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1:キャラクターメイキング(最終更新:2023年11月13日)

◇TRPG総合目次 ◇SOULWIREDトップ
 
📕TRPG物理書籍  📖物理版キャラクターシート

ようこそ。このセクションには、君の初めてのゲームで使うためのPC(プレイヤーキャラクター)の作成方法が解説されている。ルールに慣れてきたら、スクラッチビルド方式や、高ポイント作成、特殊生い立ちの追加など、より奥深いキャラビルドも楽しめるようになる。まずは書いてある通りにダイスを振り、最初のニンジャを作ってみよう。作成済みのプレロールドキャラを使ってすぐにプレイすることもできる。

接続

ここは西暦2037年の暗黒の未来。重金属酸性雨降りしきる電脳犯罪都市、ネオサイタマへようこそ。君はある日突然ニンジャソウル憑依者となり、ソウカイヤと呼ばれる組織に所属することとなったニンジャだ。君は生き残りをかけて、数々のミッションに挑まねばならない。

@YCNAN:あなたは必ずしも邪悪ではない。あなたには無限の可能性がある。あなたの運命を決めるのはソウカイヤではない。それを忘れないで。



1:キャラクターメイキング

ゲームスタート時は「ランダム方式」または「スクラッチビルド」のどちらかを選択する。ここではまず「ランダム方式」を解説する。

初期作成PCの例

◆ファイアイーター (種別:ニンジャ)  DKK:0 名声:1 所属:ソウカイヤ  
カラテ    5  体力   5
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   3/N
ジツ     1  万札   0*


◇装備や特記事項◇
▶︎テッコLV1:腕部用サイバネ
カタナ:標準近接武器
☆カトン・ジツLV1
◉知識:危険生物(特にサメ)

*ふわふわローンあり(【万札】12の返済が必要)

上は初期作成PCの例だ。11ポイントスクラッチでもランダム方式でも作れる。このようなPCがどのように作られていくのか、順を追って見ていこう。なお、作成済みのプレロールドキャラクターを使用する場合でも、このセクションに書かれた能力値の読み方や早見表の使い方については、ひととおり目を通しておいたほうがいいだろう。



1-1:メイキングの流れ

ニンジャスレイヤーTRPGシステムは、ミニマルさと高い拡張性を重点している。つまり、基本のキャラ作成は驚くほど簡単で、プレイヤーがどれだけビールを飲んで泥酔していても問題ない。D6(六面ダイス)を何回か振るだけで、プレイヤーは個性的なニンジャをいくらでも作ることができるのだ。PC(プレイヤーキャラクター)作成の流れをまとめると、以下のようになる。ニンジャ名が思いつかない時は、ランダム決定表が役に立つだろう。

◆キャラ作成の流れ◆

1:ニンジャ名を考える。
   (あとで決めてもよい)
2:D6(六面ダイス)を何回か振り、
   基礎能力値を決めて、シートなどにメモする。
3:基礎能力値から副次能力値が決まるので、
   それらの値も、全てシートにメモする。
4:【ジツ】値が1以上ならば、
   ジツの系統をD6で決定する。
5:【ジツ】値が0ならば、
   代わりに「初期スキル」1個を選択する。
6:「初期装備アイテム」をD6で決定する。
7:「ふわふわローン」で借金し、
   好きな初期サイバネを1個装備してもよい。
8:キャラ完成! ニンジャの時間だ!
TIPS:性別、年齢、外見などは全て自由に設定でき、それらによる能力値上の差異は無い。
サイバネやバイオ技術が異常発達したネオサイタマにおいて、それらは些細な問題だ。


大まかな流れがわかったら、ダイスを振って基礎能力値を決定しよう。ダイスや筆記用具がなければ用意しよう。ダイスは6個くらいあると遊びやすい。キャラクターシートは2種類あるが、最初は簡易版がおすすめだ。

◆基本のランダム作成方式のまとめ◆

  【カラテ】:D6で決定
  【ニューロン】:D6で決定
  【ワザマエ】:D6で決定
  【ジツ】:D6マイナス3で決定(最低値は0)
  【体力】:【カラテ】の値に等しい
  【精神力】:【ニューロン】の値に等しい
  【脚力】:【カラテ】か【ワザマエ】の半分、または2


1-2:基礎能力値の決定​

基礎能力値とは【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】【ジツ】の4つだ。順番にD6を振って決めること。【ジツ】だけはD6の出目から3を引いた値となる(最低値は0)。

【カラテ】:初期値1〜6:敵の首をチョップで斬り飛ばしたり、鍵の掛かったドアを力づくで破壊したい時などに使用する能力値。【体力】の最大値となる。

【ニューロン】:初期値1〜6:知識、知力、予測、記憶力、気力、集中力などに関する能力値。ジツの発動やハッキングなどにも使用。【精神力】の最大値となる。

【ワザマエ】:初期値1〜6:技量の高さを示す能力値。高速移動、射撃、言いくるめ、ピッキングなど、器用さや技能を試される判定に使用する。

【ジツ】:初期値0〜3:ニンジャが使う神秘的な魔法のようなもの。【ジツ】値が1以上ある場合、後ほどジツの系統を1個選択する。【ジツ】値が0の場合、後ほど初期スキルを1個選択する(1-6参照)。

原則:基礎能力値の上限と下限:基本的にPCの【カラテ】/【ニューロン】/【ワザマエ】値の上限はいずれも18(ジツなどの効果により一時的にならば19以上にもなりうる)であり、【ジツ】値の上限は7である。部位損傷などで【カラテ】/【ニューロン】/【ワザマエ】にダメージが入った場合、その下限値は1である。【ジツ】の下限値は0である。


オプション:スクラッチビルド方式

ダイスを振るのではなく、決められたポイントを割り振ってゆくキャラ作成方式。【カラテ】を1にするのに1ポイント、2にするには2ポイント……と割り振ってゆく。この方法で作成する場合、スタート時の基礎能力値の上限値は6でなく5となる。また【ジツ】は1につき2ポイント必要で、最大値は3となる。初期装備アイテムだけはD6で決める。ジツやスキルは好きなものを選べる。ローンも通常どおり可能。

