逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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夜の校舎には怪人が出る

夜の校舎の上、満月の中を踊る様に飛ぶ影が一つ。その姿は人の輪郭をしていたけど、背中には翼があり、どう見ても人間ではない異形の怪物だった。だけど美しいと思った。だから彼女の名前は美鳥なんだと、多分間違った納得をしてしまう程に。

「君も一緒に、どう?」

 美鳥先輩が降りてきて、僕に手を差し伸べてきた。表情を作れない人外の顔が、優しげに微笑んでいた。

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 みんなが知らない隠された真実。世界征

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暁荘での長い生活

虫の羽音で目を覚ました。日当たりは悪く、天井の隅はカビで黒ずんでいる。隣人の部屋からは何かの新興宗教だろうか、甲高い楽器の音が一定のリズムで鳴り響き、壁を通過してくる。もう一方の部屋は至って静かだが、休日はいつも部屋におり、こちらが少しでも大きな音を出そうものならすぐにインターホンが飛んでくる。

こんな状況に置かれてしまっているのも全ては金が無いせいなのだ。大学卒業後、月1.5万、敷金礼金なし、

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私の弟の顔が良すぎる!

弟の顔が良すぎる。
こんなことを言えばブラコン扱いされてしまいそうだけど、
私の弟に関しては紛れもない事実だ。
どれだけ顔が良いかというと、例えば弟……司は指定したマスクを
基本的に人前で外さないよう国連から直々に通達されている。

もしそのマスクを取ってしまったらどうなるかといえば。

「あ、あへぁぁ……」「許して……無礼なことをした俺を許してぇ……!」
「んー、どうしてやろうかなー?」

――

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読んでくれてありがとう!
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ゲットバック・マイ・ライフ

銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。

「間に合ってよかったです」

怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。

「あなたを迎

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やったぜ!
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