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逆噴射小説大賞2020:結果発表

Coronaを奪い合い冒頭800文字でしのぎを削る「逆噴射小説大賞2020」、その最終結果を発表いたします。今回の「募集要項」と「一次選考&二次選考結果」はリンク先をチェックしてください。


それでは早速、大賞受賞作品の発表を行います!




🌵🍺🌵大賞受賞作品🌵🍺🌵


🌵🌵🌵🌞🌵🌵🌵


逆噴射聡一郎先生のコメント:今年の大賞候補作として、おれは二次選考を突破した170本の中から「そしてあの子はいなくなる」「英雄の証明」の二作を選んだ。それは同じ作者によるものだった。どちらも大賞候補として甲乙つけがたく、またおれはどちらも続きを読みたいと思ったので、この二作を並べて大賞とすることにした。

1本ずつ手短にコメントする。「そしてあの子はいなくなる」は黒く滲むような強烈な怪奇ノワールで、一文一文に緊張感とエネルギーがこもっており、最小限の描写で登場人物の特異な関係を描き、命のやり取りをモノにしてみせている。「英雄の証明」はFPSサバイバルサイコホラーを思わせるノワール・アクションだ。追い込まれた視点人物の臨場感や息遣い、視界不良の暗黒、前のめりで足がもつれそうなほどのテンポ、不安感の煽り方などが見事であり、手に汗握った。二作とも、荒削りなところはいくつかあるのだが、作風やテーマとマッチしていたため、焦燥感や不安感や勢いを生み出すのに一役買っており、今回の逆噴射小説大賞においてはプラスに働いた。

なお、おれが今年度の審査にあたって最も重視したのは1に「知的好奇心の刺激やウイット」、2に「小説的な技巧や筆致の個性」、3に「心を動かされるか」の三点だ。さらに新規性があればなお良い。そして後者に向かうほどおれの中でのウエイトが大きく、後者が弱ければ、どれほど見事な設定や構築をみせても、おれは大賞には選ばない。なおパルプにおける「心を動かす」とは、一億人が総感動とかドラ泣きとかだけではない。最も単純かつ効果的な武器は1920年以前から変わらず「恐怖」や「不安感」、あるいは「スパイシーな欲望」や「痛快さ」だ。特に前者二つは強い。それらは人間の最も根源的な感情だからだ。つまり読んでる奴の胸ぐらをつかんだり、文章のナイフを首筋に突きつけてくるような、そうゆう圧倒的な「空気」を感じさせなくてはいけない。「この小説を読んでいていいんだろうか?」と、ほんの少しでいいから思わせなくてはいけない。だから推敲を重ねすぎたりしてお上品にまとまりすぎると、技巧が強く押し出される反面、それによって理性のフィルターがかかり、根源的な感情の刺激が弱くなるのだ。

他にももちろん心を動かす方法はあるし、恐怖以外の武器を使ってはいけないというわけではない。だがこの800文字という限られたフィールドで戦うにあたり、この大賞作品二つは、これらの武器をそれぞれ違う側面から実にうまく使いこなしていると感じた。勢いだけではなく、根元には確かな技巧もある。この二作品が勢いだけだとおもったやつは、根本から考え直したほうがいい。

血肉として参照しているであろう作品群にさらに独自の現代性を味付けできれば、ものすごいパルプ小説作家になるだろう。よって今年の大賞はこの作者に贈られる。CORONAを飲んでぜひ続きを書き、おれに読ませて欲しい。




🌵最終選考に残った作品の一部と特別コメンタリー🌵

ここからは最終選考に残った作品のうち、特にコメントをつけたいと逆噴射聡一郎先生が考えたものについて、そのメモとともに紹介していきます。なおそれぞれの作品の並びは、逆噴射聡一郎先生がコメントを書いていった日の気分です(なので上にあるほど大賞に近いという事ではありません)。コメント文の長い・短いも、特に作品評価とは関係ありません。

それではさっそく行ってみましょう!


