逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

ハロウィンナイト・コー!ホー!

ハロウィンは祭では無い。商戦だ。セールス・コンピューターと呼ばれる俺の仕事はこの戦いを制することである。

「…という訳で暫く忙しい」

「ふざけんな!」

木杭が撃ち込まれるが、難なく躱す。

「分かってるのか!?私たちはモンスターなんだぞ!?」

「だから?」

「絶対ハロウィンの人気者になれるだろ!」

オオカミ女の妻 シーラはイベント好きだ。今回も随分はしゃいでるようだ。

「シーラ、この

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ありがとうございます。
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『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」

「ファック野郎!」

スコップを振り下ろし、襲い来る力鬼士の指をぶった切る!
「ギァーーッ!」指は土に還る。力鬼士は後退し、チッチッと音を発した。仲間を喚んでいる! ボゴン! ボゴン! 床や壁から力鬼士が這い出す。囲まれた!「くそったれ……! まさか、実在するなんてな!」

デリックはスコップを振り回して威嚇し、事の発端を思い出す。



「父を、助けて下さい!」デリックの店に飛び込んで来た少女

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あなたに大きなスシとCORONAを!
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ハロウ・イン・アキバ

ぎい。サルーンのドアを開けると、客の何人かが俺を睨んだ。凶悪な面構えがずらり。
「らっしゃい」
メイド服の店主の嗄れ声。珈琲と砂糖の香りが充満する中、俺は悠然と歩を進め、カウンター席に座る。
「なんにするね」
「日替わりパスタと、キャラメルカプチーノで」

店主はごつく毛深い指で注文を書き取り、無言で了解する。
奥の方では、棒付きキャンディをしゃぶってカードゲームをしてる連中。ミント風味の清涼菓子

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大吉です。すべてがうまくいくでしょう。
4

キュービィ・アンド・フーリィ -電脳変幻無双譚-

雲霞のごとき暴徒の群れが目標の集落を前に反転した。ここに向かっている?飛び起きた俺は映像を凝視する。カウンター洗脳か?クズ共にフェイク映像をばら撒いて1週間。熟成された憎悪が爆発する直前で!

副官を呼び戻す。モノアイヘッドが乳とキャタピラを震わせて駆け込んできた。こいつとファックする時間を奪ったのはどこの企業だ。怒りと焦りに囚われる。落ち着かなければ。眉尻のパネルをスワイプ。神経ブースト。ウィ

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ワオワオ!
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ゲットバック・マイ・ライフ

銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。

「間に合ってよかったです」

怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。

「あなたを迎

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ワオワオ!
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クリーチャー・ゲート

――俺の口の中から何かが飛び出す。それはゆっくりとした動きで長い舌を伸ばし、頬を舐めてきた――

 俺は悲鳴を上げて飛び起き、ベッドから転がり落ちて床の上の空き缶を蹴り飛ばした。

 不快な感触が残る頬をこすり、尻もちをついたまま狭い部屋を見渡す。

 床にはビニール袋に詰めたゴミや脱ぎ捨てた衣類が散乱し、台所のシンクでは洗われるのを待っている食器たちであふれている。カーテンの隙間からは朝の陽ざし

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今後もよろしくです!
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スパイン・ザ・リベンジャー

闇の中から伸びて来た巨獣の爪先がおれの腹に突き刺さる。おれは悲鳴をあげながら吹き飛ばされ、血と吐瀉物が地面に撒き散らされた。体が動かない。巨獣は笑い声をあげながらゆっくりと歩いてくる。

死にたくない。おれは記憶を辿った。何かないか。なんでもいい。その時おれの脳裏に閃いたのは集会場で老いぼれが語ったまじないだった。畜生。そんなものしかもう頼るものはないのか。巨獣がおれの前に立った。殺される。おれ

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やったぜ!
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