◆11ポイントスクラッチビルド方式のまとめ◆

能力値0から始まり、合計11ポイントを割り振る
  【カラテ】:1ポイントにつき+1、上限値5
  【ニューロン】:1ポイントにつき+1、上限値5
  【ワザマエ】:1ポイントにつき+1、上限値5
  【ジツ】:2ポイントにつき+1、上限値3


1-3:副次能力値の決定​

副次能力値は【体力】【精神力】【脚力】の3つだ。これらは基礎能力値などによって自動的に決まる値であり、ダメージなどを受けるたびに減少し、スシやドラッグなどを使用するたびに回復する。シナリオ中に、その元となっている基礎能力値が増減しても、それによって副次能力値が増減することはない。例えば、ジツを使って一時的にキャラクターの【カラテ】が高まっても、【体力】値まで一時的に増加するわけではない。一方で、シナリオ後のキャラクター成長によって基礎能力値が変化した場合は、副次能力値の値も変化する。

【体力】:初期値1〜6:初期値は【カラテ】の値に等しい。【体力】はダメージを受けるたびに減り、0になると気絶して行動不能となる。マイナス値になると死亡、ニンジャならば爆発四散する(【精神力】があれば踏みとどまれる。コアルールの2-12参照)。上限値なし。

【精神力】:初期値1〜6:初期値は【ニューロン】の値に等しい。ジツを使用したり精神攻撃を受けるたびに減少する。【精神力】0のうちは、まだ各種行動へのペナルティは無い。【精神力】がマイナス値になると、直ちに【体力】0となって気絶する。上限値なし。

【脚力】:初期値2〜3:【脚力】の初期値は、そのキャラの【カラテ】値の半分、または【ワザマエ】値の半分に等しい。その値が1になった場合、初期最低値の2に引き上げる。【脚力】はそのキャラが手番中に移動できる距離を示す。上限値は10。ダメージや修正などによる下限値は1。初期作成キャラクターの【脚力】値の横には「/N」と書いておくこと。これはそのキャラの連続側転の難易度、つまり身軽さを示している。

原則:様々なダイスの振り方:D6はダイスを1個振る。D3はダイスを1個振って出目を2で割る(出目1〜2ならば1、3〜4ならば2、5〜6ならば3)。D2はダイスを1個振って出目を3で割る(出目1〜3ならば1、4〜6ならば2)。2D6のように頭に数字がついている場合、その数だけダイスを振って出目を合計する(2D6の結果は2〜12だ)。

原則:半分にするときは切り上げ:このゲームにおいて、何かの値を半分にして端数が出たときは、原則として切り上げる。



1-4:DKK、万札、名声​

「ファイアイーター」の例を見てもらえばわかる通り、シートには【DKK】【万札】【名声】などの項目もある。これらは厳密にはキャラの能力値ではなく、ゲームのプレイ結果などに応じて変化していく特殊なパラメーターだ。今は3項目の説明だけをざっと読んで、1-5へ進もう。【ジツ】値が0ならば、1-5を飛ばして1-6へ進もう。

【DKK】:初期値0:ダークカラテカルマポイントの略。シナリオ内で邪悪な行動を取るたびに上昇する。溜まるとニンジャスレイヤーとの遭遇率が高まるが、生き延びればキャラの成長速度を加速できる。上限値12。

【万札】:初期値0:キャラが持つ財産。【万札】を消費することで能力値を成長させたり、装備を整えたりできる。【万札】の獲得方法は、敵を倒したり、マップ内で拾ったり、シナリオクリア後に褒美として与えられたりなど様々だ。上限値なし。

【名声】:初期値1:そのキャラが、組織内でどれほどの地位にあるかを示す値。【名声】値が一定以上になると、強力な武器の装備/購入が解禁されたり、能力値成長などの恩恵を得られる。上限値なし。

原則:お前の噂は聞いている:所属組織を変えたりフリーランス(ストリートニンジャ)となった場合、元組織の【名声】特典は使用できなくなり、新たな所属先のルールに置きかわるが、【名声】値自体は減らずにそのまま引き継がれる。


ボブのキャラクターメイキング

 友達のケビンやエミリーと一緒にニンジャスレイヤーTRPGを遊びたいと思った初心者のボブは、大きなチャブが置かれたタタミ部屋に案内され、席に着いた。彼はニンジャマスターからD6(ダイス)と鉛筆とメモ用紙を手渡され、「まずはキャラクターメイキングだ」と言われた。

 ボブがD6を振ると、出目は5。【カラテ】の値は5だ。自動的に【体力】は5、【脚力】は3となった。これはかなり強力なニンジャの予感がする。ボブはまたD6を振った。残念ながら出目は1。【ニューロン】の値は1だ。【精神力】も自動的に1となる。

 ダークニンジャのように強力でクールなキャラを夢見ていたボブは、捨てられた犬のような表情を作った。しかしニンジャマスターに「能力値はデコボコしていたほうが特徴のあるキャラになりやすいよ」と励まされ、その気になった。

 ボブはさらにD6を振る。出目は3なので【ワザマエ】は3だ。次の出目は4だったので、【ジツ】4と書こうとしたが、ニンジャマスターが注意した。「【ジツ】の値は出目から3を引いた値だよ」と。つまり、ボブのニンジャの正しい【ジツ】値は1である。

「……これで全部終わり? もうキャラが完成したってのか?」ボブはキャラメイクの手軽さに驚いた。

 ニンジャマスターは半分同意し「あとはジツを決めるだけだ。よく聞けボブ、おまえのニンジャは【ジツ】値が1以上ある。つまり、何らかのニンジャマジックを身につけている……!」と語った。

「ニンジャマジック……!」ボブはニンジャマスターと目を見合わせ、ゴクリと唾を飲み、額の汗を拭った。



1-5:ジツ系統の決定

【ジツ】値が1以上あるニンジャは、ここでジツ系統を決定する。【ジツ】値が2以上あるニンジャは、その系統のLV2、LV3などを獲得する(2つ以上の系統のジツを所持できるわけではないので注意)。【ジツ】値が0のキャラは、ここを読み飛ばして1-6に進むこと。なお、一度決定したジツ系統は変更できない。