逆噴射聡一郎先生のコメント:自転車レースもの。「レース」や「チェイス」といったシーンを小説で読ませるにあたって、最も重要な「テンポ感」や「スピード感」をうまく演出できている。また自転車レースとは、読むにも書くにもそれなりの専門知識を必要とするR・E・A・Lなジャンルであると思うが、それらを過不足なく、説明的になりすぎずに、ストーリーテリングの中に自然なバランスで配置しており、読ませる。もう少し、逆噴射小説大賞のレギュレーションならではの工夫や面白さ、もしくはハッと息を呑むような、理性の埒外にトんだような鮮烈な情景描写などがチラリとでもあれば、大賞を狙えるレベルまで来ていると思う。このまま書き続けても、普通に面白いものが書ける作者だろう。

この作者以外の参加者に向けて、ここで「ジャンルもの」について、おれなりの覚書を記しておきたい。ジャンルものは、読み手にフレッシュな知識欲を刺激として送り込む事ができるので、それだけでもとにかく強い。おまえ自身がカポエイリスタであればカポエイラの小説を書くだけで面白くなる可能性が相当ある。おまえ自身がシェフであればシェフの小説を書くだけで面白くなる可能性が相当ある。おまえ自身が大統領であれば大統領の小説を書くだけで面白くなる可能性が相当ある。おまえがなにか特殊な職業の経験があったり、特殊な趣味に通じている場合、それだけでアドバンテージだという事は忘れるべきではない。そして、それを小説に落とし込むとき、おまえ自身のR・E・A・Lな体験を無理して茶化したり、変なヒネリを付け加えてスポイルすることがないよう気をつけろ。おまえ自身の体験は、ただそれだけで既に、読者にとっては新規の情報だ。知らない知識を頭に入れる行為は、読者にとって快楽そのものだ。ここに変な完成度の低い世界観を溶接すると、とっちらかってハイコンテクストになりすぎ、素材を殺してしまう可能性がある。ユニークな題材を見つけたと思ったのなら、まずはそのジャンルで、ただストレートにやってみるのがよい。遊ばずにグーで殴れ。




逆噴射聡一郎先生のコメント:軽妙な語り口と、ところどころにあえて崩したような文章。物語全体のトーンを制御する方法というのを知っているタイプの作家だろう。時代・剣客モノと怪異を組み合わせたジャンルはこの賞においてレッドオーシャン一歩手前だ。時代モノは作者の力量がダイレクトに出てしまうので、軽い気持ちで手を出すと一発でやられる。そこへ怪奇ファンタジー要素を組み合わせるのは、時代モノを正面から書きに行くことの困難さからの逃げの姿勢に見えがちだ。だがそんな環境下で、この作品は設定が独特の詩的な味わいを持って活きており、アリになっていて、うまく抜きん出たように思う。惜しいところを言えば、最後の一行がそのままオチになってしまっているのが、即物的で勿体ない。「わかりやすいオチを入れないと、この大賞では興味を引けないのでは?」「もう少し砕けた言い回しをあえて入れていかないと、生き残れないのではないか?」等の攻略本的な思考は、この作者のように地力のある者には必要ない。むしろ一つ一つの物語として、全体をより誠実にまとめてしまったほうが、素直に面白いものを作れるのではないかと感じた。もうひとつの候補作「ローグ、ローグ、ローグ」も安定した面白さがあった。



逆噴射聡一郎先生のコメント:単純に面白い。まるで限界まで酩酊して殴り合いの乱闘を行った末にブッ倒れて気絶した翌日に襲ってくる悪夢のようだ。西海岸系シュールレアリズム現代アートのような独特のサイケデリックな良さもある。しかもそれらを、奇をてらわず、言い訳もせず、過剰な味付けもせず、スッと日本料理のように差し出してくる。これはなかなかできることではない。

こうした突飛な作品スタイルに散見されるパターンは「どう? 面白いでしょ?」と確認してくるようなふざけた態度や照れ隠しがミエミエになっていたり、文章力や構成力の不足によって最後にかけてどこかでボロが出るケースだ。そういうハンパな書き方の空気を嗅ぎ取った瞬間、一発でおれは不機嫌になり、演奏を聞くのを止めて二階に上がってバーで飲み始める。だが「ルースター・マン」はそうしたボロもなく、ちゃんとやっている。構成の足腰もある程度しっかりとしている。なんの説明もてらいもなく「○○マン」の名前をつけられた危険な連中が連続で現れるが、少しでも笑ったらその場で「何がおかしい」とぶん殴られるような迫力があり、ミニマルなグルーヴ感も醸し出す。主人公ルースターマンの動機は完全にやばいが、かといって一切理解不能でもないところがミソだった。これは非常に麻薬的な面白さがある文章センスとアートの姿勢であり、続きを読みたいと感じた。小説というフォーマットにこだわる必要の無い、天才肌タイプの作者だろう。商業的ではないのでどうやってS.U.C.C.E.S.Sしたりメイク・マネーするかまではわからないが、今のネット社会では何が起こるかわからないし、それはおれがアレコレ考えることでもない。次点の大賞候補作品と言える。



