逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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ハロウィンナイト・コー!ホー!

ハロウィンは祭では無い。商戦だ。セールス・コンピューターと呼ばれる俺の仕事はこの戦いを制することである。

「…という訳で暫く忙しい」

「ふざけんな!」

木杭が撃ち込まれるが、難なく躱す。

「分かってるのか!?私たちはモンスターなんだぞ!?」

「だから?」

「絶対ハロウィンの人気者になれるだろ!」

オオカミ女の妻 シーラはイベント好きだ。今回も随分はしゃいでるようだ。

「シーラ、この

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心が軽くなります。
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ヴァンパンダ ―吸血大熊猫奇譚―

衝撃!奇跡の珍パンダ!悪戯の疑いも?
――あるニュースの見出し

その日、ジャイアントパンダは『白黒』ではなくなった。白黒に加え、紅。そんな新種の群れが中国の奥地で発見されたのだ。目や口には隈取りのように、背中や手足には内功の流れの如き紋様で紅色が確かにあった。

正式な新種認定を受けた翌月、世界周遊は始まった。若い紅流大熊猫、雄のホンホンと雌のフアフア。彼らは東洋神秘の体現として喝采を浴びた。一

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ヤッタゼ!
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妖怪シェアハウス

「ただいまー」扇情的ナース服の美女が帽子をソファに投げると、三角形の耳がぴょんと飛び出た。

「お帰り。収穫はどうだった?」

「大漁、Lineの友達が168人増えたわ」女はナース服を脱ぐと、体中に粗い体毛が生え、恐ろしいワーウルフの姿に戻った。

「これじゃ暫く食事に困らないね」キッチンで挽肉を混ぜている白人少年姿が言った。「やはり餌集めは女子が適任だ」

「アンタも稼ぎさないよ。擬態は大変だか

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ハロウ・イン・アキバ

ぎい。サルーンのドアを開けると、客の何人かが俺を睨んだ。凶悪な面構えがずらり。
「らっしゃい」
メイド服の店主の嗄れ声。珈琲と砂糖の香りが充満する中、俺は悠然と歩を進め、カウンター席に座る。
「なんにするね」
「日替わりパスタと、キャラメルカプチーノで」

店主はごつく毛深い指で注文を書き取り、無言で了解する。
奥の方では、棒付きキャンディをしゃぶってカードゲームをしてる連中。ミント風味の清涼菓子

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あなたに大きなスシとCORONAを!
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