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パルプ小説の書き方1:一人称でやれ(逆噴射聡一郎)


よくきたな、おれは逆噴射聡一郎だ。おまえは真のパルプ小説を書きたいと思ったことがあるか? あるはずだ。だが誰も教えてくれず、どうやればいいのか解らなかった。おまえはSIRIに聞いてインターネットで調べようとしているうちにYOUTUBEにたどり着き、全然関係ない動画のザッピングをし始めた。気がつくといつしかスマッホの予測変換に飼い慣らされ、キ=タイプすらもろくにできなくなって酒やベイブに溺れ、男本来の生き方を何もかも忘れて・・・・・自分の頭で考えることすらも・・・・・やめてしまった。

だがおまえの喉の奥にはまだ、あのメキシコのざらつくような乾いた風のきおくが残っている。そしておまえの魂は潤いのある良質なコロナビールとパルプ小説を求めている。おまえはそろそろ男本来の世界に立ちかえり、スマッホの予測変換では真のパルプ小説を書けないことに気付かされるべきだろう。このおれが今月から始める、このパルプ小説オンライン講座によって。

逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。


おれはPROであり常に市場調査を欠かさない。おれはダイハードテイルズの奴らから「読者アンケートでパルプ小説講座の要望が多い」という話を聞いていた。たしかにおれは自分でもダイハードの奴らに直接レクチャーしたり、トムやタランティーノにメールを送信したりして、そうゆうインストラクションを折に触れ与えてきた。おれにとってパルプ小説をかくことは、銃やハンドスピナーをスピンさせるくらい当たり前のことだった。だが探してみると、予測変換にあふれた現代社会ではそんなノウハウ記事は存在しなかった。あるのかもしれないが検索OPTIONの方法がよくわからない。おれはここにブルーオーシャーンの青くさい臭い・・・・すなわちSUCCESSの機運を敏感にかんじとり、これから月に1回「パルプ小説の書き方」を連載することにした。

おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通ったほんもののPULPだ。嘘まみれの砂の上にいっしゅんで築かれた業者RTの城ではなく、乾いたレンガをいっこずつ積み重ねて作った確かなモーテルだ。危険な銃弾飛び交うMEXICOの地でそうしたモーテルに逃げ込み、ぬるいビールを飲み、パルプを開いて味わう一時のやすらぎ。・・・・これは時代の主流におもねらず、つねに真の面白さだけを求める、そんなお前のために書かれた記事だ。

つまりこの記事は、なんの中身もないPVとかバズとかのためではなく、おまえのために書かれている。生まれて一度もパルプ小説を書いたことがない奴でもじゅうぶんに理解でき、突然カッとなって思いつきと酒の勢いで小説を書き、MAKE MONEYできるようになることを装丁している。そのくらいのレベルからやっていく。おれは本気で徹底的にやる覚悟がある。その点について、まずはおまえに解らせるべきだと思う。


なぜパルプ小説講座を始めるのか?

これはおれの本能がそうさせたと言って過言ではない。日々のノウハウを書き記して記事にするのは、おれにとっても重要なサヴァイヴ活動だ。おしえることで、自分のスキルや生きるためのノウハウはさらに磨かれる。

たとえば真の男であるバンデラスも、死闘のさなかに子供にギターをおしえていた。そして言った・・・・「PRACTICE・・・れんしゅうしろ、毎日だ・・・」と。バンデラスはこの時ビジネスアイディアがひらめき、会員制セミナーでMAKE MONEYする金もうけを考えてこのような行動に至ったのだろうか? おそらく・・・そのこたえはNOだろう・・・・。それはいわば真の男の本能だ。生き抜くための何かを他人に伝えるということは本能・・・・いつ銃弾で死ぬかわからない過酷なメキシコで生きる男の、いわば狼の本能であるといって過言ではない。一方で、あらゆるMAKE MONEYを悪と考え、全ては無料でなければならないと考える奴もまた、ただの腰抜けだ。そういう球体以前の考えや綺麗事では生きてはいけないのが、この過酷なメキシコという地だからだ。だからおれはダイハードのやつらからコロナと万札を渡され、今回の仕事を受けることにしたし、講座の中ではそうした交渉や販売に関するテクニックについても入れるべきだと考えた。