逆噴射聡一郎先生のコメント:なぜか今年、落下し続けたり降下し続けたりする作品を複数見たような気がするが、これはその中で最も良かった。この作品はとにかく「小説としてちゃんとしている」ことにつきる。テンポと、基本的なストーリーテリングの安定感があり、読むほどに適切に読み手の興味を喚起する情報・状況描写が出てくるので、それらに身を委ねて「これから何が起こるのか?」を安心して読める。だがその反面「これは安心して楽しめるお話ですよ」というTooプロフェッショナルなエンタテイメント姿勢が見えることが、安心感ゆえの物足りなさにも繋がっているところはあった。即物的な導入や「月刊ヌー」等がいかんせん安直で、それが全体的にR・E・A・Lさではなく、ショートショート的な醒めた印象に繋がったのが、この大賞においてはいささか不利にはたらいた。一行だけでも、登場人物の一瞬の感情の発露などを通し、突然こちらに向かって不意に殴りかかってくるような、そういうパルプ小説としての予感があるとさらに良かった。だがこの大賞以外のフィールドであれば、普通に通用する可能性があるだろうし、この応募作もこのまま完成まで書いたならば面白いものが出来上がっているだろう。



逆噴射聡一郎先生のコメント:最終候補作の中で、一番痛快さがあった。設定、キャラ、台詞回し、崩し方なども総合的に良い。新しさも感じる。賞のレギュレーションを意識しすぎたか、やや急ぎ足すぎるきらいがあり、全体としてあらすじ的・ダイジェスト的になってしまっていたのは残念な部分だ。しかしその短い中に、この物語の魅力はスポイルされることなく詰め込まれていたので、それでも最終候補まで進んだ。全体的にはとても続きが読みたいと思わせるものだった。もしこの作品が今後あらためて中長編として書き直されたならば、少なくともおれは必ず読みに行く。たぶん他で読めない内容になるだろうからだ。



逆噴射聡一郎先生のコメント:読者の脳内に、洋ドラのようなリアルな俳優たちの息遣いが感じられる映像を描かせたいのか、それとも少年マンガのような映像を描かせたいのかで、評価が大きく異なる。前者であれば、意図的にハズした感じやギャップを醸し出すことがある程度できており、「ブードゥー・キャデラック」のようなホワイトトラッシュ小説や、スラップスティック系の面白さが描ける作家なのかもしれないと感じさせられた。巨大な海と化したフロリダの絵面には、乾いたセンスと美しさが端的にあらわれており、物語とは、こういう極めて美しい画のためにあるといっても過言ではない。いっぽうで、あとほんの少しバランスを誤ると、後者……設定やキャラ造形を含めて全体的にジャンプ読み切り漫画の能力バトルテンプレート的な印象につながる危険もあったので、このプロットで目指すならば前者にすべきだ。両者をわけるのは、意図した映像と解像度を出せるような工夫と、文章の地力という事になろう。



逆噴射聡一郎先生のコメント:この投稿者は基礎的な文章力が高く、複数の候補作が選考に残った。またこの作品が内容も含めて最も面白く、何よりこの短さの中でしっかりと登場人物の心の動きまで描写できているのが良かった。とくに、主人公の「内的葛藤」を提示していること、それが物語の根幹に繋がっていくであろうとしっかり伝わってくる点を強く評価した。冒頭にまとめられたルール説明は、物語への導入となる世界観描写の一翼を担ってもいたわけだが、それでもやはり無機質な設定文を羅列しているようにも見えかねないので難しいところだ。より簡潔にまとめるか、あるいは前半と後半を入れ替えても成り立つ構成ならば、物語が動いているところから始めてルール説明をしたほうが、今回の大賞レギュレーションでは有利に働いただろう。



