逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

ギターを抱いた渡り猫

コバーンの手下、あのニボシ臭いハチワレどもの頭をあニャあきチーズに変えてやったのは、ここニャン年かで二番目に気分のいい出来事だったが、(一番目がニャニかって?あんたみたいないい猫とこうしてお話しできてることかもニャ)そのおかげで、町から町へ、渡り鳥ならぬ渡り猫、ってわけさ。まあ、俺には幸い相棒のこいつがあるからニャ、こいつをかきニャらしながら、甘い歌の一つでも口ずさめば、とりあえず食うものと宿に困

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ありがとうございます・・・!ありがとうございます・・・!
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好奇心が猫を殺す

猫を殺すのが俺の仕事だ。我ながら因果な稼業だと思うぜホント。
〈超猫計画〉で生み出された九匹の猫。どいつもこいつも猫又を素体にあらゆる呪術・科学的強化を施された本物の化け猫達。
 そんな奴らが戦争が終わったからと大人しく処分される訳もなく。部隊の人員をぶっ殺して脱走、人に化けて市井に紛れた。
 今俺の目の前にいる瀕死の会社員もその一匹。個体コードネームは「パイワケット」か。ふん、洒落てやがる。

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ありがとう、そしてありがとう!
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スモーク・ウィード・エブリデイ

日本政府はクソだが、大麻を合法化したことだけは立派だったと吸うたびに思う。
「そう思わないか?」
 そう隣を歩く犬に話しかけると犬は、
「さあね、だが我々にとって利益があったのは認めるところだ」と気障ったらしい返事をする。
 俺がラリっているのかって? 違う。彼はおしゃべりドッグだ。
 大麻の合法化で犬が大麻を吸い、偶発的に知性を得た。その衝撃は軽い世界大戦が起きるほどだ。そのため、動物に大麻を与

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宇宙猫エルバッキーの主人公創造記

エルバッキーは困惑した。
例の地球人を監視し続け2週間。
一向に「物語」が始まる気配がない。

彼の故郷アンドロメダ星には高度な文明がある。
食うに困るは決して無いが、それでも彼らを殺すものがある。

退屈。

しかし致死の病にも特効薬はある。
スリル。サスペンス。物語。
彼らは血と死が好きだ。悪趣味で理不尽で不謹慎で、しかも大食いで舌も肥え興味も移りゆく。

宇宙中の物語を母星に供給する仕事。

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キャット・キルド・ザ・キュリオシティ

吾輩…いや私はネコという【概念】である。
名前は無かったり…トムだったり…今はキティ。

◆◆◆

私が最初に【概念】を得たのはエジプトだった。
それは私にも人にも都合が良くて結果私は【女神としての概念】を得た。
だがヤツ…未来永劫戦う定めの…は尻尾を巻いて逃げ出したのだ。

地中海を渡った私は神格こそ薄れたが、人とは上手くやっていたと思う。
だがヤツは長い時をかけその時を待っていた。
大陸に流行

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ゴミ収集家と猫

私は死んでいる。”死んだ”というほうがタイムリーかもしれない。

「死人が文章を書けるわけない」

ごもっともである。

私は死んでいるかもしれないし、生きているかもしれない。

そう。

シュレディンガーの猫ならぬ、シュレディンガーの男だ。

ともあれ、これを読んでいる貴方が”観測”するまで、”死んだ私”と”生きている私”が存在することになる。

当然だが、世界のメモリには限界がある。(宇宙は広

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