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ソウルワイヤードTRPGフレームワーク ver2.02(2020/06/30最終更新)


これは何ですか?

「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」とは、「ニンジャスレイヤーTRPG」などの基礎になっている、極めてミニマルなTRPGシステムフレームワークです(ver2.Xは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のもととなっています)。

その内容は「キャラクターメイキング」と「コアルール」のみのシンプルな構成となっており、グリッドマップ使用の有無を問わず、ネット上でも気軽にプレイすることができます。キャラメイクは5分以内。グリッドマップを使わないミニゲームであれば、30分以内で1セッションを楽しめます。

「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。

より多くの人のゲームの楽しみのために、あなたはそれが個人的利用の範疇であれば、このフレームワークを基礎として使い、自由に自作のTRPGシステムを作成して遊んだり、インターネット上で公開したり、データや同人誌などとして販売することもできます。ただその場合は必ず、出典元としてこのページアドレスを明記してください。また、無改造のフレームワークのままでの販売や再配布などは許可していません。その他、法人としての書籍化や大規模な販売などについては、別途ご相談ください。


0:ゲームに使用するもの

このゲームにはD6(六面ダイス)を数個使用します。プレイヤー数は1人(ソロアドベンチャー)、またはマスター1人を含む3〜5人程度の人数が必要です。


1:キャラクターメイキング

「ランダム作成」または「スクラッチビルド」のどちらかを選択します。

1-1:ランダム作成方式

基礎能力値は【腕力】【知性】【鋭敏性】【異能】の4つです。上から下へと順番にD6を振って決めます。ただし、【異能】だけは出目から3を引いた値です(最低値0)。

【腕力】:初期値1〜6:敵を殴り飛ばしたり、鍵の掛かったドアを力づくで破壊する時などに使用します。【体力】の最大値にもなります。
【知性】:初期値1〜6:知識や知力に関する判定に使用します。瞬時に物事を判断し、相手の機先を制します。【精神力】の最大値にもなります。
【鋭敏性】:初期値1〜6:パルクール移動、射撃、言いくるめや交渉など、肉体的な瞬発力や卓越した技能を試されるような判定に使用します。
【異能】:初期値0〜3:魔法や超能力などの強さを示す基礎能力値です。


1-1-2:スクラッチビルド方式

ランダムに決めるのではなく、合計11ポイントを【腕力】【知性】【鋭敏性】【異能】の4つに割り振ります。この場合、スタート時の各能力値の最大値は6でなく5となります。また【異能】だけは1につき2ポイントの消費が必要で、最大値は3です。つまり、スタート時点でいずれかの能力値が6のキャラを作りたければ、ランダム作成方式を選ぶ必要があります。


1-2:副次能力値の決定

副次能力値は【体力】、【精神力】、【脚力】の3つです。

【体力】:初期値1〜6:【体力】の初期値は、そのキャラの【腕力】値に等しい値です。【体力】はダメージを受けるたびに減り、0になると気絶します。マイナス値になると、死亡ないしは完全行動不能となります。
【精神力】:初期値1〜6:【精神力】の初期値は、そのキャラの【知性】に等しい値です。【精神力】は【異能】を使用したり精神攻撃を受けるたびに減少します。【精神力】がマイナス値になると、直ちに【体力】0となって気絶します(どれだけ【体力】が残っていても)。【体力】0と違い、【精神力】0のうちは、まだ各種行動へのペナルティがありません。
【脚力】:初期値2〜3:そのキャラが手番中に移動できる距離を示します。マップを使う場合、移動可能マス数を示します。【脚力】の初期値は、そのキャラの【腕力】値の半分、または【敏捷性】値の半分、どちらかより高い方を使用します。PCの最低【脚力】値は2なので、【腕力】/【敏捷性】がともに1〜2しかない場合も、【脚力】は2へ引き上げられます。
原則:半分にするときは切り上げ:このゲームにおいて、何かの値を半分にして端数が出たときは、原則として小数点以下を切り上げます。



1-3:オプション:【カルマ】【所持金】【名声】

この3つの値はオプションです。ゲームのテーマに応じて、使用するかどうかを選択できます。1回きりのシンプルなミニゲームなどで遊ぶ場合、この3つの値は基本的に使用しません。

【所持金】:初期値0:ゲームシナリオのクリア報酬として、キャラは所持金を獲得していきます。シナリオ内で拾ったりすることもあります。所持金はキャラを成長させたり、アイテムを買ったりするために消費します。シナリオの達成度スコアを競いたい場合にも使用します。上限値はありません。
【カルマ】:初期値0:シナリオ内で極めて邪悪な行動/善良な行動を取るたびに上昇します。カルマを溜めると、致命的な不運/奇跡的な幸運が発生しやすくなります。どんな要素をカルマで表現するかは、ゲームのテーマに応じて自由に変更できます。上限値は12です。
【名声】:初期値0:そのキャラの地位や、どれだけシナリオをクリアしてきたかなどを、端的に示す値です。ゲームシナリオをクリアするたびに報酬として与えられます。上限値はありません。