逆噴射聡一郎先生のコメント:この作者の世界観構築力と圧縮技術は大したものだ。わずか800文字の中で、魅力的なSF世界観と造語センス、キャラ造形、そして理論的なテンポの良さなどを、遺憾なく見せつけている。「理論的なテンポの良さ」というのは、台詞回しや語句の文章リズムだけでなく、「シン・ゴジラ」の理路整然とした無駄のない展開のようなチャキチャキとした爽快感によってのみ醸し出されるものであり、これはこの作者の強みのひとつであろう。もう一つの候補作「長谷川家の決闘」もよくできているが、終わり方というかたたみ方はなんとなく予測可能なので、未知のSF世界が広がっているワクワク感をとって「降洋量を測る」のほうを最終候補とした。あとは何かひとつ、例えば敢えて食い合わせの悪そうな耽美的な表現や詩的な表現でハズしを作るか、理の外に吹っ飛んだような台詞回しが一つでもあれば、大賞を狙えただろう。だがそれはこの整合性を失うかもしれないので、逆噴射小説大賞用にチューンしないのであれば、このままでも問題なさそうな面白さである。「降洋量を測る」と「長谷川家の決闘」の持つ要素を、比率を変えてうまく組み合わせれば、すごい小説が作られるのではないか。


逆噴射聡一郎先生のコメント:誰かがやっていそうで意外とないような、不思議な感覚をもたらした内容だ。荒削りだが、単なる頭の中での「要素の足し算」にとどまらないオタク活動愛のようなものがなんとはなしに空気として伝わってきており、その讃歌じみた雰囲気が、妙に読み心地のいい独特のアッパーな感じをもたらしていた。おそらく作者にとってのR・E・A・Lがにじみ出ていたのだろう。この作品は、しっかりと小説として作り上げれば普通に素晴らしく面白いものになると思うので、あとは自信を持って小説力を高めるだけでよい。


逆噴射聡一郎先生のコメント:後ろでメロコアでも鳴っていそうな、ゴキゲンでテンポのよい、透明感のあるバイオレンスホラー。会話する犬などのシュール味も、不安感や恐ろしさではなくどこか可愛げがあり、独特の世界観のある作者だと思う。この作者は基礎筆力はあるし、物語のテンポ感を殺さないために必要なことをもう分かっていると思うので、この大賞のレギュレーションの中で生き残りたいならば、あとは味付けの問題だけだ。クリーン・トーンな透明感をさらに突き詰めたサイコパスな恐怖で味付けをするのか、逆に痛快感や爽快感の方に限界まで振り切ってさらに埒外まで突っ走るのか、何かもう一味突き詰めるとこの大賞においてブレイクスルーするだろう。



逆噴射聡一郎先生のコメント:主人公の挫折・トラウマの克服と、アイテム集めという目的が噛み合っており、強い推進力をもって話を書いていけそうだと感じたので、最終候補まで残った。「奨励会を抜けてアヴァロンへ」の作者の選評にも書いた「葛藤」の要素だ。主人公の過去の克服への意志、葛藤などを自然に物語の中に入れ込む事ができれば、物語には強い推進力が生まれる。そして実際に葛藤の要素をうまく入れられている作品は、今回の応募作品群のなかでもそれこそ数本に満たないかも知れない。本を手にとったくだりがもう少し何かあったほうが良いように思うので、もしこれの続きを書くつもりがあるなら、入手の経緯の描き方も含めて再検討するとよい。あとは今後、ヴィランをどれだけ邪悪で恐ろしく説得力ある敵として描けるかにかかってくる。


逆噴射聡一郎先生のコメント:背景美術やキャラの動きの凝ったヌルヌルしたアニメーション作品のような印象を与える内容で、達者なものだ。つまり文章で表現されるキャラクターの動きや情景にとても生き生きとした動きがあり、ひとつの絵画作品・絵巻のようでもあって、完全に自身の作風を掴んでおり、その筆致には才能を感じる。この力をなにかに活かしてほしいと思うほどだし、もしかすると既になにかやっているのかもしれない。完成品として読んでみたいと感じる。


逆噴射聡一郎:ジュブナイルとして凛とした佇まいをもち、確かな作品の存在感を見せている。後半の展開もその後に興味を強く持たせる。最近のNET FLIXにある1話26分ぐらいの青春アメドラのような感じがあり、これはいけるのではないかと思わされた。この投稿作をふくらませて完成させたり、たくさん作品を書くなどして、経験を積んでいくことを期待する。




🌵🌵🌵おつかれさまでした!🌵🌵🌵



以上で大賞&入選作品群の紹介とコメンタリを終了いたします。全作品に1個1個目を通して行った逆噴射聡一郎先生、および審査員の皆さん、お疲れ様でした。そしてこのイベントに参加してくれた皆さんへ、ありがとうございました! 

