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逆噴射小説大賞2021:結果発表
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逆噴射小説大賞2021:結果発表

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Coronaを奪い合い冒頭800文字でしのぎを削る「逆噴射小説大賞2021」、その最終結果を発表いたします。今回の「募集要項」と「一次選考&二次選考結果」はリンク先をチェックしてください。

今年は初めて「大賞1本」+「奨励賞2本」の3本入賞となりました。大賞受賞者には副賞としてフルコロナ(24本)が、奨励賞の2名にも小さなコロナ(6本)が贈呈されます。それでは早速、大賞受賞作品の発表を行います!


🌵🍺🌵大賞受賞作品🌵🍺🌵


🌵🌵🌵🌞🌵🌵🌵


逆噴射聡一郎先生のコメント:全てが完璧だった。地に足のついた重厚なストーリーテリングで、そこには圧倒的なスピード感や八方破れの勢いがあるわけではないが、それだけがパルプではないことを、この作品は見ごとに証明している。ベルトに重いGUNを吊り下げMEXICOの荒野を確かな足取りで歩み続ける真の男のような風格がある。真の男なので余計な贅肉は削ぎ落とされ一行も無駄がなく、しかしテンポやウィットは損なわれていない。そしてSSとして完結せず、800文字の終わりなどというチャラチャラした看板には目もくれず、物語は歩き続け、完璧すぎない形で800文字を終わらせている・・・・。この小説大賞において、これはまるで文句のつけようがない作品と言える。

頭から見ていこう。まず、五感に一気に訴えかける出だしで、完全におまえは胸ぐらを掴まれてMEXICOに連行される。自分もこの部隊の一人になって異界の景色を見ているかのような臨場感と辛さを味わえるだろう。『薄火点』とゆうタイトルも過不足なく良い。これが普通に『発火点』だったら、奨励賞とまではいかないにせよ、大賞の確実性をすこし揺るがせていたかもしれない。そのくらいタイトルも大切だ。ヒキの「1人多い」もサラリと書かれており、かつ、そもそもの前提として「魅力的かつ過酷な状況」があるからこそ、「1人多い」ことがSS的な過剰な「オチ」にはなっておらず、淡々とこの物語が進行してゆくのだとゆう懐の深さと、真の男の足取りを感じさせる。

つけ加えると、この作品は今年のすべての応募作の中で、圧倒的な情報量だった。おれも最初読んだとき「さすがに1000文字くらいあるんじゃないか?」とおもって全文をWordにコピッペして文字数をはかったくらい、情報の圧縮率が高く、かつサッと読んだだけではその圧縮に気づかないほど自然なストーリーテリングになっている。これは情報量がすごければ勝てるとゆう賞ではないが、それでもすごいものはすごいので、ここに書いておく。

おそらく作者は初期からの逆噴射小説大賞応募者だと思うが、これまでの作品は、魅力的な舞台設定こそあったが、それとドラマの融合がイマイチであった。今回はその歯車が完璧にガッチリと噛み合って小説がドライヴしているのを感じる。ドライヴする、とゆうと、狂ったスポーツカーのような速度で突っ走るものだと思われがちだが、必ずしもそうではない。ギアが噛み合って走る心地よさは、重戦車や巨大トレーラーにも存在する。大切なのは、そのギアが噛み合っているとゆうこと。そして最高速への心地よい盛り上がりを予感させることだ。真の男はそのメカニズムの駆動と予感に興奮する。今回のこの作品は、重厚な設定と語り口でどのようにドライヴ感を生み出すかを追求したパルプ作品の好例と言えるだろう。CORONAを飲みほし、ぜひ完成させてほしい。

また、今回の2021ではこの作品に限らず、何度かの応募をへて着実なスキルアップを見せる作者が多かった。しってのとおり、過酷なMEXICOの砂漠はどれだけ歩いても風景が変わらず、虚無の暗黒に呑まれてRIPするガンスリンガーもおおい・・・・・。そのような中で、この大賞作のように着々とスキルアップと前進を続ける真の男のような作品をたくさん読むことができ、おれは「このイベントを続けててよかったな」とおもった。


