逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

語り尽くせぬ物語

星見塔の老婆が語りて曰く。

「賢王様の偉大さときたら!私の如き老いぼれがこの星見の職に居られるのも、貴方様が平原を大過なく渡っていらしたのも、賢王様の治世ゆえ。百年の戦乱を平定され、平和を齎された!凱旋でお見かけしたのが自慢でしてな、麗しきお顔だったこと!それからも治安には心を砕かれましてな、道には耳を欹て、街には目を凝らしておられるのです。
武だけにございませぬ。市には立ち寄られましたかな?あ

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スターリンの柳生軍団

1953年 ソビエト連邦 
ソ連国家保安委員会第三局 柳生新陰流ツングースカ道場に散乱していたのは、人の破片だった。

手足が、内蔵が、鎌とハンマーを組み合わせて作られた『共産刀』が、そして首が、四方八方に散っている。心ある者が数えたなら、首の数は五十にも上ろう。

これが、人民に戦慄と畏怖を以てその存在を囁かれた秘密機関、KGB柳生(YGU)の一拠点の有様であろうか。

命ある者は、もはや僅か二

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