今回の審査における重要な覚書のまとめは、以下の記事の下の方に入っているので、気になる人は読んでみてください。



🌵未来へ🌵


逆噴射小説大賞は通常の小説大賞とは根本から異なるかなりピーキーなレギュレーションなので、いわゆる名作の冒頭800文字をそのまま持ってきてもインパクトが出るとは限らないし、逆にこのレギュレーションに特化しすぎても小説として本当に面白くかつ広い層に楽しまれるものになるかどうかは全くの別物です。審査自体も、逆噴射聡一郎先生のその時の気分で選ばれたものであり、あまり重く捉えすぎないでいただければと思います。

コンテストの形式をとっている以上、やはりどうしても「選ばれた作品」と「選ばれなかった作品」は出てきてしまいます。特に今回はファンイベントではなく、CORONAという黄金を奪い合う「コンテスト」であり、中には小説家を目指す人も多いでしょうから、この結果を重く受け取ってしまう人もいるかもしれませんので、あらためて書いておきたいと思います。

エントリー作品収集マガジンを見ていただければわかる通り、驚くほど幅広いジャンルの、多種多様な作品群が集まりました。パルプには無限の可能性があり、ほぼ全てのジャンルを内包しうるタフさがあることの証明と言えます。しかし正直に言ってしまうと、審査員である我々が、その全てのジャンルを守備範囲としてカバーしているかどうかは、また別の話です。当然ながら、ダイハードテイルズのカラーだけがパルプの全てではありません。パルプの中でも、我々は我々の独自のカラーとカルチャーを持っています。また、コンテストというのは、半分、運もあります。審査員のバイオリズムも毎日同じではありません。たまたま何らかの理由で、選ばれるべきだった作品が電子的なエラーで表示されず、選考に含まれなかったなどということさえ起こりうるかもしれません。

要するに、どんな規模のコンテストもそうですが、それは人生のゴールインでも世界の終わりでもないのです。たとえどこかで新人賞を取ってデビューが確定したとしても、創作はそこから先も一生続いていきます。毎日プラクティスなのです。なので、こういった賞への応募活動に参加するにあたっては、選ばれなかった事を理由に自らのモチベーションを減退させるべきではありませんし、納得がいかないからと運営サイドに掛け合おうとしたり執着してはいけません(そんなことをしている暇があるならとっとと次の作品を書くべきです。どんなステータスのクリエイターであれ、結局最後は自分自身との戦いであり、外部の力に期待しすぎてもいいことはありません)。今回だめだったら単に気持ちを切り替えて次にいけばいいだけの事です。

特に、逆噴射小説大賞は冒頭の書き出しを競うかなり尖ったコンテストです。仮にそれが賞を得られなくても、そのまま書き続けていった結果、一個の作品としてアッと驚く内容に仕上がる可能性も当然あります。今回二次選考に通らなかった作品も、ぜひ、他の発表の場で公開してみてください。どれがそうだ、というのは特に明言しませんが、今回選考突破作に含まれなかった作品のうち「この作品、最後まで仕上げてうち以外のところに出せば、いいところまで行くはずだな」と思われた作品も少なくありません。

また逆噴射小説大賞は、大賞を受賞してもCORONAと栄誉がもらえるだけで、我々ダイハードテイルズ側は一切出版などの権利を主張しないという稀有なコンテストです。受賞しなかった応募作についても同じです。あなたが書いた作品はあなた自身のものです。ですから、書いていてあなたが手応えを感じた作品は、ぜひ仕上げて、その作品が最も向いていると思われる場に投稿してみていただきたいと思います(もちろん #逆噴射プラクティス への投稿も引き続き歓迎です)。

このイベントを「生まれ出なかったかもしれなかった物語を書くきっかけ」にしていただければ、ダイハードテイルズ一同、これに勝る喜びはありません。実際、既に、自身の応募作品の「続く」の先を書いていっている方々を散見できます。是非完成させて、世に送り出してください!


🌵🌵🌵


次回「逆噴射小説大賞2021」は、2021年10月に開催予定です。文字数などのレギュレーションはまた変わる可能性があるので、2021年10月の発表をお待ちください!

(ダイハードテイルズ出版局)

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SNSが浸透した現代社会、そこはまるで無法のMEXICO・・・。隠し黄金と毒サソリがひしめくパルプ小説創作の荒野で生き抜くための信念とノウハウを収録。本書を読んだとき、あなたの胸にはMEXICOの風が吹き、真の男本来のガッツが湧き上がる。このマガジンを読んでパルプ小説を書き、過酷なメキシコで生き抜こう!

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本兌有、杉ライカ、逆噴射聡一郎など、ダイハードテイルズ所属作家のコラムや小説が読めるマガジンです。

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