🌵奨励賞その1🌵



逆噴射聡一郎先生のコメント:能面をテーマとした暗黒探偵小説。この『虚面狩り』の読後感はたとえるならば、ショットガンを持った男が突然家に上がり込んできて、真顔で訥々と狂った物語を語り出した時のそれだ。『薄火点』とはまた違う、有無を言わせぬ迫力が、『虚面狩り』にもある。さらに文章と構成を研ぎ澄ませば、十分に大賞を狙えるだけのポテンシャルを感じる。おそらくこの作者も以前から大賞にチャレンジしてきた経験があると思うが、はっきりいって以前とは完全に別物くらいに引き締まっており、文章から伝わってくる気迫が違う。真の男本来の顔つきになった作品だといえる。おれは大賞を狙いに来たぞ、とゆう迫力を感じる。

勢いだけでなく、スキルの面もとうぜん評価したい。小物の使い方や、固有名詞の選び方なども効果的だ。能面、ブラックハンド、表参道、前首相の死体……本来かみあわないはずの様々なパーツの混ぜ方、散らし方、つなぎ方が上手いし、それがミステリアスさをかもし出すだけでなく、どのように物語が進んでゆくのかの全体像も見通せる。さらに文章力をみがき、とんでもない嘘をこのくらい平然と、真顔で積み重ねてゆくことができれば、いずれものすごい場所にたどり着けるだろう。



🌵奨励賞その2🌵



逆噴射聡一郎先生のコメント:刀をくわえた狼を主人公とする異色の剣客時代物。時代物のフォーマットで小気味よく物語が進む。この作品のいいところは、少しも勿体ぶらないところだ。ちょっとしたクライマックスにできそうな剣豪と狼の出会いを、まず最初にポンと投げてきている。すると読者としては当然、本編ではこのハードルを超えてもっとドラマチックな展開が訪れるのだろうと、期待しながら読み進めることができるとゆう寸法だ。

復讐・剣士とゆうオーソドックスな話と、民話のような、賢いどうぶつが友情するような話がうまく組み合わさって、混ざり合い、無理なく展開している。複数の要素を組み合わせたときに噛み合わずに単に奇をてらった話になるケースは多いが、この作品はしっかり馴染んでいた。

いっこ難点をあげるとすれば、サッと読んだ時、刀をくわえて戦う狼とゆう絵面がパッと脳内に入ってこなかったので、目が滑り、特に目新しい要素のない普通の時代物として読みそうになった審査員がいた。ここまで勿体ぶらずに書けるのであれば、まずその看板ビジュアルを800字の中に収めてしまうのが良かったのではないだろうか。




🌵最終選考に残った作品の一部と特別コメンタリー🌵

ここからは最終選考に残った作品のうち、特にコメントをつけたいと逆噴射聡一郎先生が考えたものについて、そのメモとともに紹介していきます。それぞれのぞれの作品の並びは、逆噴射聡一郎先生がコメントを書いていった日の気分です(なので上にあるほど大賞に近いという事ではありません)。コメント文の長い・短いも、特に作品評価とは関係ありません。

それではさっそく行ってみましょう!



逆噴射聡一郎先生のコメント:この賞では特に過去作がどうだったかとかは審査基準に関係なく、あくまでも、その時のその作品が面白いかだけに着目する。だがそれはそれとして、過去作を覚えているやつは覚えているので、おれが思ったことは遠慮せずコメンタリーに書いていく。この作者が以前から応募してきていることをおれは知っている。以前の作品では、小説から滲みでてくる「品の良さ・人の良さ」「ライトな雰囲気」とゆう持ち味と、荒っぽくお行儀の悪いパルプ的な題材が噛み合わず、どこか消化不良を起こしていた気がする。今回は、それをうまく工夫し、軽妙でウィットの効いた物語に昇華しようとしている。この語り口ならば、どんな殺人事件でも気軽に読めるし、それは何も悪いことではない。パルプの懐は広いので、こうした戦い方はまったくもってアリだろう。自分の持ち味を生かした「フィクション」をどう語るべきかが、次第に見えてきている感がある。この方向で模索し続ければ、いずれ真の男となるだろう。


