逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

1059
ノート

【CORONAは誰の手に】第1回逆噴射小説大賞:一次選考&二次選考結果の発表です!

お待たせしました! CORONAとドリトスを手にするため、約1900もの作品が集まった第1回「逆噴射小説大賞」の一次選考、および二次選考が、ここに終了いたしました。改めて、たくさんのご参加(投稿+スキ+紹介)、本当にありがとうございました! 

逆噴射聡一郎先生によれば、今回のパルプ小説大賞設立の理由は「毎日がプラクティス・・・・そのための場・・・・イクォール・・・MEXICO・・・・」とのこと。

もっとみる

悪虐非道の姫

「かつて魔族と人間が同じ街に共存する時代があったのよ」女戦士ヨシミは人工パーツに置換された下顎に触れる。「悪い冗談みたいだった」
「……」
向き合うイオタ——魔族に呪殺された勇者のクローン体——は固唾を呑んだ。

女戦士ヨシミが当時住んでいた団地の道路で、裸の若い女が四つん這いになり臀部を鞭打たれていた。
鞭を振るのは魔界の女王イグナール。ヨシミのお隣さんだ。
「良い子ね!あと50発耐えれば奴隷

もっとみる

ウィッチハントの民

うっそうと生い茂る針葉樹林を、私は木から木へと飛びわたる。
枝を蹴る音、特殊迷彩染色ローブに身を包んだ姿、吸って吐く息の流れ、それら全てを木々のさざめきの中に隠せ。ウィッチに気づかれることは即ち死だ。
……ああ、見つけたぞ。木の陰に座り込んでやがる。
気取ったような三角帽子、ド派手な赤いマントをはおり、そしてなによりあの忌むべき杖。見間違うはずもない。ウィッチだ。
腰のベルトにかけたボウガンを取る

もっとみる

創世巨人のゼナン

「おはよう、被検体49号。言葉はわかるよね」

突如現れた異界の科学者。彼のもたらしたクローン技術は世界を変えた。最強戦士のクローン、伝説的剣士のクローン、選ばれし勇者のクローン…その力は邪を圧倒し、人の世は平和になった。

…はずだった。

「僕の名はマガタ。人間に滅ぼされた魔王のクローンだ。

そして彼は偉大なる夜の一族、その始祖のクローン。あっちのは大陸を腐海に沈めた魔導士のクローンで、僕ら

もっとみる

灰、燃滓のラストダンス

こちらに放たれる光。スポットライトみたいだ。小さな頃はバレエを習ってた。眩しくて客席は見えなかったけど、母さんが見てるって分かってた。

「ドローン、機械兵が8に戦車が1」

通信終了。相変わらず簡潔。何を企んでいるのやら。すぐ目視で確認。不吉な操り人形がモノアイを、巨大な戦車が砲塔をこちらに向ける。戦闘態勢。

嫌になっちゃう、と独りごちてマギ謹製の義足を触る。思い出から戻ってきたら、生きた観客

もっとみる
ありがとうございます。次も読んでいただけるよう励みます。
12

コロナビールは400字の祭の夢を見るか

まもなく、気泡が完全に抜ける。
コロナビールに浮かぶ泡は、全て世界だ。
お祭りのようにしゅわしゅわと、生まれた400字の泡。
始まりだけを刻まれた、まだ生まれる前の世界。
普段は物語なんて書かない人も、物語を書くのが趣味の人も、物語を書くのが生業の人も熱量と空想が詰まったこのコロナビールは、もう少しで終わる。

「楽しかったなぁ。」

この無数に浮かんだ世界のうち、いくつがこのまま消えていくのだろ

もっとみる

週末ヒロイン”スターバスター” 〜ヘレナはクンフーが足りない〜

冬も迫る、肌寒い夜のことだった。

帝都。路地裏で一人の酔漢を三人のギャングが囲み、そのはるか上方。
ビルの端に腰掛けた少女の顔を、ごく細かい粒子が這いずり、結びつき、覆面<マスク>を形作る。

赤ら顔の酔漢は……どうやらギャングの一人の足を踏んだらしく、それをタネに路地裏に引きずり込まれ、有り金を強請られているようだ。

(初舞台に好機)
端的に少女が心中呟き、羽織っていたパーカーを翻し、今や全

もっとみる

インスタントラーメン・クライシス

『何度でも食べられる!自己培養型インスタントラーメン誕生!』

最先端バイオテクノロジーの結晶とも言うべきニュースが世界を駆け巡ったのももう以前の話。
人類にとって長きに渡り愛された革命的即席食品は、新たな革命を遂げて家庭に定着していた。

「今日は……塩にするかな」

俺は部屋の中をとてとてと歩いている『塩』を手招きし、机に座らせた。
家のラーメン達の中ではいい具合に麺と具が育ってきている。

もっとみる

復讐機アヴェンジオン

死ねない…
人類の為に戦い、平和を得た矢先に我々を切り捨てた奴らに自分達の流した血の意味を刻み込むまでは…
死ねない…死ねない

彼は機体の操縦室で死にかけていた。
指は力を失い、耳は艦の危機を告げる警告音を捉えることを放棄しはじめ目は赤に染まる。
意識は怒りと何故という思いを手放そうとする。
それでも消えぬ怒りの中、不定形のゲルが彼の指に触れた…

あらゆる機械と同化し己の物とし増殖する謎の生命

もっとみる

ソリッド・シェル・ソウル

「何が楽な仕事だ、まったく」

思わずぼやく。
標的は傭兵崩れ。魔術師の類はおらず、数も十人ほど、のはず。

『一杯食わされたか。正直に話すと俺らが断ると思ったんじゃないか』

が、実際の敵は三十人を下らない。さらに男たちが取り囲むのは、小屋のような鉄の箱だ。眼球に投影された解析結果には【軽戦車】とある。

「次から個人の仲介屋は信用するなよ」
『そうする。で、どうする?』
「やめとくと言いたいけ

もっとみる