逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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絶罪殺機アンタゴニアス

 甲弐式機動牢獄は、囚人たちが特殊刑務作業に従事する際に搭乗する更生支援兵器であり、その外観は巨大な蜘蛛を思わせる。
 胸部下面から伸びた機銃が十字型の火を噴き、命乞いをする貧民たちを容赦なく血煙に変えた。鈍く輝くメタルセル市街に鮮血と骨肉が叩きつけられ、斑模様を描く。散発的に浴びせられてくる反撃の銃弾は、機動牢獄の装甲に傷一つつけることはない。
 逃げ惑う人々をかきわけて、暗い目をした男がうっそ

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「……なんだこれ」