逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
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本
お客様は神様です! 第1話
例えば、蛇口を捻ると水が出てくることとか、スイッチを入れると電気が点くこととか。そういうことに感謝をしたことはあるだろうか。
いや、ないことを責めようとしてるんじゃないんだ。僕だってこの部署に配属されるまではそんなこと一度もなかったので、そういうものだと思う。
「でもやっぱインフラ保守って、割りに合わないっスよね」
僕はオフィスチェアを全力でリクライニングさせて、隣の先輩に声をかけた。