【CORONAは誰の手に?】第2回逆噴射小説大賞:1次選考&2次選考結果の発表です!
お待たせしました! CORONAの黄金を求めて小説の冒頭800文字で戦う、第2回「逆噴射小説大賞」の一次選考、および二次選考が、ここに終了いたしました。今年の応募総数は約640作品。そのうち167作品が二次選考を突破しました。改めて、たくさんのご参加(投稿+スキ+紹介)、本当にありがとうございました!
↓ 応募者の皆さんへ。結果発表に行く前に、まずは逆噴射総一郎先生からのメッセージを読んでください。 ↓
選ばれなくても過度に凹まない事
逆噴射小説大賞はCORONAという黄金を奪い合う「コンテスト」である為、選ばれる者・選ばれない者が、選考のたびに発生する。AIによる選考ではないので、万人が納得するスコアを提示できるものではなく、運が絡む可能性もあるが、そういうものである。
選考を通らなかった場合も、貴方は何も失っていない。応募作自体が読者の耳目を惹く可能性もある。その冒頭800字から続けて長編を書き上げることもできる。だから、たとえ入選しなくても、その受け止め方は「CORONAを獲りそこねたな」「残念だったな、さあ次に行くぞ」ぐらいで十分である。
ここは最終的に99%が脱落する過酷な荒野なので、選考に選ばれなかった際にそれをいつまでも引きずったり、他の参加者や審査を恨んだり、「この賞を取れなかったらきっぱり筆を折る」のように人生を賭けてしまう依存的な精神状態であれば、はじめから応募を控えるべきだ。そして自分でCORONAとドリトスを買いに行き、NETFLIXでもつけながら一杯やっていた方がはるかに健康的である。
読みましたか? それでは、下のリンクから、結果を確認してください! なお、この心構えは本当に大事なので、この後でも同様の趣旨の内容を繰り返し書いておきます。
:::1次&2次審査突破作品リスト:::
今年も昨年同様、1次審査の結果を飛ばしての2次審査発表となっています。突破した方は、おめでとうございます! 以下、昨年も書いたことですが、選考に関するいくつかのメモを紹介します。
選考に際して
1:「スキ」の数は選考に影響を与えていない
今回の応募作品はnote上で誰でも閲覧可能なので、読んだ時に「スキ」をつける事が出来ます(是非、どんどん「スキ」をつけてください!)。しかし、選考の際に「この作品はいスキが多いので通そう」「この作品はスキが少ないので外そう」という判断は一切していません。パワーがある作品がひろく人目に触れた時、必然的に「スキ」が沢山つく傾向は勿論ありますが、それと今回の審査結果は特に関係ないということです。
2:投稿した回数は選考に影響を与えていない
今年度の逆噴射小説大賞は、開催期間中、1人5個までの投稿が可能でした。しかし「何回投稿されたか」自体が選考基準に影響を与える事はありません。「この人は沢山書いて頑張っているから一つくらい通過させよう」「この人は沢山通過させ過ぎているからバランスを取って減らそう」という思考回路の判断は一切していません。むしろ、同じ人が書いている以上、投稿した5作品がすべて落ちるケースも、すべて選考を通過するケースも、往々にして発生すると考えてください。パワーのある作品を書く人はもともとパワーがある可能性が高く、その場合、複数作品通過するケースは当然のように出てきます。
次回の3次審査は、さらに数をしぼり、コメントを付与する最終選考です。この最終選考で初めて、「一人の応募者につき一作品」にしぼります。
3:「800文字で物語がきれいに完結/完成してしまっている作品」は、今回、選ばれていない可能性が高い
今回のレギュレーションは「その先さらに続く小説の冒頭800文字」です。綺麗に800文字で全てを回収してオチがついてしまうと、ショートショート作品のようになってしまうので、この賞の趣旨とは違うという事になります。叙述トリック的にそこまで展開した内容を最後の文で引っくり返してしめるタイプのものもこの賞とは相性がよくありません。こういったものは選考を通過できない可能性が高まっています。
なので「エッ!? あの作品すごく面白かったのになんで選ばれてないの!?」「エッ!? あんなに意外な目のさめるような結末だったのに!」という作品がもしあったとしたら、こういった理由があるかもしれません。
未来への準備・雑感
ここでは、選外の原因となりうる要素について、局員が個々にまとめたメモをまとめておきます(上の「選考に際して」よりもさらに踏み込んだ内容です)。ほとんどは「逆噴射小説大賞という特殊レギュレーション」の中での話になりますので、「これを満たしていると他の小説大賞でも予選を通りやすい」とか、「出版されて映像化されてMAKE MONEYできる」とか、そういうものではありません。ただ、自身の作品を書いていくにあたっての何かのヒントになるかもしれないので、来年のエントリーを考えている方は読んでみてください!
