逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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悪魔の瞳を持つ女

ロシアンフックを放つ相手の右肘が伸び、拳の裏側が眼前に迫る。タックルを警戒していた私のガードは間に合わない。グローブが私の左半視界を覆い、瞬間、鈍痛。いつもこの筋書きは変わらない。
 今の私は試合にも出られず、人生の不戦敗真っ最中。あの試合をフラッシュバックしたのは、突然持ち込まれた少女からの相談のせいだ。

「アンヘラ選手に試合に出てほしいんです」
「ありがたいけどさ。私」
「失明ですよね」

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