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サムライニンジャスレイヤー 【ウェイ・ダウン・トゥ・ヘル】 #3

【ひとつ前の連載分へ】

 

「ドーモ、ヘルカイト=サン、ニンジャスレイヤーです。その首、貰い受ける……!」

 キルジマは空を舞う大凧に向かって叫んだ。腰だめ姿勢を取り、破れ霞を構えると、敵の手に握られたクナイを睨んだ。

「逃げぬとは、愚かの極み……!」ヘルカイトは地上の獲物を睨み、嘲笑った。その笑いには、怒りすら込められていた。

 ヘルカイトが得意とする低空飛行からのクナイ掃射……すなわちサミダレ・ダートは、ニンジャ同士の戦闘において圧倒的なまでのアドバンテージを誇る。雨の如く、ほぼ垂直に降りそそぐクナイに対して、居合道や柔術のカラテ対空技はなにひとつ正しく機能せず、ニンジャ反射神経の最後の切り札たる海老反り回避すらも通用しない。むしろ海老反り回避を行えば、垂直方向に対する被弾面積が上がり、自殺行為とすら云えよう。この動かしがたい事実を前に戦意喪失し、背を見せ逃げ出す事こそが、サミダレ・ダートに対する正しい礼儀なのだ。

 それを、ニンジャスレイヤーは再びあの粗末な刀一本とカラテで凌ごうという。その試みは、ヘルカイトにとって侮辱にも等しかった。

「その傲慢さを自ら呪うがいい! イヤーッ!」ヘルカイトの不吉な影が、ニンジャスレイヤーの上空を横切った。両腕が閃いた。サミダレ・ダートが降り注ぐ。ニンジャスレイヤーの全身を、ニンジャアドレナリンが駆け巡った。降り注ぐクナイの軌跡が、スローモーションめいて見えた。

「イヤッー!」キルジマは右手に憎悪を、左手に殺意を込め、体を捻り、海老反り回避を行いながら、刀を横一文字に振った。鋭い金属音。腕が痺れるほどの手応え。

 クナイの一本が、刀で弾かれた。甲高い唸りとともに、クナイは空へ。そしてヘルカイトの大凧めがけ、一直線に飛んだ!

「何だと!?」ヘルカイトは飛来するクナイを察知するやいなや、大凧をキリモミ回転させ、緊急回避。鋼鉄ダートはヘルカイトの脚のすぐ横を掠め、ギュンと彼方へ飛び去った。大凧の強化和紙に、穴を穿ちながら。

「おのれ、ニンジャスレイヤー=サン……!」ヘルカイトはその穴に触れ、懐から取り出した粘着アマニ油紙を貼って対処した。この程度の傷は大凧の飛行能力をいささかも減じはしない。だが地上からの迎撃で凧を傷つけられたという事実は、ヘルカイトにとって耐えがたい屈辱であった。

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