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2016年10月26日発売「ハーン・ザ・ラストハンター」の見本誌ができたこと。装丁デザイン担当のナルティスさん事務所を訪問したこと。

「ハーン」の見本誌が出来上がったので、昨日受け取ってきました。ワオワオ! 暗めのお店だったので見えにくいかもしれないですが、特色黄色がすごい! 店頭ではめちゃくちゃ目立つと思います。

そして中身は、こんな感じです。紙の色はクリームがかっており、パルプ感と読みやすさが両立されています。

「ハーン:ザ・デストロイヤー」から。このミンチョ体が非常にかっこよく、セクシーです。ゲラの時点で俺が「なんですかこのミンチョ体フォントめちゃくちゃかっこいいんですけどなんですか」と何度も言っていたところ、編集さんが改めて調べてくれまして、秀英明朝というミンチョでした。いいフォント選んでいただき嬉しい限りです。こういうフォント選定とかレイアウトもデザイナーさんの領分なわけです。

これは「エミリー・ウィズ・アイアンドレス センパイポカリプス・ナウ!」の解説! 各小説の後には、作品解題コーナーがあります。収録しきれなかった有名エピソードや、キャラクターや、作者来歴などが含まれています。翻訳アンソロジーだと普通こういうのは巻末にくるものですが、編集I氏のアイディアもあり、上下に色を入れつつ各小説の直後に入っています。解説まで含めてひとつのセクションという感じで、とても面白い仕上がりになっています。


異質なんだけれど筋が通っているものにしたい

我々も物理書籍を作るようになるまで全然知識がなかったんですが、物理書籍作りというのは作家と編集さんとイラストレータさんだけでなく、デザイナーさんが加わるわけです。今回のデザインは、ナルティスというデザイン事務所さんに作成していただくことになりました。マンガを中心にデザインされている事務所さんです。「ハーン」のようなサイズの書籍だとやはり一般小説よりもポップで目立つデザインが良いですよね的な話をしていたところ、I編集氏からナルティスさんでどうでしょう的な提案をいただいたわけです。

写真が出てきたので貼っておきます。2016年6月頃に俺と本兌、それから筑摩の編集者の方や久正人さんも交えてナルティスさんのオフィスに向かい、デザイナーの方と色々「こんな物理書籍にしたい」という打ち合わせをしたわけです。「パルプなのをやりたいけど、古臭いのは嫌だよね」「懐古趣味っぽすぎないポップさが欲しいです」「でも物理的に所持したくなるような、ちょっと変わったデザインがいいよね」「なんかこうフォントは格調高いけど固すぎないのがいい」「異質なんだけどちゃんと筋が通ってる感じ」的なフワっとした話を我々が好き勝手にしていると、デザイナーさんが色々サンプルとかをその場で提示してくれて、次第に形になっていく感じです。凄く楽しかったです。そしてこの会議中、我々四人とも周りが気になっていたのですが。

というのもオフィス内がこんな感じで、今までに装丁を担当された漫画家さんの描き下ろしボードが所狭しと飾ってあるのだった。ワオワオ!

物凄い数が飾ってあったので、その一部だけ写真を貼っておきます。

というわけで、当然ながら久さんにも。

物凄い速さでキュカキュカと「ハーン」を描いていただきました。

ボンド=サンが日本にいないのが残念ですが、せっかくなのでダイハードテイルズもサインを書き加えて、ナルティスさんの事務所に飾るボードのひとつに。我々四人は打ち合わせ後も案の定、パシャパシャと事務所内のキャンバス写真を撮っていたのでした。

ちなみにナルティスさんのHPには「キャンバス日誌」というコーナーがあり、そこに色々な作家さんのキャンバス作成レポが載っていますので、興味のある方はどうぞ。

というわけで、見本誌とか社会見学のレポでした。同時発売の電子もいいものですが、物理書籍も手間のかかった良いデザインなのでぜひ読んでみてください。特に表紙の黄色さとミンチョ体が凄くいいです。異質なんだけれど、ちゃんと筋が通っている、そんな感じの良いパルプに仕上がったと思います。ナルティスさん、ありがとうございました。

(杉)

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