逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

こちら合成害獣救助隊

看板の群れを回避しながら路地裏の底めがけて降下する。ひときわ大きな看板を避けて目標が視認出来た。狼の体に鮪の尾。合成害獣、通称キメラだ。部長の強化外骨格が掴みかかって動きを止めてる。あたしの接近に気付いた部長が身を引く。よろけたキメラにあたしはブースト全開の蹴りを叩き込んだ。

法整備と啓蒙が実を結び、人と暮らす動物は皆幸せになったはずだった。追い詰められた悪徳企業が「犬と猫を混ぜて売る」などと

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ワオワオ!
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この世と俺らの境界線

奴らの領域が膨張し、包囲網は突破された。

 肥満児は、長い木の棒で警官の腹を易々と貫く。
「う……お?」
——馬鹿な?
 こんなせいぜい小学5年の子供が?
 防刃ジャケットをあんな木の棒で?
 銃弾は命中したのに平気なのか?
 警官の頭を、数々の疑問が一瞬で過ぎり、激痛が疑問を追い出した。
 だがその痛みもすぐに消えた。
 警官の身体は、見る見るうちに制服ごと小さくなり、茶色い塊へと変貌する。

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