逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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She

彼女はくだらない悪戯をするのが好きだった。
たとえば、二人で電車に乗ったときのこと。最寄り駅に電車が滑り込む直前、彼女は取り出した裏紙に何かサっと書いて席においたと思うと何を書いたのか見せる間もなく僕を急かして電車から降りる。
「何て書いたんだい?」
僕が聞くと彼女はいたずらっぽく笑って答えるのだ。
「ぬれています」

夜、電車のつり革につかまってゆられながら僕は目の前の空いた座席に置かれた紙をぼ

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