逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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極楽転送機

「いいか。君には二つ、選択肢がある」

 殺風景な部屋。
 眼の前でパイプ椅子に縛られ、涙と小便を垂らし、ガタガタ震えている若い男に、俺はいつものように無表情に告げる。
「一つはここで、鉛玉を眉間に食らって素直にくたばること。もうひとつは……」
 親指で後ろを示す。こいつの仲間数人が、棺めいた機械装置に寝かされ、管まみれになっていく様を。
「あれだ。半年ほどだが、死ぬまで幸福を味わえる。夢の中でな

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ブッダがあなたに加護を与えるでしょう。
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幼なじみが異世界転生して一ヶ月が経ちました。

インターホンから指を離し、ようやく失敗に気づく。幼なじみの大翔くんが死んで、もう一ヶ月。それなのに時々、こうして呼びに来てしまう。小学校から、あの事故の日まで。彼のいる通学路が当たり前だったのだから。

…十数分後。鞄の中のお弁当箱は二つに増えていた。

「つい、お父さんのと一緒に、ね」

おばさんは苦笑していた。忘れることは難しい。家族ならなおさらだ。でもあたしにも、もう一つ理由があった。

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ありがとう!
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