逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
夜の校舎には怪人が出る
夜の校舎の上、満月の中を踊る様に飛ぶ影が一つ。その姿は人の輪郭をしていたけど、背中には翼があり、どう見ても人間ではない異形の怪物だった。だけど美しいと思った。だから彼女の名前は美鳥なんだと、多分間違った納得をしてしまう程に。
「君も一緒に、どう?」
美鳥先輩が降りてきて、僕に手を差し伸べてきた。表情を作れない人外の顔が、優しげに微笑んでいた。
◆
みんなが知らない隠された真実。世界
地表を覆う無限の寿司と、彼女と結婚する方法
「娘は、『強く思ったことが必ず実現する』時期がある。なんだろーが確実に実現する。5年に1回、5日間。今日はその1日目だ」
彼女の父は、俺の顔を睨みながら言った。
いやいや、パパさん盛りすぎっしょ。
「君の不真面目な態度は気にくわないが、私は公平さを重んじる。君に……」
「あ〜お寿司食べたいな〜」
隣の部屋の彼女の呑気な声が、終わるか終わらないかのタイミングで、宅配の寿司が届く。俺は1時間前にそれ
出会いの未確認のオレンジ色の
俺はベンチに座っていた。これからアプリで知り合った人と会うのだ。成績は八戦八敗。
眼の前で人が立ち止まったが宇宙服を着ている。九敗の予感がする。
「あの! オグラさんですか」
「あ、はい」
「わた、わたし、フォローしてフォロワーの……」宇宙服が慌てる。かわいそうになってきた。残ろう。
「これ、お土産です! みかんジュース!」差し出す。帰ろう。
と、気配がある。振り向くと作業着姿の男が銃を向け
鳥宮恵里は俺の”何”?
人類はあと四半世紀でタイムトラベルが出来るようになるンだとさ。
「パパ!中庭でお昼食べよ!」
「パパじゃねぇよ!」
この問答にも慣れたもので、もう教室はざわめかない。一ヶ月前は俺の元に駆け寄ってくるだけでモーゼの海割りの如く人が避けたモノだが。
「あっ……ごめんなさい、えーと、恵弥くん」
「いいよ。行こう」
クラスメイトの手前とはいえ、強く否定したのには罪悪感がある。しょげた顔は見ててつらいし、