出目:獲得するジツ系統とその概要
 1:カトン・ジツ:
広範囲火力系
 2:ヘンゲヨーカイ・ジツ:自己強化系
 3:カラテミサイル:遠隔攻撃系
 4:ムテキ・アティチュード:防御系
 5:カナシバリ・ジツ:精神攻撃/幻惑/毒系
 6:プレイヤーは1〜5の中から好きなジツを選んでよい


1-5-1:ジツの詳細

ここにはまだ解説していないルール用語もいくつか含まれている。キャラメイクの時点では、各ジツ系統のおおまかなイメージを掴んでおくだけで十分だ。

【ジツ】値1〜3で使用できるのは基礎のジツであり、正式名称としては『☆ヘンゲヨーカイ・ジツLV1』などと呼ばれる。また、ゲーム内で特定の効果を引用したい時に、ジツ系統名と【ジツ】値を合わせて、「カトン・ジツLV2相当の効果を発生させる」などの言い回しを使うこともある。


☆カトン・ジツ(LV1〜3)

このジツ系統を持つニンジャは、掌などから超自然的な火炎を発生させ、広範囲を瞬時に焼きはらう。グレネード弾に匹敵する爆発を至近距離に生み出す者もいる。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:隣接する3×3マス
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:範囲攻撃、火炎

術者と隣接している3x3マスの敵全員に1ダメージを与える(『回避:NORMAL』)。【ジツ】値2の場合、中心点の敵1体に1ではなくD3ダメージを与える。【ジツ】値3の場合、中心点の敵1体に1ではなくD6ダメージを与える(中心点のみ『回避:HARD』となる)。

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「隣接する3x3マス」とは上記のような範囲である

原則:D3やD6の固定値の選択:戦闘中、ダメージや強化量などをD3やD6で決めることになった場合、ダイスを振らず固定値を選んで、スピーディにゲームを進めてもよい(その都度決められる)。D3の固定値は2、D6の固定値は3とする。2DXや3DXの場合、これらを単純に倍化する。例えば2D3ならば固定値は4、3D6ならば固定値は9である。固定値の選択はあくまでも戦闘中のダメージ値などに関するルールであり、評価やカルマロンダリング、また『Wasshoi!判定』やエントリー決定表など、結果をランダムに決定するような時は使用できない。


☆ヘンゲヨーカイ・ジツ(LV1〜3)

このニンジャは獣人、悪魔、あるいは巨獣などの姿へと一時的に変身し、凄まじい肉弾戦闘能力を得る。これ以外にも、激情や憤怒の力によって瞬間的な剛力を得る者や、一時的な自己強化を得る者もいる。変身系のジツを使うニンジャの中には、平常時から身体の一部が獣や悪魔めいて異形化している者もいるだろう(それはルール的な有利不利をもたらすレベルではない)。

使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:精神力1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:変身、効果継続(Xターン)

このジツの効果が継続している間、術者は【カラテ】+3、【脚力】+2される(【体力】の増加はない。またこれは一時的な修正のため『●連続攻撃2』などを一時的に獲得することもできない)。装備は自動的に「素手&スリケン」固定となり、カタナなどは使用できない。

この効果はXターン後の手番開始フェイズまで継続する。Xの値は【ジツ】値に等しい。効果が終了するターンの手番開始フェイズに【精神力】を1支払うと、自動的にXターンだけ効果を延長できる。


☆カラテミサイル(LV1〜3)

遠隔攻撃系のジツ系統。このニンジャは神秘的なカラテの光球体を発射して敵を殺す。中にはカラテ光級の射出ではなく、サイコキネシスによって大量のスリケンやクナイを空中制御するようなニンジャも存在する。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:最大でジツ】値+1体までの敵(最大で4)
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:射撃(マルチターゲット)

発動すると、カラテミサイルのLV数+1個のカラテ光球が発射され、使用者から視線が通ってさえいれば、どれだけ離れていても自動的に命中する。ダメージはそれぞれ1である(『回避:NORMAL』)。複数の敵に振り分けても、1つの敵に集中してもよい(まとめて回避可能)。カラテミサイルは射撃系効果のため、ターゲットが隣接している場合には使用できない。このジツで射出できるカラテ光球の最大数は4個である。


☆ムテキ・アティチュード(LV1〜3)

ニンジャの肉体は一時的に岩や鉄のように硬くなり、銃弾すらも弾き返す。あるいは半ばトランス状態に入り、鉄壁のガードを行うニンジャもいる。いずれの場合も防御に集中するため、ほぼ身動き不能となってしまう。

使用タイミング:回避判定の代わり
コスト:精神力1
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:効果継続(次の手番開始フェイズまで)

手番かどうかに関わらず、術者は『回避判定』の代わりに、このジツの使用を試みられる。回避ダイスが残り0個の時や、本来は回避不能な条件下でも使用できる。

効果が継続している間、『ダメージ軽減1』を得る。【ジツ】値2の場合、これは『ダメージ軽減2』となる。【ジツ】値3の場合、これに加えて『即死耐性』を得る(『装甲貫通』などによって『ダメージ軽減0』になると一時的に『即死耐性』も失われる)。『即死耐性』ルールの内容はコアルールの『サツバツ!』を参照。

【ジツ】値に関わらず、このジツの効果が継続している間、術者は通常の『回避判定』を行えなくなる。

プレイ例:ボブのニンジャは残り【体力】2、残りの回避ダイス0個の状態で、クローンヤクザ軍団から一斉射撃を受けてしまった! クローンヤクザ軍団によるチャカガンの射撃は3発成功し、合計で3ダメージである。このままでは爆発四散の危険があるため、ボブは『☆ムテキ・アティチュードLV1』を発動させ『ダメージ軽減1』を得た。敵の射撃は1ダメージ×3なので、全てのダメージが無効化され、弾き返されたことになる。もしこれが敵ニンジャの『☆カトン・ジツLV2』による3ダメージ(3ダメージ×1)だったならば、ボブはそのうち2ダメージを軽減しきれず気絶していただろう。