何かを書くからには金を稼がねばならない。金とはリスペクトだ。無料で何でもするやつや、作りてに何でも無料を要求してくるやつ、無料でベイブが見れるサイトなどを信じるな。そいつらは机の下に銃や卑劣なマルウェッアを隠している。おれはデスペラードを見直しながらそう考え、今回の記事のための熱いアイディアが際限のない高まりを見せていった。このオンラインセミナー記事については最初無料で公開され、1ヶ月経つと月報マガジンの中にしまわれていく。これは実に理にかなった方法といえるだろう。だがそれ以前に、おれは月1・・・すなわちパーマンスで連載ができるのだろうか? 真の男はビジネスを受ける前にまずそれを考える。

・・・おれはまず、小説を書いてSUCCESSSを掴むうえで必要だと思われることをリスト-UPしてみた。それはいわば銃弾だ・・・・銃弾が切れたらブシェミが届けてくれるかもしれないが、それまで生き延びるのに十分な数の弾丸があらかじめ必要になる。月1で連載するにあたって、トッピクが瞬時に三〇個くらい思い浮かばなければ、その企画は早晩ネタ切れとなってメキシコ砂漠で道に迷い、おまえはサボテンの棘に刺されて野たれ死ぬ。・・・・おれの手は緊張感でじっとりと汗ばみ始めた。そしておれが今回30ぷんでリストアップできた章タイトルは・・・・以下の通りだ。

・書いてみろ
・好きなところから書け
・長さは関係ない、シメるまでやれ
・誰も信じるな、おれも信じるな
・ラストシーンから先に書いてもいい
・目を鍛えろ
・まずは一人称でやれ
・シリーズで考えろ
・書くために必要な道具
・開幕ページで1人殺せ
・プロモートしろ(合ってるプラットフォームを選べ)
・起承転結と三幕八場
・登場人物は最低2人出せ
・プラットフォームとして開拓されたnote
・Twitterプラットフォームと虚無の暗黒
・メインのメッセージは明確にしろ
・レイヤーは複数持っててもいい
・長くやれ
・常にテンポを優先しろ
・自信満々で売れ
・宇宙空間でも爆発音はする
・ブラムストーカー・エフェクトを信じろ
・執筆時間と同じくらいプロモーションに時間をかけろ
・オリジナリティとか別にいい
・慈善事業をやりたいならNPOにでも入れ、ここはメキシコだ
・慣れないうちはハイコンセプトにしろ
・この世界にはあほと腰抜けと真の男しかいない
・小説ばかり読むな
・映像イメージを共有しろ
・映画でも観に行け
・展開に困ったら爆発させるか銃を撃て
・ブルーオーシャーンを探せ
・人の意見は聞くな
・FPSもやらないで作品が書けると思っているのか
・おっぱいが必要だ
・DESTINY2が面白い
・真の男になれ
・SUCCESSのイメージを掴め
・お前の作品の完全な理解者はいない
・おれはメモが苦手だ
・会えるときは直接会え
・仲間同士でケンカするな
・駄作から学ぶことはない
・売り方を考えろ
・おっぱいの数は適正か
・税金のことも考えろ
・まず読者を1人作れ
・タルサドゥームの罠にはまるな
・タイピング速度を鍛えろ
・絶対に安売りするな
・たまには運動しろ
・名作を読んでなくてもビビる必要はない
・評論家気取りの腰抜けは無視しろ
・言いたいことの10%くらいしか伝わらない
・志望者同士で集まる危険
・男が銃を持てば誰かは絶対に傷つく
・最初から攻略本を読むな
・最新のテクノロジーに食らい付け
・漫画家とか小説家の武勇伝は話半分で聞いておけ
・何話か書かないとコンセプトが伝わらない
・そいつらはどうせメキシコで死ぬ
・椅子くらいはいいのを使え
・タイトルでだいたい予想がつくようにしろ
・他人に何も期待するな
・真の男はキーボードにこだわる
・酒でも飲んで寝ろ
・かっこいいと思うものだけ書け
・ドリトス
・定期的に書いて発表しろ
・節税はやれるだけやれ
・作品が売れるかどうかはお前が一番よく知っている
・映像化のことも少しは考えろ
・電子出版権は割と融通がきく
・コナン・ザ・グレートでも観ろ
・いい音楽を聞いていい酒を飲め
・トランプはあほでクリントンは腰抜けだ
・パルプとは何か
・契約条件交渉でビビるな
・ワンダーウーマンのアレスシーケンスが良くわからない
・肉料理
・チーズ
・ステークホルダーをむやみに増やすな
・エンタテイメントに徹しろ
・ノウハウはあっさり公開しろ
・他人のアドバイスは聞くな

