逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
PYGMA(ピグマ) ~Violet Eyes~
矢が一人目の膝を貫く。二人目が振り返った時にはもう私の二発目が発射されていた。右肩を射抜かれ、銃を取り落とす。
物陰から飛び出すと、素早く警備員二人の頭を蹴った。振り返って声をかける。
「いいぞ。さっさと来い」
気を失った看守を踏みつけ、紫色の目の少女も着いてきた。相変わらずボンヤリしていて、こいつがいないと秘宝の在処がわからないなんて嘘に思えてくる。
ここから発着場まで行き、ピグマと落
ジャンク・ストーリー
モニター越しに確認した光景は悲惨そのもので、なにがあったら宇宙で大型客船がここまで粉々になるのだと、救援に駆けつけたジャンク屋のJJは首を傾げていた。
「宇宙生物にでも襲われたか? にしたってこの規模の船を破壊できそうな奴は全部昔に駆逐したはず……」
「周辺スキャン完了。救難信号を出していた船はやはり目の前の残骸で間違いありません、マスター」
自分の相棒である管理AIアンブレラの分析結果にJJ
船を降りよ、とノア氏は言った。
ハッチから放り出されたジェイクが宇宙空間でどうなったのか、想像したい奴は誰もいない。ノア氏は本気だ。それで十分だった。
「私はあらゆる生物のつがいをこの箱舟に載せた。だが人間だけが一組ではない。何故か?」
彼は静かに言った。
「この箱舟内で殺し合わせ、選別するためだ」
世界一の大富豪、ノア氏は自分を伝説のノアの生まれ変わりと信じ込んでいた。彼は洪水で滅びるはずの地球に見切りをつけ、宇宙に新
出会いの未確認のオレンジ色の
俺はベンチに座っていた。これからアプリで知り合った人と会うのだ。成績は八戦八敗。
眼の前で人が立ち止まったが宇宙服を着ている。九敗の予感がする。
「あの! オグラさんですか」
「あ、はい」
「わた、わたし、フォローしてフォロワーの……」宇宙服が慌てる。かわいそうになってきた。残ろう。
「これ、お土産です! みかんジュース!」差し出す。帰ろう。
と、気配がある。振り向くと作業着姿の男が銃を向け
クソ塗れのリングから
「まづゎお友達カラお願いしまつwww」
精液塗れの手を差し出してYU★JYOを強要する
童貞ハゲオヤジに怪しげな英会話教材を売りつける貴婦人の登場により試合は徐々に流れが変わりつつあった。照り付ける太陽と飛び交う政権批判の怒声は確実にチームの体力奪って行く。始まりのゴングと共に万歳三唱して爆散したじっちゃんのためにも我々は甲子園の砂を持ち帰らなければいけないんだ。力強く叫ぶ
監督の声も虚しく緊張の