☆カナシバリ・ジツ(LV1〜3)

ニンジャは目を妖しく輝かせ、相手の体を麻痺させる。もしくは超音波やテレパシーの投射、神経毒液の噴射等により、敵のニューロンを直接攻撃する。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:隣接する3×3マス
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:範囲攻撃、精神攻撃
 無効:「戦闘兵器」には効果を発揮しない

発動すると、術者と隣接した3x3マスの敵全員に『精神力ダメージ1』(『回避:NORMAL』)を与え、それがモブ敵ならばこのターンの手番を失わせる。このジツでモブ敵が【精神力】0となった場合、望むならば術者はそれらのモブ敵を直ちに戦闘不能状態にし、マップから取り除いてもよい。

【ジツ】値2の場合、効果範囲内の敵いずれか1体のみを『精神力ダメージD2』(『回避:HARD』)にできる。また、このジツを回避できなかった敵全員を、ターン終了まで『崩れ状態』(この状態の敵に対する攻撃/射撃は難易度-1)にする。

【ジツ】値3の場合、この『回避:HARD』に失敗した敵1体は、続けて【ニューロン】で『抵抗判定:HARD』を行わねばならず、失敗すると術者側の次の手番まで『拘束状態』(脱出判定不可)となる(それがモブ敵ならば戦闘不能とみなし取り除いてもよい)。この『拘束状態』にある者が新たにダメージを受けて【体力】/【精神力】を1以上失った場合、そのフェイズの終わりにこの『拘束状態』は自動的に解除される。


『拘束状態』:『拘束状態』の者をターゲットとした攻撃/射撃は、難易度が−1される。『拘束状態』にある者は、手番中に一切の移動ができず、あらゆる行動(回避含む)の難易度が+1され、『集中状態』にも入れない。

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隣接3x3マスの効果範囲は、カトン・ジツのものと同様。
ただし、中心点でなく好きな1体に麻痺効果を与えられる。

ジツの使用方法は?

 ジツを使用したい場合、指定されているタイミングで「ジツの使用」を宣言し、必要なコストを消費して『発動判定』を行う(これは『ジツ発動判定』と記載されることもある)。この判定に使う能力値は【ニューロン】+【ジツ】で……

「ちょっと待ってくれ、判定って何だ? どうやってジツの成功/失敗を決めるんだ? どうやれば僕のニンジャは情け容赦無いカラテで市民を殺したり万札を奪い取ることができるんだ? それにフェイズや回避ダイスもよくわからないぞ!」

「大丈夫だボブ、それらの詳細は、この後の2章で解説される!」




 ニンジャは常人の三倍の脚力でビルからビルへと飛び渡る

1-6:初期スキル

ニンジャの中には、モータル(常人)時代に習得した特殊技能や、ソウル憑依時に目覚めた「ジツと呼ぶほどではないが並外れた身体能力や特技」で戦う者もいる。これは、君のニンジャがジツを永遠に持てないという意味ではない。いずれソウルの力を引き出せるようになれば、何らかのジツに目覚める可能性もある。そこまで生き延びるために、これらのスキルが役に立つはずだ。

【ジツ】値1以上のキャラは、ここを読み飛ばして1-7へ進むこと。【ジツ】値0のニンジャは、以下のリストから好きなスキルを1個獲得できる。なお、一部のスキルはスターター環境では上位効果の記載を省略している。

出目:名称:効果の概要

1:『◉常人の三倍の脚力』:【脚力】+1、『連続側転判定』の難易度−1
2:『◉頑強なる肉体』:【体力】+2、『抵抗判定』強化
3:『◉ランスキック』:ワザ。弾き飛ばしを発生させる。
4:『◉魅了』:モータル1体を無力化する。
5:『◉ニンジャソウルの闇』:【体力】+1、『攻撃判定ダイス+1』、
    『射撃判定ダイス+1』、『ジツ発動判定ダイス+1』
6:『◉kill-9』(キルナイン):戦闘兵器やクローンヤクザに自爆命令を下す。

※ランダムに決めるのではなく、好きなスキルを1個選んでもよい。

1:『◉常人の三倍の脚力』:このニンジャは、モータルの肉体の限界をはるかに超える運動神経と脚力を有するのみならず、それを自らの武器として鍛え上げている。

この常時強化系スキルを持つ者は【脚力】が+1される。また『連続側転判定』の難易度が−1される。初期作成時は、キャラクターシート上の【脚力】欄に「N」と書かれている『連続側転判定』の難易度を「E」に書き換えること。

2:『◉頑強なる肉体』:このニンジャは、その見た目に反して(あるいは外見の通り)異常なまでの打たれ強さを誇る。ソウル憑依の影響により、2メートル超の巨体を得たものもいる。

この常時強化系スキルを持つ者は【体力】が+2される。また【カラテ】値を使った『抵抗判定』/『対抗判定』を強いられ、それが「毒」種別を持つ場合、追加でダイスを2個振れる。

3:『◉ランスキック』:このスキルを持つニンジャは足技に長け、ヤリめいた蹴りの一撃で敵を後方へと弾き飛ばす。スキルのより詳細なルールはコアデータを参照。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」開始直後
効果種別:ワザ、戦闘スタイル

現在装備している武器にかかわらず、以下の素手系戦闘スタイルを選択できる。他のワザを発生させることはできない。この攻撃に対してカウンターを受けた場合、回避不能となる。

『●戦闘スタイル:ランスキック』:【脚力】値で『攻撃判定:NORMAL』を行う。これは『●連続攻撃1(固定)』だが、【脚力】7以上の場合のみ『●連続攻撃2(固定)』も選択できる。この攻撃の基本ダメージは1固定である(『回避:NORMAL』)。回避されなかった場合、『サツバツ!』出目1の効果(『痛打』+『弾き飛ばし』)が自動的に発生する。この『攻撃判定』で『サツバツ!』が自然発生した場合、出目1を選ぶか、D6でランダムに決めるかを選択できる。

プレイ例:エミリーのニンジャは、敵のスモトリ(【体力】3)に対してランスキックの使用を宣言し、攻撃判定に成功。スモトリのすぐ後ろには壁があったため追加の叩きつけも発生し、「基本ダメージ1」+「痛打1」+「弾き飛ばしによる叩きつけダメージ1」=合計3ダメージを与えた。

