逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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中華は火力、銃弾は加速

板前の蹴りは、俺の命より大事な包丁よりも鋭い一撃だった。防御のためとっさに懐から出したチンタオ・ビールは無残に砕け散った。まずい、明らかに遅れを取った。俺はまだ食材を鍋に投入する前だというのに、目の前の板前は既にどじょうを煮込み始めている。その上食前酒さえ俺は失ってしまった。
「どうしたヨウコク? そんな手際の悪さじゃどうせ店は維持できまい。我々『和食帝』に大人しく明け渡すのだな」
 安い挑発とは

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