1-5:異能系統の決定

【異能】値が1以上あるキャラは、ここで系統を決定します。系統の変更はできません。【異能】値が2以上あるキャラは、その系統のLV2、LV3などを使用できます。戦闘をメインテーマとしないゲームでは、異能の効果を変更します。

出目:獲得する異能
 1:☆至近距離火力
 2:☆自己強化能力
 3:☆遠隔攻撃能力
 4:☆絶対防御能力 または ☆異常体力
 5:☆精神攻撃能力
 6:プレイヤーは上の1〜5の中から好きなものを選ぶ


1-5-1:異能の詳細

☆至近距離火力

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:隣接する3×3マス もしくは
発動難易度:【知性】+【異能】:NORMAL
効果種別:範囲攻撃

Lv1の場合、術者と隣接した3×3マスの敵全員に1ダメージを与えます(『回避:NORMAL』)。Lv2の場合、中心点の敵1体に1ではなくD3ダメージを与えます。Lv3の場合、中心点の敵1体に1ではなくD6ダメージ(『回避:HARD』)を与えます。

グリッドマップを使わない場合、Lv1は至近距離にいる敵最大9人までに、それぞれ1ダメージを与えます。Lv2の場合、そのうち1体に1ではなくD3ダメージを与えます。Lv3の場合、そのうち1体に1ではなくD6ダメージ(『回避:HARD』)を与えます。

☆自己強化能力

使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:精神力1、瞬時行動
ターゲット:自分自身
発動難易度:【知性】+【異能】:NORMAL
効果種別:強化、効果継続(Xターン)

この異能の効果が継続している間、術者は【腕力】+3、【脚力】+2されます(【体力】の一時的増加はありません)。

この効果は、Xターン後の手番開始フェイズまで継続します。Xは【異能】値を参照します。効果が終了するターンの手番開始フェイズに【精神力】を1点消費すると、自動的にXターンだけ効果を延長できます。

☆遠隔攻撃能力

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:最大で【異能】値+1体までの敵(上限4)
発動難易度:【知性】+【異能】:NORMAL
効果種別:射撃、マルチターゲット

【異能】値+1個の超自然的な弾が発射され、使用者から視線が通ってさえいれば、どれだけ離れていても自動的に命中します。ダメージはそれぞれ1です(『回避:NORMAL』)。複数の敵に振り分けても、1つの敵に集中してもかまいません(まとめて回避可能)。これは射撃系効果のため、ターゲットが隣接している場合には使用できません。この異能で生み出せる弾は、最大で4発までです。

☆絶対防御能力

使用タイミング:回避判定の代わり
コスト:精神力1
ターゲット:自分自身
発動難易度:知性+異能:NORMAL
効果種別:強化、効果継続(次の手番開始フェイズまで)

術者は『回避判定』の代わりに、この異能の使用を試みられれます。回避ダイスが残り0個の時や、本来は回避不能な条件下でも使用できます。

効果が継続している間、『ダメージ軽減1』を得ます。Lv2の場合これは『ダメージ軽減2』となります。Lv3の場合、これに加えて『クリティカル耐性』を得ます。【異能】値に関わらず、これらの効果が持続している間、術者は通常の『回避判定』を行えなくなります。

オプション異能:『☆異常体力』

この異能を選択したキャラは、各ゲームの開始時に、【異能】値の2倍に等しい追加の【体力】を得ます。ただし、ゲーム中に行うあらゆる『パルクール移動判定』の難易度が+2されます。『回避判定』を導入したくない場合は、よりシンプルなこちらを採用します。

『☆精神攻撃能力』

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:隣接する3×3マス
発動難易度:【知性】+【異能】:NORMAL
効果種別:範囲攻撃、精神攻撃

術者と隣接した3×3マスの敵全員に対して『精神力ダメージ1』を与えます(『回避:NORMAL』)。【異能】値にかかわらず、このダメージを回避できなかったモブ敵全員は、ターン終了まで一切行動不能となります。Lv2の場合、回避に成功したかどうかにかかわらず、効果範囲内にいる敵のうち好きな1体に『抵抗判定:知性:NORMAL』を行わせ、これに失敗したら『金縛り』効果を与えられます。Lv3の場合、この『抵抗判定』の難易度がHARDとなります。

金縛り:対象1体は、術者側の次の手番開始時まで軽度の『麻痺状態』となってその場から動けず、あらゆる行動難易度が+2されます。対象がこの『麻痺状態』中にダメージを受けて【体力】/【精神力】が1以上減少した場合、そのフェイズの終わりに『金縛り』効果は終了します。

グリッドマップを使わない場合、「至近距離火力」と同様に、Lv1は至近距離にいる敵最大9人までに、それぞれ精神力ダメージ1を与えます(Lv2以降も同様)。

以上でキャラクターメイキングは終了です。


2:コアルール

2-1:ゲームの進行

ゲームは以下のような場面の繰り返しで進行します。

「ブリーフィング」→「シナリオ」→「評価」→「余暇」→「ブリーフィング」→「シナリオ」→「評価」→「余暇」「ブリーフィング」……

「ブリーフィング」では、PCたちが所属する組織などから命令やクエストが与えられ、これから挑む「シナリオ」のための予備調査や導入が行われます。シナリオをクリアすると、その達成度により「評価」が決定し、PCたちは報酬を得られます。続く「余暇」では、獲得した報酬を費やしてキャラクターの成長や強化を解決したり、NPCとの親密度を向上させたりします。