逆噴射聡一郎先生のコメント:異常な状況と切迫感があり、謎が出ていて、話も動いている。単純に続きが読みたいと感じた。アイディアは全体的に悪くない。ただ、若干予告編的な性急さとゆうか、要素を出して終わった感もある。また、戦争モノはやはり年々現実がフィクションを超えてきているので、それを超えるものになるのかというと、少しこじんまりと見えてしまう危険性があるので、冷静な設定開示よりも、もっとエモーションやアクション、迫力をつきつめたディテール面でグイグイいった方がいいのかもしれない。もしくは時代設定をうまく工夫し、フィクション性をさらに高めるかだ。なんにせよ800字に最適化することにこれ以上悩む必要はない。それは単なるこの賞の仕様にすぎないからだ。走り出しとしてはまずはよくやれている。


逆噴射聡一郎先生のコメント:この作者の作品は全体的にとても文章力が高く、どれも必ず一定以上の水準の読み物になっている。かなり幅広いタイプのジャンルにおいて文体やテンポのエミュレーションが可能な、極めて器用なガンスリンガーだろう。この筆力は、間違いなく強力な武器になる。いっぽうで、基礎の文章力が高いからこそ、設定やストーリーのオリジナリティの面で、やや物足りなさを感じられた。一言でいってしまうと「ありがち」なのだが、それらをちゃんと読める形にまとめているのは、まぎれもなく技量の高さゆえだ。あとは独自性の高いテーマやキャラが合わされば、大賞候補のレベルまで一気にいけるかもしれない。


逆噴射聡一郎先生のコメント:生活安全の見回りから話が始まるのは、この賞の中ではなかなか珍しい着眼だ。しかし、実際のところ、世にあるホラーやミステリー全体を見渡すと、生活安全の見回りスタートはだいぶ既視感がある。「○○もの」に収まるだけで済ませない作品世界の広がりとゆうか「ワクワク感」、もうひと押しのなにかがほしかった。文章力と構成力はしっかりしており、向いている方向は間違っていない。この調子で様々な題材に挑んでいってほしい。


逆噴射聡一郎先生のコメント:『八田千明の除霊事件簿』はライトな感じの除霊/事故物件モノだ。今年も引き続き除霊ビジネス系の応募作は多かったが、この作品が一番キャラが立っていて、勢いを感じさせた。端的に示される運気システムも、ケレンがあって期待をもたせる。大賞を取るにはもう一段階のステップアップが必要だ。掛け合いのテンポは良いと思うので、これを生かしていってほしい。

一方『違法復讐者』だが、今回の全作品の中で、もっとも惜しかった作品がこれだ。ワクワクしながら読んでいったが、期待が大きかったぶん、ラストの「違法行為は一切できないこの体でどうやるかはまだ思いつかないが。」の一文で、おれは完全にガッカリした。「この放り投げたようなシメ方を見ろ。この作者は本当に何もこの先を考えていないはずだ」と落胆し、審査をやめてビールをあけた。そうではなく単純に演出である可能性もあると飲んでいるうちに思ったが、仮にそうであれば予告編っぽさが強まってしまうから、どちらにせよ受賞はない。そうしたツメの甘さやもったいなさを、おれは重く見た。そこまでは100点に近い勢いがある。


逆噴射聡一郎先生のコメント:良くない部分はない。話が入ってくる。続きも読みたくなる。時代物のクドさや古臭さがなく、良い部分だけを活用し、ハイカラな感じにまとまっている。作者の世界観や美意識のようなものが構築されており、時代物のフォーマットの中では抜きん出ていた。これはこのまま書いて仕上げるべきだろう。