4:『◉魅了』:このニンジャは超自然的なアトモスフィアを発散しており、モータル(常人)をたやすく魅了したり、あるいは威嚇するだけでNRSと呼ばれる恐慌状態に陥れたりする。両目が奇妙に発光していることも多い。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:1行動
ターゲット:6マス以内にいるモブ敵の「モータル」1体
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:精神攻撃

6マス以内にいて視線が通っているモブ敵モータル1体を、直ちに戦闘不能状態にし、マップから取り除く。効果を受けたモータルの描写は自由であり、魅了された状態になって立ち尽くしたり、失禁とともに気絶したり、狂ったように叫んで逃げ去ったり、あるいは恐怖で心停止する可能性もある。

【6,6】:直ちにターゲットを1体追加し、同じ効果を与える。ターゲット選定の条件は変わらない。

5:『◉ニンジャソウルの闇』:強大な力に身を委ねるのは簡単なことだ。そのような者はすぐに慢心し、暗黒カラテの力に溺れ、邪悪なニンジャと化してゆく。あるいは今まさに力の暴走に必死で抗っているところだ。

この常時強化系スキルを持つ者は【体力】+1、『攻撃判定ダイス+1』、『射撃判定ダイス+1』、『発動判定ダイス+1』を得る。ただし『Wasshoi!判定』時(エントリー効果決定時や標的ニンジャ決定時も含む)、この者の【DKK】値は本来より1高いとみなされてしまう。このスキルは複数個所持できる(初期作成時はもちろん1個だけである)。

6:『◉kill-9』(キルナイン):敵の電脳を遠隔ハックし、kill-9(キルナイン)系コマンドによる自爆命令を下す。敵がクローンヤクザであれば、装着しているサイバーサングラスなどを介して偽りの作戦命令を送り、自らの頭をチャカガンで撃ち抜かせる。

前提:▶︎生体LAN端子LV1以上(ない場合は判定難易度+1)
使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:1行動
ターゲット:「重サイバネ」/「戦闘兵器」/「クローンヤクザ」/「生体LAN端子を持つ者」いずれか1体(同じ部屋にいれば視線不要)
効果種別:ハッキング

【ニューロン】値で『ハッキング判定:HARD』を行う。成功した場合、ターゲットに『ダメージ軽減』不可の2ダメージを与える(『回避:NORMAL』)。これは射撃ではないため、隣接時のペナルティは存在しない。【ニューロン】7以上での上位効果はコアデータを参照。

貴方は借りられる:初期作成時に『◉kill-9』を選択する場合、初期サイバネとして『▶生体LAN端子LV1』のローン購入が推奨されます。実際安い!



オーガニック・スシは極めて稀少で高価なものだ

1-7:初期アイテム

ニンジャマスターが許可するならばD6を振り、以下の初期アイテムを1個獲得した状態でゲームを開始する。

出目:名称:効果の概要

1:家族の写真:つねに【精神力】+1、その他使い捨て効果あり
2:オーガニック・スシ:【体力】3回復(使い捨て)
3:トロ粉末:【精神力】2回復(使い捨て)
4:ウイルス入りフロッピー:ハッキング判定でダイス+3個(使い捨て)
5:ZBRアドレナリン注射器:『気絶状態』の仲間の蘇生、または自身の【脚力】強化(使い捨て)
6:カタナ:攻撃時に戦闘スタイルなどを選択できる(詳細はコアルールで)

原則:「1回限り」と「使い捨て」
一部の能力やアイテムは「1回限り」のルールを持つ。これはシーケンスの切り替えやリチャージなどの条件を満たせば再利用できる「戦闘中1回限り」/「シナリオ中1回限り」か、もしくは一度使用するとアイテム自体が完全に失われてしまう「使い捨て」に分類される。「使い捨て」とルールに書いてあれば、基本的にそれは「1回限り」の使用だ。スシやドラッグやウイルス入りフロッピーはいずれも「使い捨て」である。

1:家族の写真:家族や友人の写真、あるいは思い出の情報素子などを収めたオマモリ袋。このニンジャには色々と複雑な背景があり、それを支えに戦う者もいれば、苦悩しながら非道行為を行っている者もいる(もしくは自分をそう言い聞かせている)。

つねに【精神力】+1。以下のいずれかの方法で、「使い捨て」の回復アイテムとしても使用できる(使用後完全に失われる):

効果1:自分の手番かどうかを問わず、【DKK】獲得直後、または『Wasshoi!判定』が行われる直前に使用を宣言し、現在の自分自身の【DKK】値を0にする。

効果2:【精神力】を直ちに4回復する。これは「瞬時行動」ですらなく、手番以外でもあらゆるタイミングに割り込んで使用できる(『ニンジャ耐久力の発露』時にも使用できる)。

@YCNAN:本当にあなたの家族かしら?

2:オーガニック・スシ:スシはニンジャの完全食であり、タクティカルタッパーなどに入れて携行されることが多い。

手番の「移動フェイズ」または「攻撃フェイズ」に、「1行動」を消費して使用。【体力】3回復(初期値を超えての回復はしない)。このアイテムは一度使用すると失われる。

3:トロ粉末:ドラッグの一種。マグロから抽出されたトロ粉末にはニューロン活性化成分が含まれており、ハッカーの多くがビズ用に携行している。通常は鼻から直接吸引して使用する。

手番の「移動フェイズ」または「攻撃フェイズ」に、「1行動」を消費して使用。【精神力】2回復(初期値を超えての回復はしない)。このアイテムは一度使用すると失われる。

4:ウィルス入りフロッピー:UNIXウイルスを作成する知識の大半はY2Kの混乱と電子戦争の中で失われてしまったが、ネオサイタマの闇市場ではウィッチらの手で作られた危険なウイルス入り素子が販売されている。多くの場合はフロッピーだが、MOやさらに小型の素子も存在する。

あらゆるハッキング系の判定に使用できる。判定の直前に使用を宣言すること。使用すると、その『ハッキング判定』でダイスが+3個される。このアイテムは一度使用すると失われる。

