逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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東島見聞録

「旅の者よ」
 暗い海を臨む岬、襤褸をまとった老人はしわがれた声で告げた。
「この海を渡ってはならぬ。東の島へ行ってはならぬ。あそこは忌まわしきものどもの巣。愚かな好奇心のまま立ち入った者達は無惨に死に果てた。僅かに逃げ帰った者も、恐怖に囚われ心病んだ。そうなりたくなければ海を越えてはならぬ。わしの様になりたくなければ……!」
 語るうちに老人の声は熱を帯び、片方しかない眼は狂気を宿し始めていた。

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