逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

1858

ハロウ・イン・アキバ

ぎい。サルーンのドアを開けると、客の何人かが俺を睨んだ。凶悪な面構えがずらり。
「らっしゃい」
メイド服の店主の嗄れ声。珈琲と砂糖の香りが充満する中、俺は悠然と歩を進め、カウンター席に座る。
「なんにするね」
「日替わりパスタと、キャラメルカプチーノで」

店主はごつく毛深い指で注文を書き取り、無言で了解する。
奥の方では、棒付きキャンディをしゃぶってカードゲームをしてる連中。ミント風味の清涼菓子

もっとみる
大吉です。すべてがうまくいくでしょう。
4

継ぎ接ぎの裁断者

スーツの男が差し出した紙切れ‐依頼状‐を一瞥すると、継ぎ接ぎだらけのコートの男は舌打ちをした。

「バラバラにするとこだった」

コートを翻すと、男は明かりの方へと歩き出した。

後をついて行こうとして直ぐに、“スーツ”はそれがどういう意味かを知った。

鼻に何かが触れた。
それは、不用意に触れれば切れてしまいそうな、透明な『糸』。

周囲をよく見れば、いたる所に同様の『糸』が張り巡らされている。

もっとみる