逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
メキシカン・ラプソディ
10月31日の夜。僕は先刻投稿した『プログレッシヴ相撲』の記事共有ツイートを送信すると、大きく伸びをした。
『パルプ小説冒頭400字』。楽しい企画だったが、応募は今ので最後だ。今日はもう休もう……。
KRAAASH!
その時突如、アパートの扉が破砕!一体何が?僕は戸口の向こうを見遣る。
そこにいたのは力士だった。
僕はそいつの奇妙な出で立ちと、投稿作品一覧が表示されているPC画面を交互に見
ハロウィンナイト・コー!ホー!
ハロウィンは祭では無い。商戦だ。セールス・コンピューターと呼ばれる俺の仕事はこの戦いを制することである。
「…という訳で暫く忙しい」
「ふざけんな!」
木杭が撃ち込まれるが、難なく躱す。
「分かってるのか!?私たちはモンスターなんだぞ!?」
「だから?」
「絶対ハロウィンの人気者になれるだろ!」
オオカミ女の妻 シーラはイベント好きだ。今回も随分はしゃいでるようだ。
「シーラ、こ
ブラック・ファラオ VS リトル・ブラック・サンボ
横倒しになった軽トラが水平に飛ぶ!
ナイスサンドイッチ!
暴徒が壁と軽トラに挟まれ圧搾死!
先程迄の渋谷ピープルの浮かれ具合が水を打った様に静まり返る。
視線の先には不夜城の灯りの下でも尚黒き闇…黒い無貌のスフィンクスの化粧廻しの黒人力士!
相撲通の絶叫が響く!
「“黒きファラオ”…!九龍坊(くろんぼ)だ!」
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弥助は信長気に入りの力士である。
土俵を這う様な低姿勢からのか
ハロウ・イン・アキバ
ぎい。サルーンのドアを開けると、客の何人かが俺を睨んだ。凶悪な面構えがずらり。
「らっしゃい」
メイド服の店主の嗄れ声。珈琲と砂糖の香りが充満する中、俺は悠然と歩を進め、カウンター席に座る。
「なんにするね」
「日替わりパスタと、キャラメルカプチーノで」
店主はごつく毛深い指で注文を書き取り、無言で了解する。
奥の方では、棒付きキャンディをしゃぶってカードゲームをしてる連中。ミント風味の清涼菓子
ハロウィンバイトは魔女とともに
バイト帰り、家の近くで魔女のコスプレをした女を見かけた。ハロウィンは月末だし今日は平日だぞ、一体どんなパリピだよと思ったが、よく見ると自分の先輩だった。
「先輩はハロウィンではしゃぐタイプとは対極だと思ってましたよ」
何の気なしにそう言うと、「実は実家が魔女の家系でね」と帰ってくる。いつもこの調子なので、正直この人は苦手だ。
「ところで期間限定で割のいいバイトがあるんだけど、興味ない?」