5:ZBRアドレナリン注射器:ドラッグの一種。ZBRアドレナリンを注入すれば、心停止状態からも即座に蘇生できる。

手番の「移動フェイズ」または「攻撃フェイズ」に「1行動」を消費し、いずれかの「使い捨て」効果を使用できる(このアイテムは使用後失われる):

効果1:戦闘終了まで【脚力】+1。

効果2:隣接する味方(『気絶状態』の者に限る)に使用すると、そのキャラは直ちに【体力】1、【精神力】0の状態で蘇生する。

6:カタナ:カカタナはニンジャが用いる最も一般的な近接武器だ。金属バット、トンファー、マチェット、ニンジャソード、カマ、タント、ヌンチャク、サーベルなど、一般的な白兵戦武器やニンジャ武器の名前に読み替えても構わない(読み替えてもルールは同じである)。

カタナはニンジャが用いる最も一般的な近接武器だ

カタナ(標準近接武器)のルール

カタナを装備しているキャラは、いくつかの装備ボーナスと装備ペナルティを得る。また攻撃時に通常の攻撃を行うか、戦闘スタイルを使用するか選択できる。例えば『強攻撃』を選択した場合、敵に与えるダメージは合計で2(1+痛打1)となる。詳細はコアルールで解説される。

所持ペナルティ:なし
装備時ペナルティ:連続側転難易度+1
ダメージと基本攻撃難易度:1ダメージ、NORMAL

◇装備時の獲得スタイル◇
『●戦闘スタイル:強攻撃』:
全攻撃が『攻撃判定』難易度+1となり、全攻撃が『痛打+1』となる。連続攻撃上限3。
『●戦闘スタイル:精密攻撃』:【ワザマエ】値で『攻撃判定』を行う。『サツバツ!』は【6,6,6】、『ナムアミダブツ!』は【6,6,6,6】となる。いずれの場合も『痛打』は発生しない。

連続攻撃上限3の記述はスターターの段階では無視する。
(このルールは『連続攻撃』自体をもたらすものではなく、制限するものだ)


オプション:初期知識スキルの獲得

どのような作成方法であれ、PCは初期作成時に知識スキルを1個得られる。マスターが許可するならば、このタイミングで以下に収録された知識スキルを1個獲得してもよい(ランダムか任意かはマスターが決定する)。知識系スキルをキャラクターシートにメモする時は『◉知識:ストリートの流儀』のように表記する。

ランダム決定の場合はD6を2回振り、1個目が10の位、2個目が1の位となる。
知識系スキルをキャラクタシートにメモする時は『◉知識:ストリートの流儀』のように表記する。

D1X:流儀系
 11:ストリートの流儀 :困窮の中でたくましく生き抜く知恵、義理や人情、筋の通し方などについて
 12:ヤクザの流儀 :スラング、ソンケイ、矜持、裏社会の掟、犯罪組織との付き合い方などについて
 13:公僕の流儀 :警察機構、軍人、政治家、官僚などの流儀や、それらとの付き合い方について
 14:ハッカーの流儀 :ハッカーの尊ぶ自由な気質、スラング、有名なハッカーの名前などについて
 15:サラリマンの流儀 :役員から下級サラリマンまで、組織人としてのビジネスマナーについて
 16:貴族の流儀 :礼儀正しさ、作法、故事の引用、貴族的な言葉遣いや立ち振る舞いについて

D2X:ギア系
 21:銃器 :伝統的銃器、手入れ方法、カスタムパーツ、最新鋭銃器の噂などについて
 22:サイバネティクス :医療用、戦闘用、神経接続技術の基礎、最新鋭フレームの噂などについて
 23:ビークル :バイク、車、サイバー馬など、小〜中型サイズのあらゆる乗り物について
 24:大型兵器 :ステルス戦闘機、戦艦、などについて
 25:テックガジェット :近接テック武器、ウェアラブルUNIX、違法基板などについて
 26:電子ウイルス :ハック用ウイルスの種別、旧世紀ウイルスの購入ルートなどについて

D3X:趣味系
 31:ファッション :ストリートファッションからハイファッションまで、品定めや着こなしを含む
 32:現代的アート :ロック音楽、クラブ音楽、グラフィティ、コンテンポラリーアートなどについて
 33:伝統的アート :ショドー、ハイク、茶の作法、カブキ、刀剣や茶器などの古美術品について
 34:スポーツ :野球、アメフト、チア、電子ゲーム、格闘技、ヤブサメなどについて
 35:高級嗜好品 :葉巻、アルマーニ、革靴、宝石、酒、高級車、オーガニックスシなどについて
 36:オイランドロイド :ドロイド、人工知能、アイドル、ショウビジネス、ヘンタイなどについて

D4X:組織系
 41:重工系メガコーポ :オムラ社、オナタカミ社、アマテラス社、カタナ社などの内部事情や新製品
 42:バイオ系メガコーポ :ヨロシ社、リロン社、ケモ社、オムラ・メディテック社などの内部事情や新製品
 43:ソウカイヤ :ソウカイヤの内情、友好関係、その他様々な組織内醜聞について
 44:ザイバツ :ザイバツの派閥構造の噂、その他様々な組織内醜聞について
 45:アマクダリ :アマクダリの組織構造と謎めいた幹部らについての噂
 46:独立小組織 :ニチョーム、シマナガシ、KMC、INW、ドラゴン・ドージョーなどの噂

D5X:シノギ系
 51:ドラッグ :オハギ、メン・タイ、シャカリキ、電脳ドラッグ、違法メガデモ、売人、精製法などについて
 52:犯罪 :軽犯罪のノウハウや関わる法律、有名な犯罪組織、犯罪者の行動心理などについて
 53:セキュリティ :車や商店やオフィスなどの一般的な盗難セキュリティと、その対処方法などについて
 54:宗教 :ブディズム、伝統的キリスト教、シントー、それら全ての習合物などについて
 55:オカルト :反ブディズム、悪魔信仰、あるいはデジタルオーディンや論理聖教などの新興宗教
 56:危険生物 :土着危険生物、UMA、バイオ生物、クローンヤクザやバイオスモトリなどについて

