逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

ブレイクウォーター

異世界というものがある。
その形式は様々であるが、一つだけ共通点があるとすれば我々の住む世界とは根本から違う原理で成り立っているということだ。
通常であれば我々の世界と交わることはなかったそれらの世界が、こちら側に侵攻を開始してきたのがここ数年の話。

かつては空想の産物と思われていた存在が現実に現れ、街を破壊し始めたことに人々は恐慌状態となったが、ある集団の登場が事態を変化させた。
異世界の侵攻

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面白かったですか? それは良かった!
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閃撃女子高生まなか 天の巻

可変型重機動女子高生「タイプJ8」を予告通りキッチリ二十五秒でスクラップにした俺は、続いて魔犬女子高生「ヴァスカビル」に向き合う。

噛み合わせ悪そうな乱杭歯の隙間から炎を吹き出しつつ、この犬っころは俺を睨みつける。上等だ。「てめえは―――そうだな、三十秒ってところか。その汚ネエ歯、全部叩き折ってや」

瞬間、黒い矢が天から真っ直ぐ落ちてきた。矢は犬っころを落下の勢いで踏みつぶし(犬っころの歯は全

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感謝の極みです・・・!
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【習作】白磁のアイアンメイデン 第1話 「踏んでさしあげますわ」その1

彼、魔術師ヘリヤがそれを目撃した際、彼が己の正気の確かさを疑ったのも無理はないだろう。なにせここは泣く子も歴戦の傭兵も黙るラシュ平原、通称“忌み野”であり、彼はそこを、かれこれ二週間ほどさまよっていたのだ。

まして彼が見たものが“執事とメイドに見守られながら、屈強なリザードマンの群れに跳び後ろ回し蹴りをぶちかます女”となれば。

しなやかな体のラインを強調する真紅の衣装に身を包んだ女は、舞うよう

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ありがとうございます・・・!ありがとうございます・・・!
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アイン・ジャールート

大戦集結以降、汚染された大地で暮らすことを余儀なくされた人々にとって、戦争の残滓である自律巨大兵器の徘徊は災害と同じで、ただ自分に被害が及ばぬことを祈りながら過ぎ去るのを待つしかない存在であった。

もし祈りが届かなければ……。

「はぁ……はぁ……!」

――巨大兵器が蹂躙する街の中で、生き残った少年は必死に逃げていた。家族の乗ったバスは踏み潰され、彼も今ドローン兵器に追われている。

虫の羽音

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ドランクン:ハードデイ

目を覚ますと手には銃。そして目隠しされた人がざっと50人ほど。
「よう、目が覚めたか」
 声がした方には妙に親しげな覆面がいた。
「急に寝るから驚いたぜ」
 何も思い出せない。俺は何をした? 頭痛。そして記憶が蘇る。
 そうだ、確かパブに入り、この男と浴びるほど酒を飲んで──。
「まさか刑事がテロに加わるなんてな」
 なんだって? 正気か? 俺がテロ? だが酔った勢いならそれもあり得る。俺は酒癖が

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Story After Revenge

放たれた弾丸は過たず相手の額を撃ち抜き、脳漿を吹き飛ばしながら老人は倒れた。

「はぁ……はぁ……殺ってやったぞこのクソ野郎! はは、はははッ!」

遂に家族の仇を取ることが出来たマルコ・クレイトンは、邪悪な笑みを浮かべながら歓喜に打ち震える。

「レニー、チャールズ……俺は」

そしてしばらく哄笑した後、手にした銃に祈りを捧げるように目を瞑り、家族の名前をマルコは呟く。
もはや生きる意味は全てな

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青い星を見たくて

退屈な学習ばかりさせられていた僕にとって、先生の話はいつも面白くて、素敵で、輝きに満ちていて、その中でも特に興味を惹かれたのが青い星の話だった。
あの人はいつも嬉しそうに青い星のことを話していて、その横顔はずっと僕の脳裏に焼き付いている。

だから先生が死んでしまって奇妙な感情に襲われた僕は、教わらなかったこの感情の答えを知るために旅に出ることにした。
でも、それはイケナイことだったみたいで、今こ

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ぬっぺら功夫~急急トシテ律令ノ如クセヨ!~

大陸の東端、カミスの国。綺羅びやかな繁華街に反比例するように薄汚れた裏通り。頼りない防犯灯に照らされ、二体の異形の影が踊る。禿げ上がった猿の如き様相の一方はガニ股でユラユラと体に左右を揺らしながら、謎めいたステップを踏む。他方、軽く前後に足を開き、腰の右横に交差した腕を構えるは、中肉中背、灰褐色のシャツとズボンを纏った青年。しかして、その顔面に炯炯と輝くは火眼金睛。異相である。

「悪いがヒョウス

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LANDFILL

豊かな緑と美しい湖の周囲に広がる美しい街並み……から僅かでも外に出歩くと、出迎えるのは焼け付く日光と乾いた空気に広大な砂漠。
天国と地獄がハッキリ区切られた、ここは開拓惑星ランドフィル。

人々は日々を街中で過ごし、街と街を行き来するためには乗り物が必須となるこの星で、砂漠地帯を徒歩で行くのは金のない流れ者か、街からの追放者か、はてまたただの狂人か。

いずれにしてもマトモではない可能性が高い相手

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魔法鎖鋸少女✡平等院ひとみ

やっほー☆ みんな元気?
私、府立八賀谷高校に通う十五歳、平等院ひとみ☆
今私は、幼馴染でヤリ友のたっくんの手を引いて、バス停まで全力疾走中!
「あれ? ちょっと待って、ボクが来てるの女子の制服だよ!」
「今日は女子高生で過ごせばOK、大丈夫バレナイバレナイ♪」
たっくんこと大門寺太人くんは、女子高生姿が似合う超絶美少年なのです!
おっと、いつものバス停に不穏な影!
「邪魔なんだよ、死ね!」
スト

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その二文字よ、何と力強く心地よい響きか!
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