逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

妖怪レジスタンス 第1話"神威アキラという男"

"千人猛将"オルガンシュタインはその身を真っ二つに裂かれて斃れた。
 "鬼神"フュンフは全身を穴だらけにされて谷底へと墜ちていった。
 "蒼空無双"ベルグは成層圏まで吹き飛ばされ、塵となった。

「これを全て、人間が、ひとりで?」
 3年前まで新橋と呼ばれていた土地。倒壊したビル群を歩く高さ10mのロボット、"阿修羅"ベルセルクは、インポートされたデータを読んで呟いた。彼にデータを届けたドローンが

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オレモー!
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ハロウィンナイト・コー!ホー!

ハロウィンは祭では無い。商戦だ。セールス・コンピューターと呼ばれる俺の仕事はこの戦いを制することである。

「…という訳で暫く忙しい」

「ふざけんな!」

木杭が撃ち込まれるが、難なく躱す。

「分かってるのか!?私たちはモンスターなんだぞ!?」

「だから?」

「絶対ハロウィンの人気者になれるだろ!」

オオカミ女の妻 シーラはイベント好きだ。今回も随分はしゃいでるようだ。

「シーラ、この

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ありがとうございます。
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妖怪と小説家は廃屋に住む。

「妖怪は存在する」

 ボロ新聞を纏う老人が据わった目で語る。

「あるだろ、子供の頃見た記憶」

 川辺は物事を考えるに良い。しかし色んな人も来るものだ。宗教の勧誘はよくあるが、ホームレスに話しかけられたのは初めてだ。

「いや常識的に考えたら居ない。俺だって分かる」

 老人は続ける。

「でもな、君だって思うだろ?子供の頃見たアレは幻でも妄想でもないって」

 確かに。思ったよりマトモに話せ

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ありがとうございます。
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御伽衆-妖編纂録-

江戸時代。
大戦は終わり、人々が商いや開拓に専念出来る平和が到来したこの時代に、忘れさられていた恐怖が再び蠢きだした。
恐怖の名は<妖(あやかし)>。
かの異形共を捨て置けば、世にまた動乱が起きる。
それを未然に防ぐため、幕府によって集められた異能の者達を<御伽衆>と呼んだ……。

――言葉によって造られた槍が、雷光の如き速さで異形の顔を貫く。

『ぐぉぉ……馬鹿な、このような人間に我が!』
「同

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あなたに喜んで貰えて嬉しいです。
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ストーンスワロー・ザ・モンスターペインター(邦題:神絵師!石燕先生)

「直ぐ描くから!後少しだけ時間を稼いでくれ!」

「無茶を言う!」

水鉄砲を構えた褐色の肌の少女が答える。

夜の校庭、少女は見えない何かが投げる砲弾めいた石礫を避け続ける。

「早く描いてよ!神絵師なんでしょ!」

林檎印のタブレットにタッチペンを走らせる。
「…出来た!そいつは、シバガキだ!」

★★★

のっぺら坊は爆殺出来る。

誰もが知る姿が有るからだ。

では誰もが知らない、忘れた、

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【プラチナトロフィーを獲得しました】
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千年魔京

「だからな、やっぱり京都はクソなんだよ」

 鴨川河川敷の夜は無法地帯であり飲酒が許される。京極雅之は飲み会の後二次会と称しここで酒を飲むのが好きであった。

「車は方向指示器出さねぇし、バスが四条河原町を曲がるのに10分はかかる」

 今夜の京極は随分機嫌が良いらしく大声で管を巻いていた。倉橋はそう言う京極が嫌いではなく、落ちていた枝を弄びながら微笑んでいた。

「宮崎駿こそが典型的オタクって感

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ぬっぺら功夫~急急トシテ律令ノ如クセヨ!~

大陸の東端、カミスの国。綺羅びやかな繁華街に反比例するように薄汚れた裏通り。頼りない防犯灯に照らされ、二体の異形の影が踊る。禿げ上がった猿の如き様相の一方はガニ股でユラユラと体に左右を揺らしながら、謎めいたステップを踏む。他方、軽く前後に足を開き、腰の右横に交差した腕を構えるは、中肉中背、灰褐色のシャツとズボンを纏った青年。しかして、その顔面に炯炯と輝くは火眼金睛。異相である。

「悪いがヒョウス

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河童のチャンペイ(テルグ語)

「僕は三平」
「チャンペイ!」
「君は?」
「カッパッパ!」

岩屋の奥、天井から水滴が落ち続けている。
足元には無数の大きな両生類めいた骨。
そこで僕は鎖で縛り付けられた河童と出会ったー

◆●◆

祖父が死んだ。

その報を聞き僕は帰郷した。
祖父は僕にとても優しく、いつも河童の話をしてくれた。
後に知ったが祖父は世界的河童研究の第一人者だった…らしい。

国際河童学会、そこでは河童の分類、各

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【実績が解除されました】
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キュービィ・アンド・フーリィ -電脳変幻無双譚-

雲霞のごとき暴徒の群れが目標の集落を前に反転した。ここに向かっている?飛び起きた俺は映像を凝視する。カウンター洗脳か?クズ共にフェイク映像をばら撒いて1週間。熟成された憎悪が爆発する直前で!

副官を呼び戻す。モノアイヘッドが乳とキャタピラを震わせて駆け込んできた。こいつとファックする時間を奪ったのはどこの企業だ。怒りと焦りに囚われる。落ち着かなければ。眉尻のパネルをスワイプ。神経ブースト。ウィ

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ワオワオ!
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ブラッドストーム・イン・ジ・アビス

脱出艇連続特攻作戦は巨大海蛇を退散せしめ、第156太平洋深海開拓市は圧壊の危機を免れた。しかしそれは時間稼ぎにしかならない。魚人共に場所がバレた。奴らはいずれここに辿り着き全てを殺戮するだろう。オガサワラ大陸棚市まで脱出艇で片道3日。カミカゼのせいで艇の数が足りない。俺のような末端の開拓民は置き去りにされる。その救助艇、今誰が整備してると思ってるんだ。俺だ!

「何が海底は最後のフロンティアだ!

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やったやったー!
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