人の形のブーケ【逆噴射小説大賞2022応募作品】
「落ちていたのをひろってきちまったのさ」
そして私はあらためて、横たえた生物の様子を見つめる。
身長140cmほど。人の少女によく似た生物は、ソファの上で動かない。
手足の指は四本ずつ。指先から中心部に昇っていくにつれ、薄緑から藤色にグラデーションする肌色。胴はケイトウの花束、あるいは群生する珊瑚礁のようなビラビラのドレスが生い茂る。
こんな人気のない田舎には、どこからか人ではないものが紛れ込む。
珍しくもない話だが、まずはしかるべき所(警察、あるいは神社仏閣、もしくは秘密