800字のなかで話が動いているか:今年は昨年の2倍の文字数が確保された。そのため、800字の間で話が動かないもの(世界観の説明に終始するものや、主人公の旅立ちが淡々と描かれたもの、設定開示に800字を費やして終わっているもの等)については、昨年以上に選外となる可能性が高まった。800字の末尾に「その時、とても恐ろしい出来事が起こった!」「そして主人公は、彼女に出会ったのだ」というタイプの「引き」で終了しているものもしばしば見られた。こういったケースの場合、その「起こった恐ろしい出来事」「どんな人と出会って何を始めたのか」の具体的な内容自体を、出し惜しみせず800字で書いていったほうが、他作品よりも優位に立てていたと思われる。
オリジナリティ:オリジナリティは必須ではないが、ある種の類型に強く当てはまってしまった場合、それが選外の原因となった可能性がある。「来訪者が主人公のもとに現れて何らかの風変わりな依頼をする」「森や廃墟で、モンスターや概念存在をハンティングしようとする」「何らかの大会が開催されており、その大会の参加者や設定の特異さが羅列される」「異世界転生ジャンルをメタする」等の内容は多く見受けられた。(ただし、こうした内容であっても、実際にハッとさせられる描写や筆致を持つ作品が通過している可能性もある)
文章力:文章力は常に重視されている。文章が読みづらかったり、こなれていなかったり、奇を衒いすぎていて、内容の面白さがそれを覆すまでに至らなかった作品は、選外になった可能性がある。
並べ構文:例えば「彼女の動きは残像を伴った。最初の奴は頭を斬られ、悲鳴も上げられずに倒れ伏せた。次のやつは胴体に穴を開けられて、苦しみながら死んだ。最後のやつはアキレス腱だ。死にはしなかったが、もはや戦闘不能だ」というタイプの「並べ構文」が非常に多くの作品で使われている。ひとつめは……ふたつめは……みっつめは……と並べていくものだ。これはエモーショナルな文体であり、文章を圧縮できたように見え、文字数とアクション自体は増えているものの、俯瞰的に見ると内容としては同じ出来事(彼女の攻撃を受けて敵が倒れた事)の繰り返しであるため、実はあまり内容自体が圧縮されていない。戦闘のクライマックスなど、効果的に使われているととても強い表現手法だが、「冒頭800字」においては、この繰り返しは平坦な文章となってテンポを損なったり、文字数をむやみに消費する原因にもなりやすい。
その作品は面白さのために書かれているか:奇抜な世界観やアッと驚くギミックを提示できているかどうかもさる事ながら、あくまで話の面白さが大事である。どれだけ陳腐な使い古されたネタでも、書き手の文章力の手腕や、現代的な面白さを貪欲に追求するセンス次第で、いくらでも面白くなる。インパクト重視のハイコンセプトを狙うのものよいが、情報化社会の現代でハイコンセプトによって驚かせるのは、逆に、極めて難しい。「それはそもそも話として面白いか? エキサイティングなあらすじとなりそうか?」「その続きを本当に読みたいと思わせるか?」を今一度自問するのもよい。作品そのものの面白さは、上記の「選外となりうる要素」を覆して余りある。
惜しくも落選となった方へ(再度、とても重要な事)
・落ち込むにはまだ早い。
・他の通過作品や審査に敵意を向けたり、後になって不満を書き連ねたりするのはお門違いである(応募時に注意書きを読んだ筈だ。そういう思考をする人は……最初から、応募してはならなかった)。
・まして、今回の落選をもって貴方自身に才能が無いと結論づけるなど、もっての他だ。
もしあなたの作品が選考通過作品より優れていると考えたのならば、是非、最初の800字まで書いた作品の冒頭から続きを書いて、作品完成まで書き上げてください!
我々は審査の折、冒頭800字で「続きを読みたい」と思わせる作品を選んでいます。しかしそれは必ずしも作品の優劣を100%決めるものではありません。実際に完成した作品はとても面白いものに仕上がる可能性が当然あります。その自信があれば「この作品が選ばれないなんて、逆噴射聡一郎もヤキが回ったもんだぜ!」と心の中で思いながら、ぜひ続編にチャレンジしてください。
そうして書き上げた作品は、当然、あなたのものです。うまくいけば、おのずと読者がつくかもしれません。今回あなたの手元に残った800字をもとにして、大長編を書き上げたり、連作小説を作ったりして、販売するのも自由です。おそらくそれはコロナと同様に価値あるアチーブとなるはずです!
🌞CORONAは誰の手に?🌞
我々は引き続き、最終選考へと進んでいきます! 最終選考作品群と大賞作品をコメンタリーつきの記事としてまとめ、2020年1月を目処に発表予定です。遅れそうな場合はアナウンスを行います!
それまでの間、まずは今回の二次選考マガジンの収録作品をみなさんで読んでみてください! そしてどんどん気軽に「スキ」を押してみてください! SNSとネットワークが地表を覆い尽くし生み出されたこの過酷な創作のMEXICOにおいて、あらゆるオンライン創作者のサヴァイヴにとって真っ先に必要なのは、濃ゆい批評や長文感想やCORONAではなく、まずは気軽な「応援」という名前の水です。この過酷なMEXICOで戦う人たちに、どうかたくさんの水をあげてください!
(ダイハードテイルズ出版局)
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