逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
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本
ニャンニャンウォーズ
ネコが人間打倒を求めて起こした戦争、通称『ニャンニャンウォーズ』の勃発から三年。荒廃した地球を宇宙ステーションから眺めていたターシャはため息をついた。
「雲は晴れた?」アキコがターシャの横に座る。ユーラシア大陸を中心として巨大な灰色が空に満ちていて、とてもステーションから見通せない。
「全然。というか、ネコが超能力に目覚めるとか意味不明だよね。電気も兵器もぜんぶ吹っ飛んで家が見えない」
「ウチも
キャット・キルド・ザ・キュリオシティ
吾輩…いや私はネコという【概念】である。
名前は無かったり…トムだったり…今はキティ。
◆◆◆
私が最初に【概念】を得たのはエジプトだった。
それは私にも人にも都合が良くて結果私は【女神としての概念】を得た。
だがヤツ…未来永劫戦う定めの…は尻尾を巻いて逃げ出したのだ。
地中海を渡った私は神格こそ薄れたが、人とは上手くやっていたと思う。
だがヤツは長い時をかけその時を待っていた。
大陸に流行