくは壊す)話。
世界に選択された男。太郎はヒーローになった。
正義の味方である太郎はまずは目の前の悪を是正しなければならない!
太郎の通う学校にはいじめがあった!
弱き者をいじめるものは悪だ!
だがいじめを行っている彼の家庭環境は最悪だった。つまり本当の悪は彼の家庭環境だったのだ!
だが彼の家庭環境が悪いことになった原因は彼の親の職場の理不尽な要求にあった。つまり悪は会社にあったのだ!
だがその会社が理不尽
キョウイク・ウォーズ
廃校舎を走る、走る、とにかく走る。跳弾が掠めようと仲間が倒れようと前を向いて走るのだ。
「逃がさんぞタカスギ!」
パラララ、と軽い音が響き、蛍光灯ー……もう崩れかけのそれーがすぐ横に落下した。シット!アイツらカラシニコフまで持ち出しやがった。
仲間とのランデブー地点はすぐそこだった。このままでは巻き添えにしてしまう。
意を決して足を止め、両手を挙げた。すぐ後ろでPTAの神童共が立ち止まり、銃
【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #1(第1話:1/4)
死人に口なし? あるよバカタレ。
-ジュディ-
「ああジュディ。深夜にすまない」
バリケードテープをくぐる老婆にゴードン特別捜査官が声をかける。
「ったく。こんな山奥の道端でババアが死ぬかい?」
不満を垂れながらジュディは咥え煙草を始末し、ざっと死体を観察した。
「手首の擦過傷と足の具合からして監禁された後に徒歩で山中を逃走… 道に飛び出し轢死。監禁場所は半径2マイル圏内か。退屈な事件」
「
異世界人材派遣ワープ(株)
キキーッ
とてつもない速さでトラックが駆けていく。
「おい!このままだと指定の時間に間に合わねーぞ!」
「わかってる!」
さらに加速していくトラック。
「いたぞ!あの少年だ!」
おれはアクセルを更に踏み込んだ。
GYURURURURURURURU BOKAAAAAAAN!!
おれは少年を轢き殺した。
まぁ厳密には殺したわけじゃねーんだけど。
<転送装置起動>
対象ノ分解及ビデータ化