逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
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本
Bang Boo Race
ホントに俺じゃないとダメか、ともう一度パンダに訊いた。
「いやぁ、だってボク、踏めないし」
パンダは照れたように言う。まだ一回も運転したことないんだぞ、と喉元まで出かかった。パンダは自分の足で歩いたことすらないのに。
目の前には完成した手製のホーバー(※浮遊二輪車のこと)が置かれている。キーを捻れば起動してふわっと浮くだろう。ペダルを踏めば進むだろう。この埃臭い倉庫で何度も点検したか
キャノンボール2035 日本橋トゥ梅田 ~ババアのデス・レース~
「国道1号でレース。ルールは単純、65歳以上の女性が歩行補助車で地上を移動する。これだけです。賞金は…」
国民の3割がジジババの超高齢社会、日本。
「(カネを握る)ババアに愛され続けるサービスを」を社是に興した会社を時価総額40兆円まで成長させ、今はババアの楽園『BABA TOWN』を建設中の男、後澤勇作が記者会見を開いていた。
「ふん、自分が考えたみたく偉そうに。…まあ利用させてもらうよ」
スーパー!✕マッハ!
ある日、超常の奴ら《エクセクター》がこの世に発生した。強すぎるその力で彼らは…
「ブルービート!時速600kmでカーブに突っ込んでいく!無理だ!無謀だ!おぉっと!エクセクター"レイル・ザ・ウェイ"がコース上に飛び出す!車体を抑えながら壁を走る!無理やり曲がらせたァー!」
「逃げ切られちゃうよ!」相棒のエクセクター”ラビット・フット”が叫んだ。「どうする?流石のお前でもあのビルは超えられな