逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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安倍晴明オニと出会う

安倍晴明の前に鬼が出現す。怪奇な外見の鬼は髪は茶色で肌が褐色。鬼にしては小柄だ。
「すごい……尊い……マジモンのセーメー様じゃん。超ありがてえ……」
「何をいっているかわからんな」晴明は苦笑した。自身を女学生と呼ぶが、それも不明である。
「して、背中のものは」
「あ、これですか! えっと、平安時代って結構ヤバイって聞いてたんで、服たくさん! ナノマシン! テーザーガン!」
「やはりわからん」晴明は

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御伽同心あばれ旅

「グエーッ!」
 悪代官と悪徳商人が無様な声をあげて組み伏せられる!
「そこまでだ!」
 壮年の着流し浪人が指示すると、五人は戦いの手を止めた。と言っても、最後の悪漢が倒れ伏したところである。
「以降は奉行所に預ける。我々は撤収だ」
 先刻まで派手に立ち回っていた者たちが、さして疲れた様子もなく代官屋敷を後にする。その面子は多様であった。

 浪人を装い世情を探る公儀隠密、福部分蔵!

 古流道場

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東島見聞録

「旅の者よ」
 暗い海を臨む岬、襤褸をまとった老人はしわがれた声で告げた。
「この海を渡ってはならぬ。東の島へ行ってはならぬ。あそこは忌まわしきものどもの巣。愚かな好奇心のまま立ち入った者達は無惨に死に果てた。僅かに逃げ帰った者も、恐怖に囚われ心病んだ。そうなりたくなければ海を越えてはならぬ。わしの様になりたくなければ……!」
 語るうちに老人の声は熱を帯び、片方しかない眼は狂気を宿し始めていた。

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異世界に転生したところで俺みたいな奴がヒーローになれる筈もなかった

俺は部活の帰りだった。
「あー疲れたなあ。えっ!?」
 キキーッ!ドカン!
 俺は暴走トラックに轢かれてしまった。俺の意識は薄れていった・・・

 気がつくと俺は白い空間にいた。俺の目の前には女神の様な人がいた。
「俺はどうなったんだ?あなたは誰ですか」
「私は運命の女神。あなたには申し訳ないことをしました」
「どういうことですか」
「私の手違いで、まだ死ぬ運命ではなかったあなたがトラックに轢かれ

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龍人奇譚 ~力屋丈右衛門~

村を焼く炎が夜空を照らす。業火を背に、二つのものが対峙する。
 共に異形。影に覆われた輪郭だけなら鎧を纏った人にも見える。しかし実像が露になれば、魔物か鬼神か、或いは龍がその身を人に似せたものか。
 彼等は互いの隙を窺い、いつでも攻撃と防御に移れる構えを取っている。戦っているのである。

 炎の及ばない場所に集まり、推移を見守るのは村人たち。一人たりとも命を落としていないのは幸運の為だけではない。

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