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TRPGプラグイン:ビークル関連ルール

このシリーズは【ニンジャスレイヤーTPRG エイジ・オブ・ソウカイヤ】の追加ゲームルールなどをまとめたプラグイン記事のひとつです。プラグイン環境のルールは流動的であり、頻繁に改定/変更されます。あなたはニンジャマスターと相談したうえで、自由にこれらのプラグインルールを選択し、ゲームに反映できます。そしてもちろん、これらにインスパイアされた独自のハウスルールを作ることができます。Googleスプレッドシート上でビークルコマを再現するためのサンプルは🚗ここに置いてあります
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「ショウタイム」デッドムーンは、柱に備わったブレーカーを起こす。ガレージの天井に吊られたスポットライトが照り付ける。油圧式チャブに乗せられ黒い布で覆われた彼の愛車がゆっくりと回転し、その横では『満FULL』と書かれたネオンアートが、バチバチと火花を散らしながら曲に合わせ明滅した。

 鯉が描かれた黒い布が取り去られ、彼の武装霊柩車がその姿を現す。メイン車体は流線型を基調とした伝説のクラシック・スポーツカー「ネズミハヤイDIII」。その上に、平安ゴシック様式の刺々しい小型シュラインが乗る。その全容はさながら、オキナワ水没都市で発見される奇怪な深海生物を思わせた。

 メイン車体も小型シュラインも、鏡面加工クロームシルバーに塗装されており、彼女はバッドムーンの顔をその磨き上げられたボンネットに映して、今夜のアイサツをした。日本文化において、シルバーは死を暗示する色だ。彼女はさしずめ、陰鬱な死の香りを纏ったゴシカルな未亡人に喩えられよう。

 油圧チャブの回転が止まり、ガレージが開いて発車準備が整う。左のヘッドライトについた小さな擦り傷が、デッドムーンを沈んだ気持ちにさせた。金さえあれば真っ先に直してやるところだが、実際ここ数週間、仕事はいっさい入ってこなかったのだ。しかし、そんな惨めな生活とも今日でサヨナラできる。

 違法カキノタネを奥歯で噛みしだき、燃え上がるような残滓をバンザイ・テキーラで流し込んだデッドムーンは、チューブ付ブルゾンを地肌の上に羽織る。左のこめかみに指を当てると、サイバネティック・アイから赤外線が照射され、武装霊柩車の両のドアが逆モヒカンのように斜めに開いて彼を迎え入れた。

 重いハンドルを握ったデッドムーンの両手首から、圧縮空気が吐き出される。彼は両腕をサイバネ義手に置換しているのだ。「一億か……どこのヤクザクランの偉いさんが死んだのやら」。アクセルペダルが踏み込まれ、銀色の武装霊柩車はネオサイタマを覆う重金属酸性雨の闇の中へと吸い込まれていった。

 - 【デッドムーン・オン・ザ・レッド・スカイ】より


ビークルとは

ビークルとは例えばハーレーなどの大型バイク、ベンツ、完全防弾仕様の武装霊柩車、人工知能を搭載したインテリジェント・モーターサイクル、NSPDが乗り込むマッポビークル、あるいはオーバーテックの一種であるエメツ反重力プレートが用いられた反重力バイクまで……要するに、ゲーム中にキャラが乗り込んで自分で操縦し、戦闘に参加できるような「乗り物」全てを指している。

多くの場合、ビークルはそのシナリオ(もしくはマップ)限りのギミックとして使用され、次のシナリオまで持ち越すことはできないが、シナリオや戦闘にアクセントをもたらしてくれるし、ハウスルールを作ればバイクなどの運転を得意とするキャラをプレイすることも可能だ。

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