逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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一打生蚝、一瓶啤酒

 串焼き屋の床を鼠が慎ましやかに歩いている。

「よくもまあ、こんな店に食いに行くよな」

「この鼠はもうここの服務員みたいなもんだからな。食い物に飛びかかったりはしないし、鳴き声も遠慮がちにチュウ。時々うろついて、たまに客と顔を見合わせてそのまま帰っちまう。おう、姐姐、給米饭!」

 店のおばさんがもうもうと湯気の上がるトレーを運んできた。中には20枚ほどの牡蠣が並べられ、どれも刻んだネギにニン

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