このゲームの核となる「シナリオ」パートは、「戦闘シーケンス」と「探索シーケンス」の2つの状態を行き来することによって進行します。

「探索シーケンス」→「戦闘シーケンス」→「探索シーケンス」→「戦闘シーケンス」→「探索シーケンス」→「戦闘シーケンス」……

「戦闘シーケンス」はターン制で進行し、各ターンごとに巡ってくるキャラクターごとの「手番」を解決します。ターン内の各キャラクターの手番は、「イニシアチブ値」(略称「機先」)の高い順に処理されます。

「ターン開始フェイズ」「各キャラの手番」→「ターン終了フェイズ」「ターン開始フェイズ」「各キャラの手番」→「ターン終了フェイズ」……

1つの「手番」は以下のような「4フェイズ」に分かれています。「瞬時行動」に分類される行動は、各フェイズに最大で1回まで行えます。

◆1手番の流れ(上から下へ)

手番開始フェイズ(手番開始時)

 手番開始時の各種宣言を行う(装備切り替え、集中など)
移動フェイズ
 「移動スタイル」を使いたければ1個宣言する
 「移動」を行える
攻撃フェイズ
 
 「戦闘スタイル」/「射撃スタイル」を使いたければ1個宣言する。
 「攻撃/射撃/その他の行動」を行える
手番終了フェイズ(手番終了時)
次のキャラの手番へ

各フェイズでは、自分のPCを移動させたり、射撃を行なったり、近接攻撃を繰り出したりできます。これらの行動が成功か失敗かをダイスで決めるのが「判定」です


2-2:判定

これには例えば「攻撃判定」(腕力)、「射撃判定」(敏捷性)、「知識判定」(知性)などがあり、どの能力値と結びついているかが決まっています。またそれぞれの判定には、内容に応じて難易度(出目の目標値)が決まっています。ルールに判定難易度が特に書かれていない場合、それは全てNORMALです。

判定時には、対応する能力値に等しい個数のD6を握り、それを振ります。判定は出目が大きければ大きいほど良く、振ったD6の中に難易度以上の出目があれば、その判定は成功となります(出目を合計するわけではありません)。

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難易度修正:ルールに「難易度+1」「難易度−1」などと書かれていた場合、早見表を見て上(+の場合)や下(−の場合)に目標値を変更します。

複数の修正値:
「最も値の大きいものを使う」「累積しない」などの例外が書かれていない限り、1つの判定に対して複数種の修正値が存在する場合、それらは全て合算されます。

ルールに定められていない判定を行う場合、あるいは特殊な状況下での判定を行う場合、使用する能力値と難易度はマスターが指定します。例えば「【腕力】値で判定を行います。難易度はULTRA-HARDです」などです。これは『腕力判定:U-HARD』などと省略されることもあります。

【】による出目の指定:ルールによっては【6,6】などで追加効果が発生する場合があります。これは「振ったダイスの中に出目6が2個以上あった場合」を意味し、それより良い出目、つまり「出目6が3つ以上あった」場合なども条件を満たせます。同様に【6,5】の場合、「振ったダイスの中に出目6が1個以上、出目5が1個以上あった場合」を意味し、「出目5が無く、6が2個以上あった」場合などでも条件を満たせます。

対抗判定

『対抗判定』と書いてある場合、2人以上が同時にその判定を行い、より多い成功数を出した者が判定の勝者となり、そのルールに書かれた何らかの効果を起こせます。成功数の差によってダメージを受ける場合もあります。

超高難易度の成功数比較:UH2以上の難易度で成功数の比較が必要な場合、まず最低限必要とされる個数の出目6をワンセットで1成功と数え、追加の出目6は全て成功数+1としてカウントします。例えば難易度UH3の判定で、出目が「6,6,6,6,6,6」だった場合、成功数は4としてカウントされます。これが難易度UH2ならば、成功数は5。難易度UHならば成功数は6となります。

抵抗判定

『抵抗判定』とは、キャラクターが毒や精神攻撃の影響に耐えられたかどうかを調べる判定です。能動的行動でも受動的行動でもないため、そのキャラが「あらゆる行動が不能」な状態であっても判定されます。通常の判定と同様、1回『抵抗判定』の機会が来るたびに、1回だけ『抵抗判定』を試みます。

探索時と戦闘時の判定の違い

ほとんどの判定は、「探索時」には自動成功します(つまりダイスを振る必要はありません)。しかし重要な場面では、たとえ敵がいなくとも判定を行います。探索時の判定はあくまでも「それを行うとゲームがより楽しくなる」場合にのみ限定し、可能な限り減らします。

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