逆噴射聡一郎先生のコメント:日本文化を愛好する少女と日本人言語教師の異文化交流モノ。いわゆるWeeabooを揶揄するような要素もなく、ほどよくコミカルに各キャラクターを描けている。しっかり最後まで描くことができれば、時流にも合った作品になると思われる。一方で、物語の全体像が若干見えにくいのは難点だ。もう少し落ち着いて地の文の足取りを固めるセクションが入っていれば良かった。それとタイトルが悪い。パッと見なにが書いてあるかわからないしワクワク感もない。とにかく漢字だ。おれはこの作品が少し気になり、最終選考に残そうと思っていたが、タイトルが全く思い出せずに面倒くさくなりあやうくピックアップから漏れるところだったとゆうファクトもある。それはもったいないことだ。忘れられないタイトルになるよう常に緊張感を持て。


逆噴射聡一郎先生のコメント:とても「巧み」な作品だったが、それゆえにSS的に小さくまとまってしまっており、入賞は逃した。また今回の大賞ではタイムリープものの応募が特に多かったため、それらの中で対消滅してしまった部分もある。二次選考までは普通にタイムリープものも多く通った。過去に頻発した探偵依頼エンドや狩りの準備エンドや出撃エンドは、内容的にも退屈なのでいっぱつで選外になるのは当然だ。いっぽう、今年多かったタイムリープ・ループものジャンルは、一見面白そうに思える。これはこの賞のフォーマットに結果的に合わせやすいジャンルとなっており、冒頭の切迫感やアイデア感、先への期待感をうまく持たせやすいからだ。だが、そこからさらに選んでいく際には、タイムリープ・ループものが多すぎる事をおれは見逃さず、最終選考までにだいたい落とす事となった。そうした年ごとのジャンル流行り廃りに偶然巻き込まれてしまうのは不運な事故ではある。だが、やはりPROとしてのSUCCESSを目指すならば、避けては通れないものだ。


逆噴射聡一郎先生のコメント:でかいフリスビーの話。喚起するビジュアルが、ひろがりと気持ちの良さ、美しさがあり、最終選考まで残るだけの突き抜けたシュールさと勢いを持っていた(なお、こうゆうシュールなやつはおうおうにして好事家のサロン的な内輪ウケになりかねないので注意が必要だ)。また小説の冒頭として考えた時に、骨子となるストレートさが欠けていたのが難点であり、題名のセンパイ要素よりもフリスビーが優ってしまったため入賞はなかった。それでもインパクトは抜群だった。


逆噴射聡一郎先生のコメント:地に足のついたお仕事もの+奇想SFという感じで、群を抜いた独特の読み味がある。サーバー生物との共存もHORIZONのようでビジュアルが面白く、今風であるといえる。全体的なトーンに独特の温かみがあり、これも強い持ち味だ。このまま完成させても普通にしっかりした作品になりそうだと感じた。


逆噴射聡一郎先生のコメント:独特の詩世界を感じさせる作者だ。どれも雰囲気は良い。プレリュード部分としては良いので、これを70%くらいの分量でとどめ、普通に小説としての本文が続いていればよかった。もっと小説として普通に書いてみてはどうだろう。普通に書いても持ち味は消えないはずだ。REALさとは必ず滲み出てくるものだからだ。


逆噴射聡一郎先生のコメント:これはビジュアルと展開が緊張感にあふれ、カッコよくキマっていた。キング的モダンホラーを感じさせて面白い。ただ、文章の足腰に弱さを感じた。「みたいに」等、地の文のところどころで表出する文章力のつたなさ・甘さがあり、不安を感じさせ、しっかりと完結まで書ききれるのかを判断させる決め手に欠けたのだ。それでもセンスの良さが光った。センスは一番得難く重要なポイントなので、最終選考までいった。文章の甘さは単に数をこなせばついてくる。あと、選考とは関係ないが、「タ・ラチャン」というペンネームがよかった。


逆噴射聡一郎先生のコメント:普通のお仕事モノにも、急転直下のホラーやスパナチュなどにも、ここから何にでも振っていける強みを感じる。いっぽうで、このままだと往年のサラリーマン漫画誌的な「大衆的な薄い感じ」「わかりやすすぎる一般的記号っぽさ」につながってしまう予感もあるので、もう少し味付けにこだわってもいいのかもしれない。あと、居抜きの改装費100万円は安すぎないか? とゆうのが最初にすごく引っかかった。その後はお仕事ものっぽいリアリティが戻ってきたが、逆にそれが冒頭の改装費100万円の違和感を強調することとなった。


