【日報】チェコ・アルファ劇場の人形劇「怪傑ゾロ」を観に(杉ライカ)
チェコ・アルファ劇場の人形劇「怪傑ゾロ」を観に、子供と代々木の「プーク人形劇場」へ。コロナのせいで来日できず、3年越しの公演。
船便でないととても運べないような、大きな大きな仕掛け付きの舞台装置。ひと目見ただけで「あの目は秘密があるのかな」「どこが動いたり開くのかな」と、どの子も興味津々になる。始まると、マリアッチの生演奏とともにテンポよく、コミカルに進んでゆく。子供でも楽しめるような工夫がそこかしにあり、決して飽きさせない。チェコなのにMEXICOで、とてもユーモラスな人形劇。舞台の人形とマリアッチ/俳優がシームレスで共演したり、移動したりなど、大人が見ても極めて高い技術と細かい演出に驚かされる(そもそも人形操作自体がまず凄いし、それらをサラっとやっているのがまたすごい)。子供は俳優のしゃべるセリフが一部日本語になっていたのが楽しかったようだ(「コンニチハ、ゾロ=サン」みたいな感じ)。さらには所々スペイン語や英語の字幕なども混じり、とても不思議で、それでいて伝わる、暖かい感じに。もちろん字幕を読めない小さな子でもわかるくらいストーリーは単純明快だ。終盤、将軍がガウンを剥ぎ取られて、全裸中年男性になるんだけれど、性器があるのだなあ、くらいの感じで何事もなく進み、さらっと異国情緒が感じられてよかった。最後、ゾロの顔を模した舞台が大きく開いてライトアップされると、上がカーテンコールの花柄になっていたのに気づくことができ、最後の最後まで面白い(ステージの途中ではうまく角度がついていて見えないのだ)。
コロナでさまざまな機会が失われたり停滞してきたが、こうして少しずつ動いてゆくのかもしれないと勇気づけられた。ちなみに今日から期間限定でストリーミング無料配信されるので、チェコや人形劇やゾロ好きな人は、配信の方で見てみてほしい。
(杉ライカ)
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