逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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アカシック・カフェ ―全知と珈琲の番人―

「もうアカっちゃいなよー!」
「でも、あたし的にはエージ信じたいし」

常連の女子高生のいつもの恋バナ。しかし、どうも雲行きが怪しい。シュウカがアカシックレコードを提案したのだ。一方ハヅホは曖昧な返事。そりゃそうだ。『世界の真実』によって浮気が確定したら目も当てられない。

十数年前、人類はついにアカシックレコードに接続した。が、蒸気機関やインターネットのように社会が激変することはなかった。一般市

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ヤッタゼ!
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珈琲人ダブルドラゴン〜おせっかい旅情編〜

「畜生。変わんねぇな」
どこまでも優しい珈琲だった。一口で虜にする強く華やかな一杯ではなく、路傍の名もない花めいて。

旅のドリップ屋(珈琲を淹れる者)をしながら訪れた海辺の町に喫茶テルミヌスはあった。
店主、夏日星ルリとは旧知の仲だが、俺のことを覚えていなかった。

「ルリは、ノラ猫のようにふらりとやってきたのさ。記憶を失ったままね」
バーで隣に座る女が言う。テルミヌスの管理人、マギーだ。
「原

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ありがとうございます!電子ハグを貴方に!
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ハロウ・イン・アキバ

ぎい。サルーンのドアを開けると、客の何人かが俺を睨んだ。凶悪な面構えがずらり。
「らっしゃい」
メイド服の店主の嗄れ声。珈琲と砂糖の香りが充満する中、俺は悠然と歩を進め、カウンター席に座る。
「なんにするね」
「日替わりパスタと、キャラメルカプチーノで」

店主はごつく毛深い指で注文を書き取り、無言で了解する。
奥の方では、棒付きキャンディをしゃぶってカードゲームをしてる連中。ミント風味の清涼菓子

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あなたの徳がアップしました。寿命が伸びます。
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