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パルプ小説の書き方(10):noteで売れ(逆噴射聡一郎)

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よく来たな。おれは逆噴射聡一郎だ。おれは毎日すごい量のテキストを書いているが、だれにも読ませるつもりはない。このパルプ小説講座はすでに十回目に達しようとしている。十回というのはかなり長い。だがおれは真の男本来の姿勢として毎回その1回の講座で勝負をつけるつもりでいる。毎回おれは頭の中でコナンが鋼の剣を朝焼けのなかで素振りせしイメージを完璧に固めながらこの講座の文章を書いているといえるだろう。つまりおれの講座はどれか1つ読めば本気で小説がかけるようになりメイクマネーできるレベルにまで達している。それを1ヶ月に1個くらい書いているとうことをおれは言いたい。

逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。当マガジン上にて「パルプ小説の書き方講座」を連載していただいています。


おまえには既に銃を撃つための方法をかなり教えてきた。おまえはローランドのように貪欲にそれを学び、小説を書くための技術的側面はかなりモノにしたはずだ。冒頭で誰か殺せば否応無しにキャラクターは動く。三幕形式を頭に入れれば起承転結のある話も作れる。無駄な描写をやめれば止まらずに最後まで書ける。今までの講座内容を頭に入れれば・・・・・もう小説が書きあがっているだろう。さらにおれは、それをどうやってプローモションするのかや、出版社のやつとの交渉方法についても書いた。おまえはPRACTICEを続け、まるで奴隷バーをぐるぐる回す奴隷少年コナンのように毎日テキストを書き続け、その腕は太くなり、やがてどこへ出しても恥ずかしくないアーノルドシュワルツェネガーになった。

だが・・・・・・それでコナンの冒険の旅は終わりだろうか? ローランドは銃の名人になったらそれで終わりで、YouTubeザッピングしながらベイブと結婚して、子供ができ、年老い・・・・死んだだろうか? ちがう。おまえもまた、ローランドがしたように、黒衣の男を追ってダークタワーを探しに行かなくていけない。コナンはタルサドゥームを、バンデラスもまたブチョを求めて旅をした。サボタイやブシェミが危なっかしいおまえを助けてくれた。もちろん、タルサやブチョを倒したら次の旅が始まるわけだが、とにかく最初の目的地がないと何も始まらない。つまりおまえも、旅の目的地のイメージを持たねばならないのだ。

おまえの旅の最初の目的地はどこだ? おまえはどこでおまえの小説をやり、メイクマネーする? 奴隷バーを回しつづける時間は終わりだ。立派なシュワルツェネガーとなったおまえは、ついにそういう事を考え、今後10年・20年のおまえの生き様をお前自身でアジェンダする時が来たと言えよう。


おまえのダークタワーはどこにある?

10年20年と聞いて、お前は大げさだと思ったか? 全然大げさではない。これだけははっきり言っておく。お前は自分の小説を書いてどうしたいか? どうなりたいか? 小説を書くことでどんな人生を手に入れたいのか? その人生を手に入れたあとも小説を書き続けていたいのか? 州知事になりたいのか? そうではないのか? その答えは、どうでもいい。おれの知ったことではない。重要なのは、なんであれ、目標地点を念頭に置いて活動していく必要があるという事だ。そしてどんな目的地を選ぶにせよ、どこかの時点でマネタイズという現実と向き合うことになるし、出版デビューすらもけっして旅の終わりではなく、始まりにすぎないということだ。

ここは道標もなにもない、過酷なメキシコの荒野だ。ただ漫然と小説を書き、フリーのスペースにただアップしたところで、実際に得られるものは何もない。むしろお前の心の中に煮えたぎっていた「創作を通して真の男として認められたい」「故郷を滅ぼしたタルサドゥームを生かしてははおけぬ」といったマグマのような欲求を、「フリースペースにアップしたぞ」という目先の達成感で解消させてしまい、それだけで何となく一人前と錯覚し、新人賞の為の原稿を書いたり売り込んだり直接販売体制を築こうとする強い意志の力を完全に失ってしまうのだとしたら問題だ。それは旅の途中でセクシーな魔女ベイブを抱いて満足しきってしまった場合のコナンとおなじだ。END OF MEXICO・・・・・・開幕30分くらいでおまえの映画は終わり・・・・どこへも行かない。

その先に進みたいならば、具体的な目的地を設定して書いていく必要が必ずある。それは最初から知っているかもしれないし、ベイブが教えてくれるかもしれないし、過酷なメキシコで生き抜くために金が必要になりおのずと決定するかもしれない。

では、お前の小説の行き先はどこだ? おまえのダークタワーはどこに生えている? 最初の目的地はどこだ? 新人賞を取って出版デビューする事か? 「小説家になろう」等のランキングサイトでハイスコア名声を獲得してWebから出版デビューする事か? ジャステンビーバ0−から10000000000RTPVを集めてアフィリエイト広告収入を得ることか? それとも電子決済による直接販売か? 小遣いかせぎではなく、小説を本気で仕事にしたいと考えるなら、いま個人クリエイターに考えられるメイクマネー手段は、だいたいこの4つだろう。

新人賞に向けて書いていくならば、今すぐおまえはスマッホンを窓から放りすててインターネットを禁止し、執筆に没頭すべきだ。目先の小説をウェブに載せたりしている暇があったら賞のために書け。200枚とか150枚とか所定の枚数指定がある筈なのでそれに合致する面白い話を完成させろ。はっきりいって150枚も200枚も小説を起承転結をつけて書ける奴など数えるほどしかいない。他の事を何もせず書き上げろ。落選したらまた書け。賞の小手先のノウハウなどおれにはどうでもいい。本当に面白い話を書き続ける根気がある奴は遅かれ早かれ世に出る。ランキングサイトのことはおれは詳しくないから書かない。そもそも今回おれがしたいのはそうゆう話ではない。

今回は、直接今からお前が自分の作品を売る・・・・電子で・・・・そうゆうやり方について書こうと思った。ちなみにこの直接販売は出版デビューのスタイルとも実は噛み合う。なぜなら今後は「エッ!直接販売でそんなに売れてるなら面白いはずだから書籍化しませんか?」というオファーが出版社から来て書籍化されるというルートが確実にそんざいするとおれは睨んでいるからだ。また、出版とその他で収入を分散したほうが、PROとして生き残りやすいのも明らかだ。

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