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ザ・バットマンはとてもゴシック的で良かった、他(杉ライカ)

昨夜は地震があり、東京も夜中に突然ブラックアウト。体感的にはそこまで大きな揺れではなかったのに、想像以上に広い範囲が真っ暗になっていて、かなり面食らった。PCも全部落ちたし断水状態になったので、全てを諦めてとっとと寝たのだった。そして起きたら全てが解決していたので、ザ・バットマンをみに行ったという寸法だ。


ザ・バットマンをみてきた

本兌が公開直後くらいに行っていて「格調高いバットマンで面白かった」「真顔で変なことしてる感じがフジキドっぽかった」と言っていたので、なんとか今週中には見たいと思っていて、無理矢理時間を作って行ってきた。思ったことをネタバレありで、どんどんメモ的に。

確かにこれは格調高いバットマン、というのが一番的確な気がした。格調高いというのは、聖書的であるとかではなくて、ゴシックっぽさであるとか、「真顔でなんか変なことやってるな」というのも、格調高いの範疇に含まれる。怪奇的なおかしみもちゃんと内包しつつ、バットマンの根っこである暗黒探偵っぽさとか、ヴィランとかの絶妙にショボい感じとかが、ちゃんと現代的に、丁寧にアップデートされていて、非常に面白かった。

個人的にバットマン映画はバートン時代からずーっと複数回見続けてきていて、時折創作論のターニングポイントのような、自分にとってすごく時代を象徴する重要な作品になったりするので、今回もそのような映画になっていたのが嬉しかった。今作で一番好きなシーンは、救助活動するシーン。




ゴシックっぽい

個人的に一番感じたのは「ゴシックっぽさ」であった。「ゴシックっぽさ」には色々な解釈があるが、ゴシック小説っぽさ、ゴシックホラー映画っぽさ、ゴスカルチャー/ゴシックパンクっぽさ、あたり全般を指すとても便利な言葉だ。バートンもゴシック系であるが、バートン独自のメルヘン/ファンタジー要素が入っているのと、ゴシック観のトレンドはこの30年で大幅にアップデートされているので、特に比較するものでもない。

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