D6X:地域系
 61:カチグミエリア :華やかなカチグミ向け商業施設や高級住宅地、カスミガセキ・ジグラットなど
 62:水路港湾エリア :埠頭、湾岸地区、タマ・リバー工業水路網、および船舶や艦船について
 63:旧世紀地下道網 :地下下水道ネットワーク、ツキジ地下ダンジョン、ロービットマインなど
 64:山岳エリア :フジサン周辺、中国地方、ヤマ山地、あるいは岡山県の山岳地帯などについて
 65:IRCネットワーク :IRCネット、およびハッカーが視る無限地平コトダマ空間などの伝説について
 66:古代ニンジャ文明 :自ら調べた禁断の歴史、あるいはソウルがもたらす断片的なビジョン

知識スキルの詳細なルールはマスター・セクションにおさめられているが、これが初めてのゲームならば、特に使い方を気にせず、単なる背景設定として書いておくだけでよい。また、手早くゲームを開始したい場合、この段階では初期知識スキルを持たず、導入シナリオなどが終わった時点で1個だけフリー獲得させるのがいいだろう。

プレイ例:ボブは初期知識スキルをD66で決めることにした。最初のD6の出目は5、次の出目は6。よって結果は出目56の『◉知識:危険生物』となる。ボブはマスターと話し合い「ニンジャになる前は港湾エリアでバイオシャークを狩る危険生物ハンターをしていた」という背景を考えた。そこから連想して「片腕をサメに食われて失ったので腕をサイバネ化している」というアイディアも思いついた。ボブはこのキャラに愛着が湧いたので、成長したらいずれ『◉知識:水路港湾エリア』も取得させるつもりだ。


テッコは電子戦争時代に普及した、腕部置換型の白兵戦闘用サイバネだ

1-8:初期サイバネ

電子戦争の終結は、大量の払い下げ軍用サイバネを裏社会に流通させることとなり、従来の倫理観を侵食していった。現在のネオサイタマでは再生医療や義肢/義体化テックが異常発達している。頭蓋内に生体LAN端子や電脳をインプラントするだけでなく、健常な身体器官を切除して高性能なサイバネ製品を埋め込む手術は、市民の間でも一般的に行われている。女子高生が日帰りでサイバネアイをインプラントすることも珍しくない。

望むならば、君はキャラメイクの時点で以下の中から好きなサイバネを1個だけ選び、肉体を戦闘サイバネ化した状態でゲームを開始してもよい。これらの戦闘用サイバネの価格は【万札】10だ(バイオサイバネは本来【万札】20だが特例として【万札】10とみなす)。不足金額は『ふわふわローン』扱いとなり、シナリオ終了時に利子をつけて【万札】12で返済しなければならない。

名称:効果の概要
▶︎テッコLV1:【カラテ】判定ダイス+1個、回避ダイス+1個
▶︎ヒキャクLV1:【脚力】+1、回避ダイス+1個
▶︎サイバネアイLV1:【ワザマエ】判定ダイス+1個、『射撃判定』でダイス+1個、この2つは射撃時積み重なる
▶︎生体LAN端子LV1:【ニューロン】判定ダイス+2個、イニシアチブ値+1
▶︎クロームハートLV1:【体力】+1、【精神力】+1
▲▲戦闘用バイオサイバネLV1:近接攻撃時のダメージ+1、交渉難易度+1


注意:ランダム作成方式から戦闘用バイオサイバネを選んだ場合、
         初期装備アイテムと初期スキルを全て捨てること。

1:▶︎テッコLV1:電子戦争時代に普及した白兵戦闘用サイバネであり、片腕の肘から先を戦闘用ガントレットアームに置換するものが一般的である。各種腕部サイバネ増設の基礎にもなる。

腕部用サイバネ。【カラテ】のみを使用する全ての判定(『攻撃判定』や『脱出判定』など)において、振れるダイスが+1個される。加えて、各ターン開始時に得られる回避ダイスが1個増える。【体力】は増加しない。

早見表上は【攻撃】+1、【回避】+1となる。

2:▶︎ヒキャクLV1:脚部用の戦闘サイバネの総称。高速移動を可能とするだけでなく、脚を用いた格闘時の有利など、装着者の脚力全般を強化する。

【脚力】が+1される。加えて、各ターンの開始時に得られる回避ダイスが1個増える。

早見表上は【脚力】+1、【回避】+1となる。


3:▶︎サイバネアイLV1:サイバネアイは眼球を置換(または網膜内に埋め込む)サイバネギアだ。網膜ディスプレイ機能、赤外線視、ズーム機能、水平制御センサー、ターゲッター、映像記録機能、移動パターン解析、弾道予測機能までも備える。

【ワザマエ】のみを使用する全ての判定(『連続側転判定』や『交渉判定』および精密攻撃時の『攻撃判定』など)でダイスが+1個される。また全ての『射撃判定』でダイスが+1個される。それが【ワザマエ】を用いた通常の『射撃判定』ならば、この2つは積み重なる。

早見表上は【射撃】+2、【精密】+1、【側転】+1となる。

4:▶︎生体LAN端子LV1:脳内UNIXとUNIX端末をLANケーブルで直結接続し、IRCネットワーク上での論理タイプを可能にするインプラント。多くは後頭部や側頭部、あるいは前頭葉に外科手術で開けられる。多くのハッカーがこれを有する。脳内UNIXの搭載とセットになる場合が多く、精神反応速度も向上する。無線接続ユニットは標準で内蔵されている。

イニシアチブ値+1。【ニューロン】のみを使用する全ての判定(『知識判定』や『ハッキング判定』など。『ジツ発動判定』は【ジツ】値も使うため不可)において、ダイスが+2個される。電脳化を前提とする電子ドラッグや能力を使用できるようになる。【精神力】は増加しない。

早見表上は【機先】+1、【電脳】+2となる。

5:▶︎クロームハートLV1:心臓部のサイバネ化。血流内アドレナリン制御機能、自動ZBR投与機能を持つ。さらに胸骨も金属シェルによって覆われ、銃弾を受けても弾き返す。

