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千体目のご遺体が、俺に退職を決めさせた。 それは夜の熱が残る路地裏に転がっていた。 呆けた顔で転がる中年手前の全裸の女。死因は額の銃創だろう。 俺は務めとして、写真を『神託』に送る。 ほどなく、返信。カビ臭あふれる路地裏を出る。 監死者の業務は、『神託』の予測した死を観測し、記録することだ。 観測対象に干渉するのは職務規定違反となる。新人は一日でいなくなる。俺は二年勤めた。 朝はすでに熱くたぎっていた。 煩わしい熱気の中、俺は『神託』に退職依願も送った。これも、即承