逆噴射聡一郎先生のコメント:よい意味で濃い作画のマンガっぽさを感じた。物騒なタイトルがあり、そのあと血なまぐさいビジュアルで舞台のセットアップが出来ている。文章が笑っていたり、チャラついたりはしておらず、真面目にそのようなテイストを追求しているのが好印象だ。この冒頭部だけではまだ「80年代的な新連載漫画らしさ」以外に伝わってくるものがないが、このまま書き進めてもよいだろう。


逆噴射聡一郎先生のコメント:これは話が面白そうだったので選んだ。巨大な神話的エネミーを倒していく事と、その生成のシステムが、かなりテンションがあがる設定で、おれはこの先の内容を色々想像して盛り上がった。ただ、冒頭が問題だ。ズゥゥゥゥン、グォォォォンといったカタカナ擬音や「畜生ーッ!」などのマンガ的な叫びが冒頭にこれでもかと並んでいるのだが、これがかなり第一印象としては見栄えが悪く、迫力や混乱の様子を伝えるというおそらく狙ったはずの効果も出ておらず軽薄な印象となり、明確にマイナスだ。我慢してその先を読んでいくと普通の文章もあるていど書けているので、これは戦略ミスといえる。タイトルもかなり野暮ったい。これが野暮ったいと気付けるようになるべきだ。「実際おれのこのタイトルはパッと見た時どうか?」「おれのこの冒頭の書き出しは、まっさらで読み始める人間がどんな第一印象を持つか?」など、自作を客観視する習慣をつけるとよい。


逆噴射聡一郎先生のコメント:数多かったループものの中では一番目か二番目に良い。頭で考えた設定だけではなく歴史に題材をとっているため、現実の重みを作品の深みに転化できるからだ。一方で、圧縮感・駆け足感によってストーリーの読み味が犠牲になっているのが気になる。今思ったが、ループものはいっけん逆噴射小説大賞のフォーマットに向いていそうだが、実際そうでもなく、うまくやろうとすればするほど、設定開示を詰めこんで800字で閉じて終わりになる・・・あらすじ・SSっぽい感じが出てしまい、小品として小綺麗にまとめなければならなくなり、先に向かって開かれていかない・・・というジレンマも抱えてしまう気がした。


逆噴射聡一郎先生のコメント:ファンタジーの一場面としてよく出来ており面白かった。意外性や先が気になるつくりもしっかりしている。ただ、800字のフォーマットに最適化しようと気負ってしまったか、全体的にいびつで、余裕のない、断片的な文章が連なるような印象が強い。受賞を目指すならば、冒頭からさらなる工夫が必要になるだろう。


逆噴射聡一郎先生のコメント:この作者の文章からはいつも、喉元につめたいサバイバルナイフを突きつけられたような、心地よい緊張感を味わえる。どちらもレベルは高いのだが、前回優勝者であることを差し引くと、ややパンチや新鮮みが足りなかった。「宙、つめたく冷えて」は詩的なテイストが高まり、この方向性に今後のポテンシャルをより感じさせる。


逆噴射聡一郎先生のコメント:審査員のほとんどが「これ面白いんだよな」「でも大賞ではないな」「でも面白いんだよなあ」という感想を述べる作品であった。パルプの雑多でパワフルな感じが全てうまい方向に噛み合っており、読んでいてエネルギーがわいてくる。こうした小作品を何本もまとめて読んでみたいと思わせる。おれもこの作品に出会えて良かったし、このような作品が応募される大賞であることをほこりに思う。


🌵🌵🌵おつかれさまでした!🌵🌵🌵



以上で大賞&入選作品群の紹介とコメンタリを終了いたします。全作品に1個1個目を通して行った逆噴射聡一郎先生、および審査員の皆さん、お疲れ様でした。そしてこのイベントに参加してくれた皆さんへ、ありがとうございました! 

