逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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大江手峠

俺はちっぽけな山小屋の中でガタガタと震えていた。
真夜中で外は大雨、寒さが肌を刺す。

だが問題はそんなことじゃあない。

「GRUU! GRUU!」

初冬の大江手峠。
取材でやってきた俺を待っていたのはお目当ての被写体ではなく
冬眠し損ねの所謂「穴持たず」のヒグマだったのだ。
奴に執拗に追われ、気がついたらここに逃げ込んでいた。

「GRUUU!」
唸り声が聞こえるたびに柱が軋み梁が揺れる。

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グギャアァァァァメルシィィィ!
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