おれはすでにコロナを数本やっているので、抜け落ちている部分もありうだろう。だがそれは後で足せばいい。おそらく最も重要な部分の大半はこのリストに含まれているはずだ、おれのトッピコにたいして揚げ足をとり、例外をいちいち挙げてああ言えばこう言うやつもいるかもしれない。そんなやつはどうせメキシコで死ぬから相手にしない。出発地点としてこのくらいあれば十分だ。この中からおれは今回「まずは一人称でやれ」を選ぶことにした。


PRACTICE1:まずは一人称でやれ

なぜ一人称なのか。これは生まれて今まで一度も小説を書いたことがない奴・・・・つまり銃の扱いかたがまるで解っていないおまえでも何とかなる、強力な武器だからだ。二人称や三人称に憧れる気持ちはわかる。だがおまえにはまだ二人称や三人称は早い。二人称や三人称・・・・それはいわばTEKKENにおける三島KAZUYAだ。

KAZUYAは確かに強く、トッププレイヤーが使えば最強に近いと言える。だが初心者が最初に使うのはあまり勧められない。例えば風神スッテプなど、フレーム上は有利だが複雑で出すのが難しいコマンドが多数あるからだ。おまえが今日突然TEKKENを初めて100円玉を入れ、KAZUYAを選んだとしても、そういう強い技を使いこなせるわけがないことは容易に肖像できるはずだ。仮に風神できたとしてもコマンド入力の気持ちよさに気を取られ、ライトトゥーキック連発のような量産型の腰抜けシステム戦法にカモられて終わるのが関の山だ。いまのお前に必要なのは、基本の基本、素早いワンツーパンチを出す方法を学ぶことだ。それが一人称だ。

まずは書いてみろ。それで現在のおまえの状態を把握しろ。目安となる文字数としては、現代のREALな息遣いの最小単位であるワンツイート・・・・すなわち140文字だ。noteのトークも140文字なのでそれで測ってみてもいいだろう。140文字も書けないという時は、コロナを1本か2本開けてからやれ。それでもだめならゲーム機の電源をONにしてコロナを飲みながらFPSでもやるのがいいだろう。

プラクティス1:一人称で140文字書け(以下のプロットを使え)

お前は銃を持っていて、足元に誰かの死体がある。お前は何か考える。


注意:ひとつだけ注意点がある。おれが言いたいのは、140文字に起承転結を全部入れろということではない。この140文字は、10000文字とか20000文字へと続く豊饒なるパルプの開始点だ。だからこんな短い文字数で完結する必要がない。読んだやつが続きが気になるように、途中で終わらせろ。


今回のオンラインセミナーはここまでだ。なぜならおれは、お前が140文字書き上がるまで待っていられるほど悠長な男ではないからだ。ここは過酷なメキシコだ。ブチョのやつらがおれを狙っていて、お前を巻き込むわけにもいかない。だからまずは140文字をやれ。銃の撃ち方を思い出せ。一発でできたらこのプラクティスは10分で終わりだ。できなかったらこれを毎日やれ。次回までにこの例題に対して、おまえなりのANSERを見つけ出しておくことだ・・・・。

(逆噴射聡一郎)


Photo by Matthew Smith on Unsplash

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