このサイバネを持つ者は【体力】+1、【精神力】+1。

6:▲▲戦闘用バイオサイバネLV1:腕や頭を危険バイオ生物(コブラ、サメ、ライオン、甲虫、イカ、ロブスターなど任意の危険生物)へと置換する、極めて危険なバイオサイバネ。

このサイバネを持つ者は「バイオ武器LV1」を得るが、あらゆる『交渉判定』の難易度が+1されてしまう。この武器の装備中は、『近接攻撃』で敵に与える基本ダメージが1ではなく2となる。「バイオ武器」の詳細ルールはコアデータにあるが、最初のゲームでは詳細を無視して、単純に「近接攻撃が2ダメージ」として扱えばよい。




1-9:キャラクターシートの仕上げ

これで君のニンジャの能力値などは全て決定した。最後に、ゲーム中によく参照する8種類の判定ダイス数早見表、そして即応ダイスと緊急回避ダイスの数を記入しておこう。詳細はコアルール以降に解説されるので、今はただ数を書いておくだけでOKだ。

◆ファイアイーター (種別:ニンジャ)  DKK:0  名声:1   所属:ソウカイヤ
カラテ    5  体力   5
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   3/N
ジツ     1  万札   0

攻撃/射撃/機先/電脳  ?/?/?/?
回避/精密/側転/発動  ?/?/?/?
即応ダイス:?  緊急回避ダイス:?

◇装備や特記事項
▶︎テッコLV1:腕部用サイバネ
カタナ:標準近接武器
☆カトン・ジツLV1:隣接する3x3マスの敵全員に1ダメージを与える

上のキャラクターシートの「?」部分に入る数字を考えていこう。基本的には下の表と君のニンジャの能力値を見て、各判定ダイスの「紐づいている能力値」の数をそのまま書いていくだけで完成する。サイバネやスキルなどで判定ダイス数に修正を得ている場合は、それも反映しておこう。

判定ダイス早見表の読み方

略称:判定名などの詳細:紐づいている能力値
攻撃:攻撃判定(近接攻撃判定)ダイス数:カラテ
射撃:射撃判定ダイス数:ワザマエ
機先:イニシアチブ値:ニューロン
電脳:ハッキング判定ダイス数:ニューロン
回避:回避判定用の基本ダイス数:最も高い能力値
精密:精密攻撃系スタイル使用時の攻撃判定ダイス数:ワザマエ
側転:連続側転判定ダイス数:ワザマエ
発動:ジツ発動判定ダイス数:ジツ+ニューロン


即応ダイスと緊急回避ダイス
初期作成時の即応ダイス数は5、緊急回避ダイス数は0と書き込んでおけばよい。初期作成時に「カタナ」「ウイルス入りフロッピー」「戦闘用バイオサイバネ」を選んでいた場合のみ、即応ダイスは5でなく4となる(これらの中から2個選んでいた場合は3となる)。即応ダイスと緊急回避ダイスは最初のプレイ時は使用しないので、まだ詳細なルールを覚える必要はない。

プレイ例:ボブは自分が作った「ファイアイーター」のシートを仕上げるため、「攻撃/射撃/機先/電脳/回避/精密/側転/発動」の8項目について、それぞれに対応する能力値を調べていった。「攻撃」の項目は【カラテ】に紐づいているので、【カラテ】値の5、それにテッコLV1による+1を追加して、6と記入した。「射撃」は【ワザマエ】値の3をそのまま記入する。「機先」と「電脳」はどちらも【ニューロン】値の1を記入。「回避」は最も高い【カラテ】値の5に、テッコLV1による+1を追加して6。「精密」と「側転」は【ワザマエ】値の3をそのまま記入する。「発動」は【ニューロン】+【ジツ】なので2を記入する(かなり低い)。最後に、ボブのキャラは初期アイテムとしてカタナを選んでいるので、即応ダイス4、緊急回避ダイス0と書いて、判定ダイス早見表を全て完成させた。


できた!

仕上げとして、サイバネ、装備、ジツ、スキルなどの効果も簡単にメモしておこう。容姿や服装などは自由に決められるので、それらの情報を書いておくのもいいことだ。君が思い描いたキャライメージを他のプレイヤーやマスターと​共有しておくことは、多人数プレイのゲームをよりスムーズに、より楽しいものにしてくれる!

◆ファイアイーター (種別:ニンジャ)  DKK:0  名声:1   所属:ソウカイヤ
カラテ    5  体力   5
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   3/N
ジツ     1  万札   0*

攻撃/射撃/機先/電脳  6/3/1/1
回避/精密/側転/発動  6/3/3/2
即応ダイス:4  緊急回避ダイス:0

◇装備や特記事項
 ▶︎テッコLV1: 腕部サイバネ。【カラテ】を使用する判定にダイス+1。各ターン開始時に得られる『回避ダイス』に+1。
 カタナ: 標準近接武器。装備時は『連続側転難易度』+1。『強攻撃』と『精密攻撃』の戦闘スタイルを選択可能。
 ☆カトン・ジツLV1: 隣接する3x3マスの敵全員に1ダメージを与える。
 ◉知識:危険生物(特にサメ)


◇その他のメモ
俺は赤いドレッドヘアのタフガイで、そのメンポは漆黒。
使い込んだレザージャケットとストリートウェアに身を包んでいる。
ニンジャになる前は港湾エリアでバイオシャークを狩る危険生物ハンターをしていた。
この右腕はサメに食われて失ったのでサイバネ化している。
普段は素手で戦い、カタナは手強い相手にだけ使用する。
奥の手のカトン・ジツを喰らいたくないなら、あまり俺を怒らせないほうがいいだろうな。


*ふわふわローンあり(【万札】12の返済が必要)


おめでとう、これで君のニンジャが完成した。電脳メガロシティのネオンの海へとダイヴする時だ!

ここはネオサイタマ。欲望渦巻くケオスの都市だ。

@YCNAN:おつかれさま。続く2章では、行動の宣言や判定などのコアルールが解説されている。私が何者で、どこから話しかけているか? それはまだ秘密ね。

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