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2018ねんエイプリルフールきかく:ニンジャスレイヤリー


編集部より:このコンテンツは、2018年のエイプリルフール企画として連載されたものです。かわいいね!


 チャオ! えへへ、ちょっと緊張しちゃう。私、シャイニーテイル。キャンディウッド・フォレストのワンダーミント学園に通うニンニーだよ。えへへ、ニンニーはニンフの一種で、とってもかわいいんだよ。肌の色はパステルカラーなの。ここでは皆が楽しく暮らしているよ。私はそんなにかわいくないほうだけど。

 私みたいな弱いニンニーと違って、ピンキーキャンドルはバラ色で素敵!とっても憧れちゃう。いわばワンダーミント学園の女王ね。この学校の人間関係はすごいピラミッド構造になっているよ! みんなもそうでしょ? だけど転校生のニンジャスレイヤリーは、あんまりそういうのピンと来ないみたい!

 ニンジャスレイヤリーはキャンディウッド・フォレストの深いところに住んでいて、毎日昆虫を追いかけて暮らしてたんだって。すごいよね! でもタキおじさんに引き取られて、この学園に引っ越してきたわ。席が隣同士になったから、私達、すぐに友達になったわ! でも心配!あの子、ケンカっ早いから……!


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🍰🍬🍭ニンジャスレイヤリー🍰🍬🍭

🍰🍬🍭だい2わ:プロムで大変!🍰🍬🍭


 今日もワンダーミント学園は大はしゃぎ! ほら、みてごらん。ニンニー達が次々にマシュマロバスに乗って登校してくるよ。「チャオ!」「チャオ!」アイサツしながら、いちごフレーバーの校舎に入っていくね! ニンニーは皆かわいいね!

 そんななか、凄いリムジンが入って来たよ! ドアが開いたらレッドカーペットが伸びていって校舎まで!「お嬢様、どうぞ!」クローン執事たちが頭を下げたら、すっごい可愛いピンキーキャンドルが誇らしげに降りてきたぞ! 七色のオーラが放射されて、他のニンニー達は眩しさにびっくり!

「チャオ! ピンキーキャンドル」「チャオ!」ピンキーキャンドルは他のニンニー達に手を振りながらレッドカーペットの上を歩いていくよ。このカーペットの上を歩いていいのはピンキーキャンドルと二人の取り巻きだけだよ。シュガーシンフォニーとラブリーティント! かわいいね!

「あなた、どきなさいよ!」「ヒエッ!」カーペットから逃げ遅れたのろまな雑魚ニンニーを蹴散らすのがシュガーシンフォニーとラブリーティントの役目なんだ。こういう時にうまく立ち回れないのが下位を下位たらしめる現実なんだ!「そこのあなたもどきなさい!」「どうして?」あっ!

 カーペットを踏んで平気な顔をしているのは転校生のニンジャスレイヤリーだ! さすがに登校ニンニーたちがざわついた。「どきなさいよ」「だから、どうしてよ」「えっ? どうしてって」シュガーシンフォニーは不安そうにラブリーティントを見た。決まりだと思っていたから、理由はよくわからないんだ。

「どうしてかな?」シュガーシンフォニーは震え出した。「そ、そういうことになってるからよ!」ラブリーティントは強く出た。「とにかくどきなさいよ!」ニンジャスレイヤリーを押し退けようとする。「いやよ!」「アーッ!」ニンジャスレイヤリーはビンタした! かわいいね!

「ちょ、ちょっと! まずいよ!」友達のシャイニーテイルはニンジャスレイヤリーを止めようとしたが、レッドカーペットを踏まないように気を付けているから近づけないんだ。ピンキーキャンドルの表情がみるみるうちに怒りに染まっていった。かわいい! でも危ないよ!「どういうつもりかしら?」

「この通学路はみんなのものでしょ」「フン……あなた、たしか転校生?使えないコイツらと違って賢そうね(ここで取り巻きの二人はしょんぼりした)。気に入ったわ。私の取り巻きにしてあげてもよくってよ!」「エッ! ピンキーキャンドル、本気?」「そんなあ!」「お黙り! 使えないんだから」

「友情は対等の関係において生じる……ルソー」ニンジャスレイヤリーは言った。「えっ? ルソー?」「高慢ちきなお嬢さんなんて、願い下げよ。遅刻しちゃう。行こうシャイニーテイル!」「う、うん」わなわなと震えるピンキーキャンドルとどうしたらいいかわからない取り巻きを置いて去っちゃった!

「まったく朝から困ったものよね!」「でも今のはまずかったよニンジャスレイヤリー」シャイニーテイルは気が気じゃないんだ。自分もいじめられるかもしれない……でもニンジャスレイヤリーはいい子だし、かわいいんだ。だからうまい落としどころを見つけてあげたいところ!

「ねえ、シャイニーテイルはお菓子作りが得意なの? 昨日食べさせてくれたポップシュガーパンケーキがとってもおいしかった!」「エッ!」シャイニーテイルは照れた。隣に住んでいるから引っ越しの挨拶でお菓子を作って持って行ったんだよね! かわいい!「いつでも作ってあげるよ」「やったあ!」

 ……と、そこに通りかかったのはクラスメートのジェイソン!「チャオ! ジェイソン」「チャオ、ニンジャスレイヤリー」シャイニーテイルは後ろに隠れた。「チャ、チャオ……」「チャオ、シャイニーテイル」ジェイソンはそんな彼女にもちゃんと手を振った。やさしいね! ニンジャスレイヤリーはピンと来た。

 校舎に入ったところにある例のロッカーのやつのところで、ニンジャスレイヤリーはシャイニーテイルに囁いた。「あなた、ジェイソンの事が好きなんでしょ」「エッ!」図星! かわいいね!「でででで、ででででも私、私みたいな下級ニンニーじゃ、ジェイソンには釣り合わないから……」

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