逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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犯罪都市グライムの諸相

ああ、クソ。とにかく最悪な目覚めだった。

「吸い込まれる!」「助けてーッ!」「銃が足りねぇぞ!」叫び声に起こされた俺は、半日モノのコーヒーを飲み干して宿の二階の窓から外を見た。

 クジラだ。

 永遠に渇した砂の街で、クジラが人を食っている。俺は荷物をまとめて宿と街から逃げ出そうとしたが、階段を降りたところでテンガロンの女が足で遮った。

「名前」

「オルダス」

「身分は?」

「〈通過〉

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