- 運営しているクリエイター
#小説
【CORONAは誰の手に】第1回逆噴射小説大賞:一次選考&二次選考結果の発表です!
お待たせしました! CORONAとドリトスを手にするため、約1900もの作品が集まった第1回「逆噴射小説大賞」の一次選考、および二次選考が、ここに終了いたしました。改めて、たくさんのご参加(投稿+スキ+紹介)、本当にありがとうございました!
逆噴射聡一郎先生によれば、今回のパルプ小説大賞設立の理由は「毎日がプラクティス・・・・そのための場・・・・イクォール・・・MEXICO・・・・」とのこと。
灰、燃滓のラストダンス
こちらに放たれる光。スポットライトみたいだ。小さな頃はバレエを習ってた。眩しくて客席は見えなかったけど、母さんが見てるって分かってた。
「ドローン、機械兵が8に戦車が1」
通信終了。相変わらず簡潔。何を企んでいるのやら。すぐ目視で確認。不吉な操り人形がモノアイを、巨大な戦車が砲塔をこちらに向ける。戦闘態勢。
嫌になっちゃう、と独りごちてマギ謹製の義足を触る。思い出から戻ってきたら、生きた観客
週末ヒロイン”スターバスター” 〜ヘレナはクンフーが足りない〜
冬も迫る、肌寒い夜のことだった。
帝都。路地裏で一人の酔漢を三人のギャングが囲み、そのはるか上方。
ビルの端に腰掛けた少女の顔を、ごく細かい粒子が這いずり、結びつき、覆面<マスク>を形作る。
赤ら顔の酔漢は……どうやらギャングの一人の足を踏んだらしく、それをタネに路地裏に引きずり込まれ、有り金を強請られているようだ。
(初舞台に好機)
端的に少女が心中呟き、羽織っていたパーカーを翻し、今や全
インスタントラーメン・クライシス
『何度でも食べられる!自己培養型インスタントラーメン誕生!』
最先端バイオテクノロジーの結晶とも言うべきニュースが世界を駆け巡ったのももう以前の話。
人類にとって長きに渡り愛された革命的即席食品は、新たな革命を遂げて家庭に定着していた。
「今日は……塩にするかな」
俺は部屋の中をとてとてと歩いている『塩』を手招きし、机に座らせた。
家のラーメン達の中ではいい具合に麺と具が育ってきている。
食
復讐機アヴェンジオン
死ねない…
人類の為に戦い、平和を得た矢先に我々を切り捨てた奴らに自分達の流した血の意味を刻み込むまでは…
死ねない…死ねない
彼は機体の操縦室で死にかけていた。
指は力を失い、耳は艦の危機を告げる警告音を捉えることを放棄しはじめ目は赤に染まる。
意識は怒りと何故という思いを手放そうとする。
それでも消えぬ怒りの中、不定形のゲルが彼の指に触れた…
あらゆる機械と同化し己の物とし増殖する謎の生命
ソリッド・シェル・ソウル
「何が楽な仕事だ、まったく」
思わずぼやく。
標的は傭兵崩れ。魔術師の類はおらず、数も十人ほど、のはず。
『一杯食わされたか。正直に話すと俺らが断ると思ったんじゃないか』
が、実際の敵は三十人を下らない。さらに男たちが取り囲むのは、小屋のような鉄の箱だ。眼球に投影された解析結果には【軽戦車】とある。
「次から個人の仲介屋は信用するなよ」
『そうする。で、どうする?』
「やめとくと言いたいけ
泉さんは人殺しも上手
空き巣に入った先で人間の解体作業が行われていた、という事例は、この世にどれだけあるだろう。しかも、学生時代の同級生と再会するというオプションつき。
「東田さん、お金欲しいんでしょう。少しは出せるからさ、手伝ってよ。それで空き巣の件はチャラ」
と、泉さんは言ってのける。ノコギリを持つ手を休めないそのさまに、昔からテキパキした子だったと思い出した。
青いビニールシートが敷かれた風呂場
ギターを抱いた渡り猫
コバーンの手下、あのニボシ臭いハチワレどもの頭をあニャあきチーズに変えてやったのは、ここニャン年かで二番目に気分のいい出来事だったが、(一番目がニャニかって?あんたみたいないい猫とこうしてお話しできてることかもニャ)そのおかげで、町から町へ、渡り鳥ならぬ渡り猫、ってわけさ。まあ、俺には幸い相棒のこいつがあるからニャ、こいつをかきニャらしながら、甘い歌の一つでも口ずさめば、とりあえず食うものと宿に困
もっとみる巨大猫型奇術師バーディ
「バーディ、ちゅっちゅ」
あったかいマンションの一室で、僕は愛しき飼い猫の名を呼ぶ。何度か呼んで、バーディは気だるそうに来てくれる。
「おーよしよしよしよし」
撫でてやると、まんざらでもなさそうな顔をする。かわいいなあ。
バーディは僕の手からするりと逃れ、壁に貼ってあるポスターを見上げた。
「ん、それはね、知り合いの変なおじさんからもらったんだよ」
電光ナンチャラなんとかマンみたいな、
そして青年は人を撃つ
静まり返った荒野に、一発の銃声が響く。ノエル・チャーチヤードは、いつものように敵の歩哨を撃ち殺してから、いつものように目をつぶり、ドイツ語で主の祈りを唱えた。
「祈りながら撃つサイコ野郎ってのはお前の事だったのかよ」
「そう思ってくれるんなら、僕にとっても仕事がやりやすいさ」
ノエルは、先ほど初めて会った同僚と、短い会話を交わす。ノエルの改造された瞳は、なおも荒野の戦場に目を光らせて