逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

ダイダラボッチvsポール・バニヤン

「てめぇ俺のチョコ食っただろ!」
「早い者勝ちだッつってんだろが!」

仲良しのダイちゃんとポーくんがふとした事から大ゲンカ!マウントを取り合い涙を浮かべてポカポカと殴り合っています。やがて2人は壁を突き破って真っ逆さま!

気がつくとダイちゃんは一面砂にまみれた場所にいました。辺りを見渡してもポーくんの姿は見えません。とりあえず近くに生えていた手頃な枝をへしおり、ぶんぶんと振り回しながらポー

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ワオワオ!
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渾沌の七つの穴

よいかな。むかし渾沌がいた。眼も耳も鼻も口もなし。身は渾然とし、意識は朦朧。これが中心にあり、太極が流れ出て陰陽が判れた。渾沌に七つの穴が空いたせいなのじゃ。

―――莊子にいう。南海と北海の帝(かみ)が渾沌に七つの穴を空けた。すると渾沌は死んだ。

 この七つの穴から万象が漏れ出した。あらゆる可能性と災厄が飛び出したのじゃ。帝たちは慌てて穴を塞いだ。すると、渾沌の死体の中から声がした。そいつは言

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あなたの徳がアップしました。寿命が伸びます。
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ヨコヅナ・フォートレス (邦題:横綱要塞を突破せよ)

心技体、そして霊。
人は知る由もないが、力士の身体にはニューロンの速度で動き回る小さな精霊「角霊」達が宿っている。猛き力士には角霊が集い、角霊に愛されし力士は力を得て横綱となる。この循環により、我が国の五穀豊穣は保たれて来たのだ。

だがある時、大関「鬼乃若」に宿る角霊の1人が取組中に発狂。多数の角霊を殺傷せしめ、力士管制は崩壊。力を失った鬼乃若は受身を誤り長い休場を余儀なくされた。さらにその角

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やったやったー!
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月の男と墜落するシモン

聖人、山師、魔術師。
その男の噂は余りにも膨大で、そして余りにも纏まりがない。だがその噂はどれも不気味なほどの熱を帯び、今やルーンの植民地、カナの地を席巻しつつある。

月の男。

そう呼ばれている噂の主に、占い師シモンが遭遇したのはある朝のことだった。

辺りにかぐわしい香りが漂う中、男が口を開く。するとその言葉は光となり、煌めきながら天へと昇っていく。男が空に手をかざすと、まるで時が加速したか

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やったぜ!
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観音ロックウォーズ

全裸の弁財天が空中でフェンダージャガーを掻き鳴らす!

「神に逆らうとは良い度胸じゃ」

凄まじいロック!波が逆巻き龍となって襲来!
「暴!」
男は鉄のストラトを振り下ろし、龍の頭を砕く!爆発往生!
「神珍鉄、鎮海の宝、脳袋で味わえ!」
男がストラトを弁財天へ投擲!風を切り、梵音海潮音が鳴り響く!
「猿猴(さる)め! 音でわらわに勝てるか!」
弁財天は八臂を顕し、四本のフェンダージャガーを同時演奏

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あなたに大きなスシとCORONAを!
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白のナダレと花のテオ

夕陽によって空が赤く染まりはじめると、空にゆらゆらと白みがかった巨人の影が浮かぶ。陽炎のごとき巨人が踊る神話的な光景は、しかしサの村の人々にとっては見慣れたものであった。村の古老は子ども達に語る。あれは山の精霊。あの踊りは創世の神話を再現したものなのだと。

バチバチと音をたてて燃えるサの村。それを見下ろしながらテオは嗚咽を抑えていた。ムの領主が野心を抱き兵を集めている。その噂は辺境のこの村にも届

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うおおおお!
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凱旋英雄

遥か高く遠き階梯。
その彼方に座すは至高の存在、認識すること能わざる八柱のオルドレス。その光は遍く万物を照らし、限りなき恩寵を世界にもたらす。

しかし光差すところ闇もまた存在する。

遥か遠く昏き深淵。
その禍々しき混沌に微睡むのはブルピトス。それは真の意味での暗黒。そしてこの世界の造物主である。



ドゥルクは決死の剣を振るった。周囲は全き闇。オルドレスの恩寵たるアルダの力が体から失われて

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うおおおお!
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永劫戦争

ずむず…ずむずむずむ…。

腹の底にまで響く重低音と振動。
どす黒い瘴気に覆われた空を、燃え盛る炎の山脈が照らす。

ここは戦場。永遠に終わることのない戦場。
東の軍勢率いる鉄骨のジゴル。西の軍勢率いる姿無きメガンザ。二柱の神将の前に、兵の命は塵芥のごとし。今日もまた何万もの命が消え、そして翌日にはありとあらゆる世界から、また新しい兵士達が集められてくるのだろう。

死臭漂う塹壕の片隅で膝を抱えて

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やったぜ!
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