逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
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本
夜の校舎には怪人が出る
夜の校舎の上、満月の中を踊る様に飛ぶ影が一つ。その姿は人の輪郭をしていたけど、背中には翼があり、どう見ても人間ではない異形の怪物だった。だけど美しいと思った。だから彼女の名前は美鳥なんだと、多分間違った納得をしてしまう程に。
「君も一緒に、どう?」
美鳥先輩が降りてきて、僕に手を差し伸べてきた。表情を作れない人外の顔が、優しげに微笑んでいた。
◆
みんなが知らない隠された真実。世界
私の弟の顔が良すぎる!
弟の顔が良すぎる。
こんなことを言えばブラコン扱いされてしまいそうだけど、
私の弟に関しては紛れもない事実だ。
どれだけ顔が良いかというと、例えば弟……司は指定したマスクを
基本的に人前で外さないよう国連から直々に通達されている。
もしそのマスクを取ってしまったらどうなるかといえば。
「あ、あへぁぁ……」「許して……無礼なことをした俺を許してぇ……!」
「んー、どうしてやろうかなー?」
――
ゲットバック・マイ・ライフ
銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。
「間に合ってよかったです」
怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。
「あなたを迎