また、毎年の審査における重要な覚書は、以下の記事に集大成的にまとめられているので、気になる人はぜひ読んでみてください。




🌵未来へ(エンドロール)🌵


逆噴射小説大賞は通常の小説大賞とは根本から異なるかなりピーキーなレギュレーションなので、いわゆる名作の冒頭800文字をそのまま持ってきてもインパクトが出るとは限らないし、逆にこのレギュレーションに特化しすぎても、小説として本当に面白くかつ広い層に楽しまれるものになるかどうかは全くの別物です。審査自体も、逆噴射聡一郎先生のその時の気分で選ばれたものであり、あまり重く捉えすぎないでいただければと思います。

コンテストの形式をとっている以上、やはりどうしても「選ばれた作品」と「選ばれなかった作品」は出てきてしまいます。特に今回はファンイベントではなく、CORONAという黄金を奪い合う「コンテスト」であり、中には小説家を目指す人も多いでしょうから、この結果を重く受け取ってしまう人もいるかもしれませんので、あらためて書いておきたいと思います。

エントリー作品収集マガジンを見ていただければわかる通り、驚くほど幅広いジャンルの、多種多様な作品群が集まりました。パルプには無限の可能性があり、ほぼ全てのジャンルを内包しうるタフさがあることの証明と言えます。しかし正直に言ってしまうと、審査員である我々が、その全てのジャンルを守備範囲としてカバーしているかどうかは、また別の話です。当然ながら、ダイハードテイルズのカラーだけがパルプの全てではありません。パルプの中でも、我々は我々の独自のカラーとカルチャーを持っています。また、コンテストというのは、半分、運もあります。審査員のバイオリズムも毎日同じではありません。たまたま何らかの理由で、選ばれるべきだった作品が電子的なエラーで表示されず、選考に含まれなかったなどということさえ起こりうるかもしれません。

要するに、どんな規模のコンテストもそうですが、それは人生のゴールインでも世界の終わりでもないのです。たとえどこかで新人賞を取ってデビューが確定したとしても、創作はそこから先も一生続いていきます。毎日プラクティスなのです。なので、こういった賞への応募活動に参加するにあたっては、選ばれなかった事を理由に自らのモチベーションを減退させるべきではありませんし、納得がいかないからと運営サイドに掛け合おうとしたり執着してはいけません(そんなことをしている暇があるならとっとと次の作品を書くべきです。どんなステータスのクリエイターであれ、結局最後は自分自身との戦いであり、外部の力に期待しすぎてもいいことはありません)。今回だめだったら単に気持ちを切り替えて次にいけばいいだけの事です。

特に、逆噴射小説大賞は冒頭の書き出しを競うかなり尖ったコンテストです。仮にそれが賞を得られなくても、そのまま書き続けていった結果、一個の作品としてアッと驚く内容に仕上がる可能性も当然あります。今回二次選考に通らなかった作品も、ぜひ、他の発表の場で公開してみてください。どれがそうだ、というのは特に明言しませんが、今回選考突破作に含まれなかった作品のうち「この作品、最後まで仕上げてうち以外のところに出せば、いいところまで行くはずだな」と思われた作品も少なくありません。

また逆噴射小説大賞は、大賞を受賞してもCORONAと栄誉がもらえるだけで、我々ダイハードテイルズ側は一切出版などの権利を主張しないという稀有なコンテストです。受賞しなかった応募作についても同じです。あなたが書いた作品はあなた自身のものです。ですから、書いていてあなたが手応えを感じた作品は、ぜひ仕上げて、その作品が最も向いていると思われる場に投稿してみていただきたいと思います(もちろん #逆噴射プラクティス への投稿も引き続き歓迎です)。

このイベントを「生まれ出なかったかもしれなかった物語を書くきっかけ」にしていただければ、ダイハードテイルズ一同、これに勝る喜びはありません。実際、既に、自身の応募作品の「続く」の先を書いていっている方々を散見できます。是非完成させて、世に送り出してください!


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次回「逆噴射小説大賞2022」は、2022年10月に開催予定です。レギュレーションは変わる可能性があるので、2022年10月の発表をお待ちください!

(ダイハードテイルズ出版局)

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ダイハードテイルズはニンジャスレイヤーなどを連載するオンライン・パルプノベルマガジンでありクリエイターユニットです。