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【二次選考結果】逆噴射小説大賞2022

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小説の冒頭800文字で競う「逆噴射小説大賞2022」! その二次選考の突破作品集です。
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#パルプフィクション

粛裁(しゅくさい)の鐘よ鳴り響け。我が命を以て

『心せよ、リヨン。汝に赦されたのは"5発"。6発目は過たず汝を撃ち抜く』 鈍く照り返すステンレスのリボルバーを手にしたとき、《死天使》からの宣託がわたしの頭に残響した。 スポットライトのような灯りに照らされる円卓。並ぶのは6丁のリボルバー。四方の闇からはコッキング音が響く。眼前にはウエスト・イングランドの闇商売を司る長老たち。わたしは1人に、5人はわたしに銃口を向ける。 その一人、サー・フレデリコが写真を投げてよこす。瞳孔が開き、胸に解剖痕を刻んだ痩せぎすの老人。つまり

『コールド・ケース』

「『コヨーテ』、『A.C.I.D』を同期させておけよ」 防護スーツの左腕部に装着されたスマホサイズの端末を操作すると、暗闇に『ハイエナ』『ハトブシ』『シデムシ』の淡いグリーンの輪郭と、摂氏16℃の気温。残弾数、俺のバイタルサインが網膜に投影された。 防護スーツに個人携行装具、ヘルメットにガスマスクの男―『シデムシ』が肩を叩く。 「気温計に注意しろ。一桁を割ると出てきた証拠だ。照明の点滅にも気を配れ。規則的な点滅がしたら……ヤバいやつだ」 喉の中が干上がってるので、頷い